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233話「太陽」

 夢を見ているかのような感覚を抱きつつ、翼はキョロキョロと視界を動かす。


「神社も、毒森も……この世から去った。いや、それよりも……」


 辺り一帯を漂う毒霧(毒ガス)が薄まって、視界全体がクリアになってゆく。


「右も左も、視界が良好だ。まさか、毒霧も?」


 彼の疑問に応えるように、クリーンな一風が脇下を通り過ぎてゆく。

 やわらかな一風を感じて「?」と首を傾げる、隊員たち。


 翼は、命綱のガスマスクへ慎重に触れてから、心の中で決意を固めた。


「未開の地を踏むのは、いつの時代も『選ばれし者』だ」


 そして、翼が勇気の赴くまま、全力全開でガスマスクを脱いで見せた。


「「「隊長?! 」」」


 翼の行動にザワつく隊員たち。

 しかし、翼の体には問題はなく。

 彼は風が頬を撫でるのを実感しながら、素直に本心を綴った。


「空気が、うまい……」


 その一言によって……ワァーーーー!と、隊員たちは大歓喜。


「ぜんぶ、全部、終わったんだ! 」

「我々の勝利だ! 」

「俺たちは、助かるんだあああああああああ」


 皆が一斉にガスマスクを脱ぎ捨て、仲間たちと抱き合い、お互いの友情を確かめ合う。


 そんな部下たちに背を向け、井竜翼は天を埋め尽くす青空を見た。


「眩しい……な」


 すると、そこには…黄金の光を発する「大きな球体」があった。

 翼は、その球体を見つめつつ、柔らかな温かさに体の芯を震わせた。


「コレが、太陽か」


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