204話「戦いの報酬は転生」
……だから……
「アナタに、表か?裏か?『どちらかの祝福』を譲渡してあげるの」
「ど、どちらかの……祝福 」
「うん。わたしが女神の権利をつかって、アナタを転生させてあげるの」
「話のスケールが大きくて、頭の回転が追い付かないけど……多分、ご褒美に『新しい人生』を貰えるって感じ? 」
「大体、そんな感じなの」
少女は、華白の解釈に頷き『転生』について詳しく解説する。
「表も裏も、別の存在に転生するという点は共通している。……でも、転生後の人生ルートが全然ちがうの」
「つ、つまり……二つのルートの内、片方しか選べないわけだね? 」
少女の説明に、華白は息を飲みながら聞き入る。
「完璧な人間として生まれ、愛と希望に満ちた『完璧な世界』を歩む。コレが、表ルートなの」
……それから……
「『新たなる毒の女神』として蘇生し、悪と絶望だらけの『今の世界』を歩む。コレが、裏ルートなの」
前者は、華白隣ではない『新たな人間』として、順風満帆な人生を謳歌する道。
後者は、『悪の親玉』として復活し、嫌われ役の人生を背負う選択。
「正義の主人公か? 悪役の女神か? どっちが良いか?なんて、考えるまでも無いかも」
「個人的には『表ルート』をおススメするの。あらゆる幸せが確定しているから……」
少女は華白の感想に頷き、さらに言葉を連ねた。
「でも、最後に決断するのは『華白隣』。アナタなの……」




