215話「たった一コマの舐めプレイ」
うろたえるルルナの元へ、華白が一歩一歩と歩み寄ってくる。
「多分…1ミリだけ、準備体操になったかも」
「なんですって……手加減している……とでも仰るおつもりですか?! 」
ルルナは後退り、天ノ無双剣の柄を力一杯に握りしめた。
「ざけるなッ! ふざける、なああああああああ! 」
暴走気味に聖剣を振り回すルルナ。
1発2発3発……と、放たれるエネルギー斬撃。
「フン。プライドに泥を塗られて、ヤケになったか! 哀れなヤツめ」
雷昂はルルナの豹変に驚いているものの、肝心の華白は表情の一つすら動かすことなく……
「多分、みえる……」
(ルルナさんの攻撃が全部……スローモーションに流れてるかも)
エメラルドグリーンの瞳で、エネルギー斬撃の一つ一つを視認。
続けて、突き蹴り・横払い蹴り、蹴り上げ……
流れるようなキックコンボで、斬撃波の猛攻を無力化させてゆく。
「お、思い上がるのは!百臆年早いですわ!」
ルルナは聖剣(天ノ無双剣)を握りしめ、華白にむかって突撃してゆく。
「華白さん。アナタを……わたくし自らの手で、サイコロステーキにしてやりますわ! 」
「ど、毒人間を料理しても、美味しくないかも」
「ふざけるヒマがあるとは! 随分と余裕ですわね! 」
ルルナは華白の懐に潜り込み、聖剣の刃先をキラリと光らせた。




