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164話「毒人ダンシング」
――ビュッ!
「遅すぎる、かも……」
華白は顔色一つ変えず、相手の一挙一動を視認
続け様に、軽やかなステップを踏んで『即死攻撃』を容易く回避した。
「ギィ、エ?! 」
首狩り攻撃が見事に外れてしまい、コボルトの口から間抜けな声が洩れる。
「それじゃ、今度は……わたしのターン……」
……という、彼女の台詞途中で、2体のコボルトが左右から襲撃してくる。
「ギィア!」
まずは右側から、コボルトが華白のこめかみ目がけて刺突攻撃。
「ざんねん」
華白は死角(右側)からの一撃を、上半身を軽く捻らせてかわす。
回避後……左側のコボルトが、プロレスラーの如くラリアット攻撃を放つ。だが……
「ハズれ、かも」
華白は真上に向かって軽快にジャンプ。
渾身のラリアット攻撃を軽々と躱し、空中でクルリと一回転してから、花壇の上へ軽やかに着地した。
「おぉッ…とぉッ」
着地の瞬間、数秒の膠着が発生し、華白の背中がガラ空きになってしまう。
コボルトたちはその隙を見逃さず、華白の無防備な背中へ一斉に飛びかかった。




