203話「即死する才能」
……すると……
「正解、なの……」
聞き覚えのある少女の声が、華白の推理を肯定してきた。
声がした方を見てみると、そこには青髪ボブヘアーの少女が棒立ちしていた。
「君、いきなり現れないでよ。心臓に悪いかも」
「……臆病者に、気遣いできるほど…器用じゃないの」
「君、フワフワした外見してるのに、毒舌かも」
ボブヘアーの少女は、華白のツッコミを流して、悪夢の景色について説明を付け足す。
「この景色は百年前の幻影。つまり、繁栄していた頃の毒牙神社なの」
「以外かも。昔の毒牙神社が、こんなに豪華だったなんて」
華白は少女の瞳を見つめ、己の現状を口にした。
「多分、わたしィ……死んじゃった? 」
「大正解なの。アナタには、即死する才能があるみたいなの」
「全然うれしくないセンスかも……」
プイっとそっぽを向く華白を見つめ、少女はやさしく頬を緩ませる。
「……ここまで『悪あがき』してくれて、ありがとう……なの」
少女はやんわりと糺を告げ、華白の元へ歩み寄る。
「結局、アナタは『ルルナちゃんの祝福』を止められなかったの。だとしても……」
少女は青いボブへアーを優しく靡かせ、華白へ手を差し伸べた。
「失敗しても、カッコ悪くても、惨めでも……アナタは歩きつづけた、の」




