171話「究極生命体VSストーカー女」
(ヤバ! 毒の鉄砲、おとしちゃったぁ! )
背中から花壇へ追突する華白。
深刻なダメージが脊髄に刻まれ、意識そのものが一瞬だけ途切れた。
「あぅ、頭……が……」
……しかれども……
「ストーカー女のプライドッ! 見せてやる、かも」
華白は「ゲホッ、ゲホッ! 」と、グリーンブラッド(緑色の血)を吐血しながら、B級ホラー映画のゾンビのようにヨロヨロと立ち上がった。
(諦めるのはまだ早いッ! だって……)
「クソみたいな『勇気』に感染しちゃった、から…」
ショタ男から押し付けられた『カスのような希望』を吠えて、無敵の絶対強者と対峙してみせた。
「負け犬の根性、わからせてあげる! かも」
「〇△〇、○○……」
荒神業魔が王者の風格を纏いつつ、更にもう一段階の力を解放する。
無数の触手が、彼(荒神業魔)の背中に生成。それらの触手が各々に変形&進化し「剣・槍・斧」などの凶器と化す。
つまり、今の荒神業魔は20~30本の武器を装備しているも同然だった。
「ハヘェ~すごい。多分、キミ……この宇宙で一番最強かも」
文字通り最強と化した荒神業魔を前に、拳を握りしめる華白。
「こっちのネタはガス欠かも。ここからは化物同士。頭空っぽにして殴り合おうよ」
姿勢を低くして『これから繰り広げられる肉弾戦』に全集中する。
(どんな力を手に入れても、わたしィは…わたしィ……臆病者のストーカー女)
「分かってるかも。カケルには……なれないって」
二つの戦士の視線が交わり、シーンとした沈黙が数秒だけ流れてゆく。
「だとしても、多分! わたしィが! 」
「〇△〇、○○○○○○○○○○○○○○○!!」
荒神業魔が沈黙を粉砕するかの如く、華白にむかって突撃してくる。
華白も負けじと、迫りくる無敵の存在に真っ向から特攻していった。
「『欠落した世界』を、守ってやる…かも」




