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第79話 楽しい日常

私達に両親が居ない・・・


しかし、寂しくは無い。


共に暮らす彼等がいるから───


共に暮らす彼等と私には血の繋がりは無い・・・


しかし、物心ついた時にはもう既に兄弟同然だ。


血の繋がりなんてなくたって心は何故が繋がってる感じがするから───


此処はCaReUeハウス学校


楽しい楽しい学園生活の毎日を送っていた────筈だった。


恐ろしい真実を知るまでは・・・


──────


────


──


チッ…チッ…チッ…チッ…カチ…


キーン・・・コーン・・・カーン・・・コーン


キーン・・・コーン・・・カーン・・・コーン


「ふぅ〜・・・起きて!!!朝だよ!!ご飯だよ!!!朝ごはんだよーーー!!!朝朝朝朝朝ご飯だよ!!!」


朝の6時・・・起床時間だ


私はチャイムと同時に目を覚まし、皆んなを起こす。


「おはよー『メイ』」


「おはよー、メイ姉ちゃん」


「「「「おはよーメイ!」」」」


「おはよー、皆んな!じゃあ、歯磨きと顔洗ってご飯食べよう!」


私の名前はメイ、このCaReUeハウス学校の最年長の1人。


CaReUeハウスは人種も年齢もてんでばらばらな子供達が住む学舎。


学校だから大勢いるんじゃない?


そう考えている人もいるだろう・・・


ところが残念、生徒の数は30人とちょっと少ない


でも、そこが良い!何でか分かるかな?


ズバリ、少ないからこそ全員友達なんだ!


いや、もう家族、兄弟と言っても同然!


それほど仲が良いんだ!羨ましいでしょ?


でも、もっとたくさん友達が欲しいけどね


「まぁ、深く考えてもしょうがない!それよりも朝ごはん!しっかり食べよう!朝ごはん!」


「うるせーよ!!!メイ!!何回言ーだよ!!」


私はそう声を上げながら食堂に着くと私と同じくらいの大声が鳴り響く。


「も〜う、うるさいな〜良いじゃない?朝ごはんだよ?楽しみじゃないの?『スミヤ』は」


「誰もんなこと言ってねーだろ!俺が言いたいのはお前のその朝ごはん連呼がうるせーつってんだよ!毎朝毎朝イカれてんじゃねーの!?」


「いやいや、僕達からしたらスミヤもメイもどっちもうるさいよ」


「んだと!『ナイ』!」


目の前でスミヤとナイが漫才を始める。


ここまでが日課みたいなものだ。


2人ともよく飽きないな〜


「おい、今俺とナイが『漫才を始めたな』とか思ってただろ?」


「『よく飽きないな〜』とも思ってたね」


「えっ!?何で分かったの!?もしかして2人ともエスパー!?」


「「簡単だ(よ)、メイは顔に出やすいから」」


スミヤとナイがこれでもかというくらいのドヤ顔を見せてきた。


「ぐぬぬぬぬ〜!!!『G(グッド)・ティーチャ〜』スミヤとナイがいじめてくる〜!!」


私はそう言ってG・ティーチャーに助けを求めた。


G・ティーチャーは私達の先生でもあり、それ以上にお母さんみたいな人。


私は勿論、皆んなが憧れているんだ。


ちなみに本名はG・ティーチ。


先生みたいだから皆んなからG・ティーチャーと呼ばれている。


「あらあら、大丈夫よ。2人はね、貴女が好きだからいじめたくなっちゃうのよ」


えっ!?そうなの?


「ちょっ!何ってんだよ!G・ティーチャー!!俺は別に────」


「うん、僕はメイが大好きだよ」


────えっ!?


「な!?お前、それどういう意────」


「家族としてね」


・・・なーんだ!びっくりした!?


「突然の告白かと思ってびっくりしたよ〜。私もナイの事大好きだよ」


「ありがとう、メイ。ところで、スミヤはメイの事好きじゃないんだ」


「そうなんだ・・・」


「そのようねぇ〜」


ナイがニヤニヤしながらスミヤに問いかける。


それを見るなり、悲しそうな顔する私とG・ティーチャー。


「ちょっ・・・違っ・・・ていうか、メイ!わざとだろ!!」


「あれ、バレた?」


「メイ〜〜〜!!!!」


「「「アハハハハ!!!」」」


私、ナイ、G・ティーチャーが大きな声で笑う。


やっぱり、スミヤを揶揄うのは面白いなぁ〜


そうやってふざけていると・・・


「ちょっと、メイ、ナイ、スミヤ・・・またアンタ達?毎度毎度仲良しなのは結構だけど、私達お腹空いてるんだけど。これ以上ふざけるのならご飯無しにするよ」


そう私達に言うのはこのCaReUeハウスの最年長者ベラ。


私達のお姉さん的存在だ。


誰も頭が上がらない。


「そうよ、ベラの言う通り。ふざけるのもこれくらいにしてメイ達もご飯の用意手伝って」


「いや、さも『私は関係ないわ』みたいに言ってるけどG・ティーチャーも同罪だがら。反省してないみたいだし、ご飯抜きは濃厚ね」


「はい、すみませんベラさん」


それはG・ティーチャーにとっても変わらない。


側から見るとどっちが年上か分からないな・・・


「────さて、皆んな手を合わせた?それじゃあ・・・」


「いただきます!!!」


これが私達の朝のルーティン・・・


──────


────


──


時間は8時になった。


こっからは勉強の時間・・・


と言っても算数、国語、英語、理解、社会といった『ザ・学校』の勉強をする訳ではない。


勉強は計3つ。


一つは知能を測る勉強・・・


二つは身体能力を測る勉強・・・


そして、最後に道徳を測る勉強・・・


この三つの勉強についてG・ティーチャーがこう言ってる。


『将来、貴方たちに必要になってくるのは普通の学校が教える算数や国語などでは無いわ。必要なモノは知能、身体能力、道徳よ』


地頭が良ければ、危機が迫った時にそれを回避するアイデアが浮かんでくる・・・


身体能力が良ければ、その回避するアイデアを最大限に発揮できる・・・


道徳が良ければ、そのような危機がまず自分達には降りかからない・・・


そして、週に一度テストがある。


それが今日だ───


「────さて、じゃあ今日の総合評価をもまた4位まで発表するわね。4位はメイ、290点。3位はスミヤ、295点。2位はナイ、298点」


G・ティーチャーはいつもテストが終わると4位まで発表する。


発表する理由は他の子供達に上位者の点数を提示することにより、やる気を引き上げる為だ。


そして、今皆んなが疑問に思っていることだろうが、何故4位までなのか?


普通ならキリが良い5位まで発表するのが筋だろう・・・


理由は簡単、発表される生徒は道徳が100点であることが前提であるからである。


先の説明で道徳は知能、身体能力よりも重要である事は分かる。


道徳は危機を未然に回避することが出来る。


それは大きな武器なのだ。


それ故に発表されるのは道徳が100点である者しか発表はしない。


「────そして、1位は・・・って言わなくてもだいたい皆んな察しはついているでしょう。ベラ、最後のテストも300点満点よ」


次回投稿は来週の水曜日になります。

{ストックの関係上どうなるかは定かではないけど(今回はいけたが・・・)}

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