第15話 スーパーでお買い物
二十歳を超えたいい大人がお菓子についてるシール欲しさに言うワガママを無視して僕はスーパーの中を進む。
目的は今後のご飯のための材料とか買ったり、面倒くさい時のレトルトパウチとかを買ったりするつもりだ、何よりモコへと与えるご飯を買い忘れしない事が最重要課題である。
無論猫用のトイレの砂も爪とぎも忘れない。モコに家のテキトーな場所でハッスルされるのも家の柱で爪とぎされるのも困るのである。
だって人生で初めて買った一戸建てだよ? そんなの何があっても守り抜く所存に決まってるじゃないか。
モコと共に家も守る。大丈夫、魔法使いの僕ならきっと出来る筈だ、実積としてはこの前強盗を退治したりもしたしね。
ちなみにあの強盗達は記憶を良い感じにして、今後同じようや悪さをしようとしたり他人に暴力を振るおうとしたり暴言を吐こうとすると心の中から理由もないしかし物凄い恐怖が襲ってくると言う精神干渉系の魔法を使ってある。ほぼ呪いみたいなもんですな。
クズ代表との縁も魔法で切ったので今後の彼らの人生は彼ら次第だ。魔法使いとアヤメさんの事は綺麗さっぱり忘れてもらったので二度と会うこともないだろう。
「あっカレールー発見、今夜は私、カレーが食べたいんだけど!」
「カレーですか、良いですね~」
強盗の事を二秒で僕は忘れた、カレーは美味しい。しかしアヤメさんにカレーを作れる程の料理の腕があるのだろうか。
当たり前のように僕にカレーを任せてきそうな気配を感じるので不安は残るが、取り敢えずカレーのルーを購入した。
カレーを作るならお肉と野菜もですな、近頃は暑くなってもきたので夏野菜カレーとか良いと思うん僕だ。
まあ野菜を入れたら肉も入れるけどね。
「ジャガイモにニンジン、タマネギに…」
「あっキュウリもある、浅漬けとかしてみる?」
「事前に一品作っておくと楽ですね、買いましょうか」
後はキムチや納得、豆腐などたまに無性に食べたくなるヤツも買っておく。
基本的僕も家からあまり出ないタイプなので出たときにまとめ買いするのだ。
後お菓子も少しは買っておこう、これはアヤメさんがどうしてもと言うので渋々である。
あまり甘やかすと良くないと分かってはいるのだけどね。
買い物を済ませた僕達は両手に買い物袋を携えてスーパーを後にした。
しかしまとめ買いにも弱点がある、自転車のカゴに入れると重いので自転車を漕ぐのが大変になるのだ。アヤメさんには内緒で自分の分のカゴに入れた荷物は魔法で軽くしている。
アヤメさんはカゴに物を詰め込んでもそこまで苦にならないらしく普通に自転車に乗っていた。
「ふふ~~ん、やっぱり自転車って風になれる所が良いのよね~」
「…………」
この身体能力の差は僕と彼女の根本的な能力の成長具合の違いが大きい。僕は魔法使いなので魔力とか精神力が強化されやすく、アヤメさんは体力とか身体能力が強化されやすいのだろう。
思えばここ数日で以前は僅かばかり目立っていたお腹回りの肉も引き締まった印象を受ける、アヤメさんは日々すくすくと成長しているのだ。
そして魔法でバレないように自転車を隠してる場所まで到着した。
小屋に自転車を格納して僕達は魔法で家に戻った。