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125話「紙飛行機バレット」

 

 対峙する華白は「………」と口を閉じたまま、翼の前で棒立ちしている。


 翼は、逃げようとしない華白を睨み、勝ち誇ったように叫んだ。


「抵抗しても無駄だと察したか……IQ3にしてはお利口だな」

「馬鹿にだって、譲れないプライドがあるかも」


 華白は拳をひそかに握りしめ、翼のヘイト(注意)を稼ぐことに集中する。

 互いの距離は1mもない至近距離。


(この状態で撃たれちゃったら、ハチの巣確定かも)


 でありながら、自らに言い聞かせるように、決意を宣言してみせる。


「欠落した世界を救うって……約束させられた、から 」


「はあ?! 主人公っぽい台詞、吐いてんじゃねええええ!」


 華白の決意を耳にして、翼の堪忍袋の緒が切れてしまい……彼は鬼のように激昂しながら、アサルトライフルの引き金をギュッと絞った。


 ――――そのタイミングと同時にーーーーー


「フン! ナンパをしている場合か! 三流主人公め! 」


 雷昂が『とある隠し武器』を翼にむかって投擲。

 彼女の投げた『武器』が風を切って、翼のアサルトライフルにクリーンヒット。翼の手元に衝撃が広がって、彼のハンドからアサルトライフルがぶっ飛ばされてしまう。


「なッ?! 『紙飛行機』だと! 」


 その通り、雷昂が投擲した武器は『紙飛行機』そのものだったのである。


「……フン。そ奴は『術式・紙飛行機じゅつしき かみひこうき』。それがしの術具の一つ、だ」


「滅茶苦茶かも。紙飛行機で、翼さんの鉄砲を弾き飛ばしちゃうなんて」

「驚くのも無理はない。ナリは貧相だが……威力は、貴様らの銃器に匹敵するからな」

「つまり、紙飛行機バーションの鉄砲ってこと?! ヤバいかも」


(謹崎さんの隠し玉は凄いけどッ! 今は「折り紙講座」なんか、してるヒマないかも! )


 その通り、こうして話している間にも、翼は「落したアサルトライフル」の元へ走っていた。二人(華白と雷昂)も、翼の行動を阻止するために動く。


「銃を回収されたら、またフリダシだ。馬の骨! ヤツの思惑を妨害しろ! 」


「言われなくたって! 分かってるもん! 」


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