156話「軍服リサイクル」
「う~ん。布っぽいのがあれば、包帯の代わりになるのに」
自分が着ている『VK6耐毒軍服』を見てピンと閃く。その上「そうだ。コレを使えば!」と声を弾ませて、白色の耐性毒軍装を脱いでみせた。
下着の『黒のタンクトップ姿』のまま、脱いだVK6耐毒軍装をビリビリと破く。
「この軍服をイイ感じで工作すれば、包帯の代わりに」
白色の軍服をリサイクルして『細長い布生地』へ生まれ変わらせた。
「よし、コレを謹崎さんの肩に巻きつけて……」
雷昂の巫女服を少しだけ脱がせて、軍服で作った『布包帯』を巫女幼女の右肩に巻きつける。
「お願い。止まって」
布包帯で雷昂の右肩をギュッと締めつける。
その甲斐あってか? 雷昂の止血に成功した。
華白は上半身『黒タンクトップ姿』のまま、雷昂の応急処置が成功したことに胸を撫でおろす。
「はひィ~ひとまず、これで……」
「『一安心』なワケあるかッ。馬の骨が……」
ぶっきらぼうな幼女の声が、華白の言葉を先回りしてツッコんできた。
華白は、雷昂が意識を取り戻した事に安堵してしまう。
「謹崎さん、案外しぶとい…かも」
「侮るな。それがしは、えら~い巫女様だぞ。この程度でくたばるモノか」
……と包帯に包まれた右手を庇いつつ、ヨロヨロと立ちあがる、が……
「ウ、ァ……」
痛々しいうめき声を漏らし、グラリと真後ろへ倒れてしまう。
「き、謹崎さん?! 」
華白は雷昂の体をとっさに支えてから、口を尖らせ注意した。
「『死にかけ』のクセに、無理しちゃダメかも」
「フン。どうやら、血を流し過ぎたみたいだな。指の一本すら動かん」
……それに……
「軍服を工作して、包帯代わりにするとはな。キチガイにも程がある」
「文句言わないでよ。とりあえず、ソレで我慢してほしいかも」
「フン。まるで母親気どりだな。気に入らん」




