231話「今日一番の異常」
一人、考察を続ける翼の元へ……
――ドタドタドタ!ーー
「たいちょう……井竜隊長! 」
足音&騒々しい声が、駆け寄ってきた。
「井竜隊長! ご無事ですか?! 」
騒がしい声に気づき、振り返る翼。
その先には「ハアハア」と、息を荒げる隊員たちの姿があった。
「お前たち?! 無事だったのか! 」
隊員たちは、困惑しながら隊長(翼)の周りに集結する。
彼らは、揃って混乱している、が……
「お前たちも……ルルナ様の洗脳から、開放されたみたいだな」
翼の推察通り…隊員たちは皆、正気を取り戻していた。
「コレは一体?! 」
「マジかよ! 信じられねえ! 」
「夢でも見てんのか! 」
けれども、隊員たちはパニック状態のまま、右往左往している模様。
翼は、彼ら(隊員)の落ち着きのなさに「はあ」と溜息をついた。
「ようやっと正気に戻ったのに、なんて様だ。いや、まさか……」
翼は、この現状に違和感を抱き「コボルトが襲撃してきたのか? 」と肩を強張らせた。
「お前たち! 動じるな。コボルトが特攻して来たなら、状況を落ち着いて整理しろ」
部隊のブレイン(指示役)として、翼はガスマスクの中で鬼の形相を浮かべながら、隊員たちを怒鳴りつける。
すると…彼(翼)の横で棒立ちしていた隊員が……
「……いや、コボルトなんざよりも……もっと異常なモンです。井竜隊長……」
「まさかッ! 荒神業魔か! 何ていう事だ。畜生……」
「違います。そらが……空が、晴れて……ます」




