179話「『正義』の味方」
ルルナは水晶玉(法術核)を、唖然とする華白へ見せつけた。
「わたくしは『人類を救済するつもり』など、欠片もございません♪ 」
希望の女神は「人類を助けない」と宣言。
華白は、困惑する事しかできなかった。
「……? 一体、何を言って……」
「フフ♪ わたくしは『正義の味方』であって、人類の味方ではございません」
「要するに、みんなを助ける気はないってワケ?! 」
「ムキにならないでください。そもそも、人類を守る! など……宣言した覚えはありませんわ」
「う、嘘でしょ…冗談きつい、かも」
華白は心臓の鼓動を荒ぶらせ、慈愛に満ちたルルナの顔を睨む。
「だったらッ……なんで、荒神業魔をやっつけたの?! 人間を、みんなを守る為じゃないの?! 」
「わたくしが『人類のため』に荒神業魔と戦うですって? フフ♪ 今回の毒人さんは、お笑いのセンスが皆無みたいですわね」
ルルナはテンポよく語りながら、法術核を優しく撫でた。
「……まあ、良いでしょう。華白さん、アナタは『特別』です。わたくしの『真の願望』を教えて差し上げますわ」
ーー希望の女神・七神ルルナの『願望』。ソレはーー
「『人類滅亡』ですわ♪ 」
可愛らしくウインクして、とんでもない事をサラリと宣言するルルナ。
「じじじじじじ、人類滅亡?! 」




