172話「助け船はレーザービーム」
残酷な現実を告げるかのように、荒神業魔が右手を華白の頭めがけて振りおろした。
彼(荒神業魔)の巨大な拳が、華白の頭頂部を粉砕しようとする。
……そのタイミングで……
――ピィ、イイイイイイイイ!ーー
突として、死角から『黄金の閃光』が両者(華白とボス)の間を通過した。
「〇△〇?! 」
「えッ?! な、なんのピカピカ?! 」
神々しい光りに前方を遮られて、華白は目を点にしてしまう。
「金ピカの光り、一体コレって? 」
彼女の問いに答えるかの如く、続けて一発。二度目の『黄金の閃光』が決戦フィールドを駆け、荒神業魔の右手に襲いかかった。
「ッ! ✕〇✕、×××××××××! 」
黄金の熱線によって、荒神業魔の巨大な右手がドロドロに焼き溶かされてゆく。
「え、えぐい……かも」
(ピカピカの光りが、荒神業魔の手をこんがり焼いてる……)
遂には荒神業魔の右手が炭と化し、彼の悲鳴が響き渡った。
「✕〇✕、○○○○○○○○○○○○○! 」
「滅茶苦茶かも。荒神業魔の手を、焼き飛ばしちゃうなんて」
華白は心拍数を上昇させながら『黄金の閃光』の正体を口にした。
「多分、このピカピカ。レーザー光線ってヤツ? 」
そしたら、幼稚な解釈を修正するかのように……
「不正解ですわ♪ コレは『正義の裁き』ですのよ」
……綺麗に透き通った「美少女の声」がやさしく返答してきた…




