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第12話 リベンジは一週間後

 クズ代表の声を聞くのも気分が悪いので、魔法によって彼の頭の中を確認する。僕的には何処か人気のない場所で集まってたりしないかを知りたいのだ。


 謎の廃工場とか廃ビルとかを集会場にしてないかと期待している。何故かって? そこに連中を集めてしまえば後は棍棒を持ってバーバリアンに進化する予定のアヤメさんが全員ちま……成敗してくれるからである。


 魔法でクズ代表の頭の中を覗く、すると予想通り……いやっそれ以上にコイツのクズ加減が良く分かった。


 やはりこれまでも人を使って悪事を働いていたな、当人の頭の中の情報を得ているので手下とはその情報の量が違う。


 脅してグループに引き入れたヤツも何人もいて、そう言うのは警察から逃れる為の身代わりとかもさせているらしい、本当の事を言えば親が~と言って脅すのがクズ代表のお決まりの手のようだ。


 元からつるんでるクズ友は十人弱か、流石に脅された人間までアヤメさんの棍棒の餌食にするのは忍びないかな、ここは人によって意見が別れるだろうけど今回はその連中は見逃そうと思う。


 そしてクズ代表の悪事は主にアポ電強盗、普通に強盗、駄目絶対のお薬販売、オレオレ詐欺系の犯罪など多岐に渡る。

 無論それらを行えるのは彼の更に上にも更なるクズ代表が存在するからである。


 ……う~ん、僕ってさ。掃除とかをたまにしょうと決めた時は一気に綺麗にしたい派なんだよね。


 まっこの話は後にしよう。

 ちなみにクズ代表は本当に廃ビルに集まって集会をしてるらしい、アレってドラマの中だけの話じゃなかったんだね。


 お陰で僕の方からの指示もし易い。

『今度の集会はいつだ?』

「……一週間後です」


『そこにお前が呼べるだけの人間、特に親しくしてる仲間は全員呼べ』

「はいっ………分かりました」


 スマホの電源を切る。これで一週間後には色々とケリがつくな。

 ちなみにだが僕の魔力の影響下にある人間からの言葉にも言霊の効果が現れる。


 今の操り人形くん状態のクズ代表からの招集命令なら彼の上司とかでさえ言うことを聞くだろう。


 うん、我ながらその気にななれば数日で世界すら支配出来てしまうのがこの言霊の恐ろしい所である、ほっとくと再現なく支配下を広げてしまうので使うときは細心の注意と言霊の解除は絶対にしておく必要があるバグ技の類である。


 さてっ少し慣れない事をしたので気晴らしに軽く食べられる物でも作るか、まあ大抵はお湯に入れるだけで作れるレトルトパウチとかである。


 だってもう少ししたらアヤメさんもお風呂から出て来るだろうからね、そして今度はお腹空いたと言ってくるん可能性が高いからだ。


 そして十数分後。

「ふうぅ~いい湯加減~流石私が手塩にかけて掃除した浴槽だったわ~、あっ良い匂い」

「レトルトですけどね、ビーフストロガノフです」

「あのコンビニの高いヤツ!? 美味しそう!」


 そして当たり前のように席につくアヤメさん、誰も彼女が数時間前にウチに来た強盗の一味だなんて言っても信じてはもらえないくらいに普通にしているな。


「アヤメさん、この辺りには宿の類もありません。ですからレベリングをする間はウチを使って下さい、料理とお風呂くらいは準備しますから」


「エッエエッ!? さ、流石にそこまでお世話になるのは……私もそこまで厚かましい人間じゃないって言うか~~パクッ」


 今まさに風呂に入ってきてご飯をごちそうになってる人間とは思えない発言だ。君の人生に遠慮の二文字がないことは十分に分かってるから変に気を遣わなくてもいいよ。


「それじゃあ車に車中泊でもしますか? 僕としては庭の雑草の処理も終わったので強盗の人達にはあの車に乗って帰って欲しいんですけど」


「あっあいつらは私がレベルアップした暁には先輩と一緒にぶっ飛ばすって決めてるんですよ!」


 え~それじゃあ一週間も家に強盗しにきたヤツらの世話も僕がするの?

 嘘だろう……アヤメさんって本当に迷惑な事を丸投げしてくるよね~。


「………分かりました、なら彼らは車中泊ですね。本当に彼らと一緒に車中泊しますか?」

 僕の言葉にアヤメさんが捨てられそうな猫みたいな目で見てきた、モコと違ってあまり可愛さを感じない。


「……やっやっぱりお世話になっていいかしら?」

「但しお風呂も料理もそっち持ちで」

「エエッ!? さっきと話が違うわ!」


 だってめんどくさいんだもん君、もういっそメイドさん見習いとして扱った方が良いんじゃないかと割り切る事にした僕だ。


「それくらいしてもバチは当たらないでしょう? それと家の中の掃除もしてくれると助かりますが…」


「うぐぐ、まっまあお世話になる分を考えたら……仕方ないのかも知れないけれど…」

「なら日当を払いましょうか?」


 そう言って諭吉さんを一枚見せる。


「何なりとお命じ下さいアキちゃん様」

「………それじゃあ明日はスライムを五十体を目標に頑張りましょうか」

「そっそんなぁっ!?」


 そんなじゃないよ、悪ノリしたバツである。

 リベンジまでは後一週間。僕としては全力でこのオタクさんをサポートする所存である。

 当人の意思は……わりと無視するけどね。


「ニャア~~」

「えっモコ、またご飯なの?」

「ニャア~~~」

 どうやら強盗の見張りをしていたモコもお駄賃が欲しいようである。



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