194話「感動?の再会」
蛾の怪獣が墜落してしまい、華白が昆虫の脚から投げ出される。
「あう! あうッ! 」
バスケットボールのように花壇の上をバウンドする華白。
「………」と、沈黙する蛾の怪獣(雷昂)。
力尽きた二人を見下し、ルルナは「フフ♪ 」と笑みを零した。
「なんと!美しい運命でしょう。害虫ちゃんと、感動の再会を果たせるとは♪ 」
「うゥッ! グゥ……」
ルルナの挨拶に、呻き声で返事する雷昂(蛾の怪獣)。
尚且つ、蛾の怪獣の体が光りに包まれ、怪獣形態から元の『幼女巫女』へ戻ってしまう。
『雷昂の変身が解けた』のを見て、ルルナは「なるほど」と一人納得した。
「折角の変化術も、体力が尽きたら『強制解除』という筋書きですか♪ 」
ルルナは力尽きた雷昂を、ゴミを見るような目で見下した。
「流石、あの女の『欠陥品』ですわね」
「……フン。ほざくな。小娘がッ……」
希望の女神の罵倒に、雷昂の拳がピクリと反応する。
「話は、逐一聞かせて貰ったぞ」
雷昂は泥だらけの拳を握りしめ、仮面の割れた亀裂からルルナを睨みつけた。
「100年前の…あの夜。貴様が、裏で暗躍していたのだな」
「わたくしとバイキンちゃんの対話を、上空から盗み聞きしていたのですか? 流石、害虫♪ 礼儀の一つすらなっていませんわね」
「一番無礼なのは、貴様の方だ。自称女神の『暗殺者』め」
ズタボロの巫女から『暗殺者呼ばわり』され、ルルナは聖剣の柄を握る手にそっと力を込めた。
「口喧嘩だけは神がかっていますわね。上等ですわ。なぶり殺しにして差しあげましょう♪」
「死に晒すのは…貴様の方だ。『つくし様』の無念を、ここで晴らしてやろう」




