120話「はじめての友達」
十個の銃口が、二人(華白と雷昂)にピタリと合わせられる。
瞬間、華白の本能が警告を鳴らした。
「コレ、即死パターンかもッ……」
(こんな大人数から一斉に撃たれちゃったら、ぜったいに避けられない。わたしィも謹崎さんも、アニメのチーズになっちゃう)
「わたしィは、どうなってもいい。でも、謹崎さんだけは……」
『もう、大切な人を失いたくない』から、華白は次のアクションへ移った。
条件反射的に雷昂を抱き寄せ、己の背中を相手軍にむける。雷昂は170㎝の女にキツく抱きしめられ、彼女(華白)の腕の中で不満を爆発させた。
「なんの真似だ? 母親ごっこのつもりか?! 」
「残念、不正解かも。コレは、わたしの奥義『肉壁』」
「ふざけるな。馬の骨に『庇われる』など、末代までの恥ッ……ふ、ふごッ」
そのクレームを中断させるように、華白が雷昂の顔を自らの胸へ押しつける。それから130㎝の幼女をギュッと包み、雷昂の耳元でやさしく囁いた。
「毒人って、頑丈なんでしょ? だったら、わたしィが『盾役』になれば……ワンチャン、謹崎さんは助かる……かも」
「フゴ! フゴフゴフゴ! (離せぇ! 馬の骨があああ! )」
そんな華白の行為を見て、翼は奥歯をギリギリと噛みしめた。
「命を代価にして仲間を守ろうってか?! 偽善者め……だったら」
続いて、右手を掲げ「撃て」と部下たちに射撃命令を下す。
「お望みどおり、地獄へ送ってやるよ! 」
華白は『避けられぬ死』を確信しながら、雷昂を全身で庇い目を堅くとじた。
「かッ……かけ、るッ……」
(カケルッ……お願い! 謹崎さん『だけ』でも、守って)




