186話「女神からのスカウト」
希望の女神は黄金の瞳を輝かせ、人類滅亡のシナリオを綴る。
華白は、ルルナに対して怒りを抱いた。
この女神は、人類すべてを細菌としか見ていないのだから……
すると、ルルナが「素晴らしいアイデアが閃きましたわ♪ 」と声を弾ませる。
「華白隣さん。わたくしに協力しませんか? 即ち、協定ですわ」
「わたしィが……あなた、と……」
「ええ! 二人で協力して、人類を根絶するのです。わたくしは女神、あなたは毒人。二人の力を重ねれば、人類など…ものの秒で消毒できますわ」
友達を遊びに誘うように、ルルナが華白を『人類虐殺計画』へ勧誘してくる。
「華白さん。今のアナタは……そこら辺の凡俗とは一線を画す超人。わたくしの右腕に適任ですわ……だから~」
ルルナは喜々としながら、これからの計画について語る、が……
「イヤかも」
華白の力強い一言が、ルルナの愉快なトークを一刀両断してしまう。
「は? 」
勧誘を一言で否定されてしまい、ルルナはポカンと口を開く。
「折角のスカウトだけど『相方の席』は埋まってるかも」
華白はルルナへ真っ直ぐ視線を投げ、ポニーテイルを凛と揺らした。
「それに、正義の味方なんて趣味じゃないもん」
「……残念、振られてしまいましたか♪ 」
ルルナの瞳に静かな殺気が宿る。




