表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/245

151話「熱狂的な追跡者」

 

二つの獲物を逃してしまい、鎌切龍が崖上で怒り狂うように暴れる。


「も、もう諦めて……アナタは普通のモンスターだから、ここは歩けないでしょ」


 あながち、華白のアドバイスも的外れではない。


(毒の茨道って、モンスターから見ても地獄だし、ね)


 この領域(毒の茨道)は普通の生物にとっては地獄そのもの。

 鎌切龍がどんなに最強でも、容易に踏み入るのは自殺行為なのである。


「鎌切トカゲくん。アナタは、崖の上から涎を垂らす事しかできない」


 華白はこれ以上『追われることはない』と確信し、崖上にいる鎌切龍をエメラルドグリーンの瞳で一瞥してみせた。


「アナタと『鬼ごっこ』してるヒマないかも。バイバイ」

 

 ーーところがーードンッ!


 鎌切龍が怒りを爆発させ、崖上から荒々しく大ジャンプ。


「はひィ?! ウソ!」

(か! 鎌切トカゲくんが、雑にジャンプして……)


 鎌切龍が着地して、毒の茨道全体がドスンと振動してしまう。


鎌切龍は毒人でもないのに、自ら毒フィールド(毒の茨道)に踏み入った。華白は、その狂気を目の当たりにして、絶句することしかできなかった。


「頭のネジが飛んでるかも、自分から毒地獄を訪問するなんて! 」


 ブーメラン発言を吐きつつ、鎌切龍に背を向け、生い茂る『毒蔦の道』ひたすら歩き続ける。


「ああ、もうッ! 歩きにくい、かも!」

(毒の棘蔦に足が絡みとられちゃう。一歩進むのもハードモードかも)


 モタモタと前進する華白の背を、鎌切龍が怒涛の勢いで追跡。


 ジャキン! ジャキン! ジャキン!


 右手の大鎌で立ち塞がる棘蔦を切り伏せながら、一直線に突っ込んでくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ