表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/245

47話「おいしい毒ガス」

 

 1%でも敵と遭遇するリスクがあるのなら、潔く撤退したほうが賢明かもしれない、が……カケルは危険を承知のうえで力強く頷いた。


「心配なんて、取り越し苦労だよ。どんなアクシデントが相手でも乗りこなしてみせるさ。それに、リン……キミに危険を背負わせたりしないよ」


 カケルは雷昂の『蛾(使い魔)』を右肩に乗せ、ガスマスクのレンズをキラリと光らせる。


「ボクが神具を盗んでくるから、君はここで朗報を待っててくれ」


 カケルは茂みから出てゆき、毒森北側の地を堂々と歩んでゆく。

 華白は、その指示に従わず…彼に続いて茂みから離れた。


「『はい、そうですか♪』って留守番できるワケないかも。もう! どう転んでも、知らないから」


 ……一歩、二歩、三歩……

 緊張した足どりでカケルの背中に追従し、毒霧に覆われたフィールドを進んでゆく。


(大地も空気だって、ぜんぶ毒…)

「それなのに、わたしィ…ガスマスク無しでも、平気だし……へ、ヘンなの」


 華白は素顔を毒霧に晒したまま、挙動不審に歩き続ける。この時点で既に、華白は『致死量の毒霧』を吸い込んでいた、が。命に別状もなく、それどころか逆に…


「ど、毒霧を吸って、安心してる自分が…いる、かも」


「あれえ~わたしィって、コボルトの100倍バケモノしてるんじゃ~」


 確かに、コボルトは脅威だが、今の華白にとっては『毒人という存在に変異した自分自身』が一番怖ろしかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ