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31話「巨大怪獣の正体は、ロリ巫女幼女」

 

 ロリ声ボイスで罵倒してくる怪獣(蛾)が、華白の恐怖心を掻きたてる。



「わたしィにだったら! 食うなり焼くなり……好きにしていい。でも、彼に手を出すのは…化物相手でも許せないかも」

「フン。それがしに、食人の趣味などないわ。他者の心配よりも、己の身を案ずるべきだな『毒人』よ」


 ……毒人どくびと……

 怪獣から不気味な仇名で呼ばれ、華白の背筋に悪寒が走った。


「毒人……なんなの、ソレ?」

「………フン」


 しかし、蛾の怪獣は『毒人』について言及せず、翼を優雅に羽ばたかせるのみ。


「答えてよ! 」


 沈黙に徹する相手に、華白はついつい不満を爆発させてしまう。だとしても、蛾の怪獣は『目的地点』を目指して、毒森の空を我が物顔で飛んで行く。


 蛾の怪獣は華白の言葉をスルーしながら、飛行スピードを徐々に減速させてゆく。


「フン……着いたぞ。覚悟しろ、馬の骨」


 下を見下ろすと、そこは…神秘的な雰囲気を漂わせる『神社』があった。

 神社の入口には重厚な鳥居が君臨。鳥居には複雑な模様が彫りこまれていた。

 中庭には広い空間が連なり、朽ちた池と枯れた神木が佇んでいる。神楽殿や社務所は時が静止したかのように沈黙していた。


「ど、毒森なんかに……神社があるなんて、冗談にしては悪趣味かも」

「ふざけているのは、貴様の方だ。ここは『毒牙神社どくがじんじゃ』。数千年の歴史をもつ、毒の女神の聖域だ」


 ロリボイスでぶっきらぼうに説明して、怪獣は神社の中庭へ降下してゆく。


「着陸するぞ。衝撃に備えろ」


 怪獣は昆虫の脚で、カケルと華白をポイっと放り出す。


「あッ、わわわわ! 」


 神社の中庭へ顔面から着陸する華白。それから、モタモタと立ち上がり顔面についた泥を拭うと、蛾の怪獣と対峙して相手の出方を警戒する。


「わたしィたちを、こんなボロ神社まで誘拐するなんて……何を、企んでるの?」

「恩知らず目。恩人を誘拐犯扱いするでない」


 蛾の怪獣は華白の敵意など気にも止めておらず…

 このフィールド(毒牙神社)が『安全エリア』である事を淡々と説明してきた。


「この神社は『結界鳥居』に守護されておる。魔物や毒霧は絶対に侵入不可能だ」


 華白は怪獣の説明に耳を傾けながら、辺りの状況を肌で察してみる。事実、神社の空気は透明で毒霧は欠片もなかった。


「たしかに、ここの空気はキレイかも。毒霧もコボルトもいないし」

(でも、油断するのは命取り。ここは情報を聞き出した方がいい、よね)

「つ、つまり!この神社の敷地内は『安全地帯』って感じ? 」

「馬の骨にしては物分かりがいい。雑魚に見せるのは癪だが……フン、今回だけは特別だ」


 怪獣は華白の解釈を鼻で笑い、翼を羽ばたかせ黄金の鱗粉を発生させた。ゴールドの光粒が怪獣を包み色鮮やかに踊る。すると怪獣の体が発光しはじめて、巨大なシュルエットが変化。怪獣の体系から『小さな人型』へシフトさせた。


「なッ、何なのお~?! 」

(怪獣の体がッ、光りに覆われてる~ななな、何が起こってるの? )


 ギャラリー(華白)が驚いている内に、黄金の光粒は消失。

 つい先程まで、巨大怪獣がいた場所に「ロリ幼女」が立っていた。

 可憐で愛嬌のあるアクアブルーのショートへア。透明感のあるモチモチした肌。身長130㎝程度のロリ体系。顔に「道化師のような仮面」を装着している為、一体どんな顔をしているのか? パッと見ただけでは分からない、が…青+白の「巫女服」から、彼女の職業が巫女である事を想像できた。


「えぇ~蛾の怪獣が、ロリ巫女幼女に変身しちゃった」


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