強すぎる子孫たち
「魔王様、全ての領主、貴族が集まりました」
あぁ・・何となく予想はしてたけどさぁ。この時代の魔族強すぎん?1番魔力低そうなやつでも6000年前なら伝説級の魔力だぞ・・呆けている場合ではない。皆が俺の言葉を待っている・・
「よくぞ集まってくれたこの時代の魔族たちよ。俺が転生してからの6000年間、魔族の世を治めてくれていたことを感謝する」
俺が話している間も彼らは心ここに在らずという感じだった。まぁ当たり前か。なんせ伝説の魔王が自分たちよりもよっぽど弱いんだもな。
「・・魔王様、いつ魔力は完全に戻られるのですか」
配下の1人がまるでそうでなくては困ると言わんばかりの顔で俺に聞いてきた。やめてくれ。転生は完璧に終わったんだ・・というか魔族は魔眼がいい。俺が完全体なことぐらいとっくに分かっているだろう・・嫌がらせか!嫌がらせなのか!!まぁ気持ちは分からんでもないがな。嘘をついても虚しいだけだ、正直に言うとしよう。
「いや、転生は完璧だった。」
場が騒がしくなった。あの魔王様がだの今なら下剋上がだの好き勝手言ってくれる。6000年前なら魔力を出して黙らせるとこだが・・むしろ笑われるだけだろう。
「まぁよい。この時代は見た感じかなり平和だ。魔族を統べ指揮を執る王が必要というわけでもあるまい。」
「そこのお前」
最初に俺の前に来たアホみたいな魔力をもったやつに話しかける。
「私が転生したことだけ民に伝えたら、どこか辺境の地をあてがってくれないか?この平和な時代をゆったりと楽しみたいんだ。」
男は一瞬ぽかんとした顔を浮かべたがすぐに切り替え、
「了解しました」
と一言だけ言って去ってしまった。他の者たちも思うところは多々あれど帰っていった。
ただ1人を除いて