153話「毒人の庭」
……一歩、二歩、三歩。
猛毒の棘蔦が背中の雷昂に触れないよう注意しつつ、ひたすら歩き続ける。
(わたしィ、の足。猛毒の蔦に良いようにされてる、けど……)
歩く度、猛毒の棘蔦が華白の足を絡めとり、鋭い棘が彼女の太もも&ふくらはぎをズタズタにしてくる、が……
「でも、痛くも痒くもないや。Mってワケじゃないのに、変なの」
(……それどころか、体の力が湧いてくるよう、な? )
ナイフのような棘蔦に裂かれ、華白のふくらはぎ&太ももから『緑色の血』が流れ落ちてくる。
無論、その血液は毒人(華白)の体内を巡回するグリーンブラッド。
ポタッ、ポタッ、ジュ―!
(わ、わたしィの血が、猛毒の蔦をドロドロに溶かしてる)
硫酸の血液が、醜悪な棘蔦の壁をいとも容易く溶かしてゆく。
言ってしまえば、華白だけがこの地獄(毒の茨道)を、我が家のように歩くことが許されていた。
「こんな地獄で、ホッとしてる。わ、わたしィが一番……キモイかも」
華白は、自分自信に恐怖した。
「認めたくないけど……やっぱ、わたしィ~毒バフ人間、なんだ」
自身を人の皮を被った『新人類』と自負した途端、様々な考えが頭の中を駆け巡った。
「わたしィ、これから……どうなっちゃうんだろ? 」




