207話「トゥルーエンドへのカウントダウン」
………………
「さあて、と♪」
ルルナは勝利の余韻に酔いしれながら『枯れた大木』の元へルンルン♪と歩みよった。
「あとは、この大木を…目覚めさせるだけですわ」
けれども、その道中でーーガシッ! ーー
後ろから「ちっこい手」が、勝者の右脚にしがみつき、進行を妨害してくる。
「もう起きたのですか♪ ずいぶんと打たれ強いゴミですわね」
呆れ気味に、自分の右脚へ視線を流すルルナ。
「害虫ちゃん♪」
その先には、ルルナの右太ももにしがみつく雷昂の姿があった。
「ハアハア……小娘がッ、侮るな!『袋叩き』にされた程度で、くたばるモノか! 」
「ほう♪ 口先だけは天元突破していますわね」
ルルナは瀕死状態のゴミ(雷昂)を冷たい目で見下ろし「ふんッ」と嘲笑う、と……
「幼女にベタベタされるのは、趣味じゃありません♪ 」
綺麗な白い手を握りしめ、雷昂の脳天にグーパンチを喰らわせてやった。
「あぁッ! 」
短い悲鳴を上げ、地面に叩きつけられてしまう雷昂。
命懸けの抵抗も虚しく、いとも簡単にルルナの太ももから手を離してしまった。
「貴様。お嬢様口調のくせに、挙動はチンピラだなッ……」
「どうぞ、お好きに煽ってくださいな。わたくしの栄光は不動ですから」
ルルナは穏やかに囁き『枯れた大木』の前で仁王立ち。
「害虫ちゃん。指を咥えながら鑑賞していてください。人類滅亡へのトゥルーエンドを」




