45話「生まれて初めての悪口」
「あわわッ?! なにコレ、小瓶? 」
突然、小瓶を投げ渡され、華白はアタフタしながらキャッチする。華白は、小瓶の中にある『美しい液体』に見惚れ感動してしまった。
「すっごい、キレイ。もしかして、超激レアな回復薬とか? 」
「ちがう。毒薬だ」
「はへ? 物騒なワードが聞こえたような。わたしィの聞き間違い、かな~? 」
「猛毒よりも数倍強力な『超毒薬』。神龍さえも昇天させるほどの、な」
雷昂のストレートな説明に、華白は(聞かなければよかった!)と後悔した。
「サポート・アイテムが、毒薬?! 悪魔だって、ドン引きかも!」
「嫌なら返せ。だが、保証してやる。ソレはきっとキサマの力になる」
(たしかに~わたしなら、毒薬で晩酌しても平気だろうけど~)
「……で、でも。毒薬なんかが切り札になるの?」
さりとて、雷昂が嘘を言っているとも思えなかった。
(謹崎さんの狙いは分かんない、けど。ここは、素直に騙されておこう)
華白は渋々と毒薬を受け取ってから、抱いた感情を素直に口にした。
「多分、わたしィ。アナタが嫌いかも」
「奇遇だな。それがしも、キサマが嫌いだ」
子供のように口喧嘩を、華白は体の芯からワクワクする感覚を抱いた。『嫌いだ』と真正面から、人に言ったのは何時ぶりだろう?
(もしかしたら、生まれて初めて……人に「嫌い」って、ぶつけてやったかも)
本音を暴露できた事に喜びつつ、超毒薬の小瓶を胸ポッケにしまってから、愛想の悪い幼女巫女へ糺を告げた。
「ちょっとだけ、地獄に行って来るね。謹崎さん」
「フン。気安く『さん』付けするな。馬の骨め」




