55話「最強の敵への特効薬は『煽り』」
「照準が、ブレまくり。一発も『アイツ』に命中してない、かも」
「ッ?! ギィ!!! 」
弾が命中していなくても、相手の注意だけは十分に引くことができた。
真紅のコボルトが銃声にリアクションして、華白の姿をハッキリと認識。獲物(華白)を仕留めるべく、地面を蹴って直線的にダッシュしてくる。
「ガァァアア! 」
「感動の再会にしては、殺伐としてるかも?! 」
相手の迫力に圧倒され、華白の背筋が凍りつく。
(心臓が止まりそうだけ、ど! 今は『エサ役』を熱演しなくちゃ)
「お腹が空いてて、イライラしてるんでしょ?! 丁度いい『肉』が、ここにあるかも!」
ドドドドド!と、銃を撃ち続ける、が……それらの攻撃は一発も相手に命中しない。
だが、それだけでも、相手の注意を引きつけるには十分だった。
「わたしィの使命は、時間稼ぎ」
(カケルがアタッシュケースを空けるまで、コイツを煽ってればいい、からッ)
「ガァ! 」
「絶好調かも。木偶の棒を逃がしたら、末代の恥だよ~」
「ガァアア! 」
真紅のコボルトの殺気は、華白に集中している。
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