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第64話 あの日の悲劇

今回は久しぶりに異形者が出ます。



──────


────


──


「─────だ」


「・・・俺を囮にするのが作戦とはな」


アザートとの作戦を聞きアルバートは嘲笑う。


「その代わりにトドメをお前に譲ると言っている。れっきとしたGive & Take だ。まぁ、やるかやらないかはお前次第・・・どうする?」


「随分な言いようだな。勝つにはその手しかないのだろう?・・・良いだろう、その手に乗ってやる」


「・・・・・・あ〜〜〜〜〜それで?作戦は決まったのかな?」


「あぁ、待たせたな。しかし、闘う前に一ついいか。貴様は何故『ワールドライセンス』を狙う?」


アルバートが龍鳳に聞いた。


「・・・・・・フッ、冥途の土産とでも言おうか?教えてやる。私には妻と娘がいてね。会社は・・・まぁ見ての通り上々、毎日が楽しい日々だった。妻も娘もそうだっただろう。あの日が来るまでは・・・」


「あの日?」


 * * *


あの日、私はいつものように帰宅した。


しかし、家に着くと出迎える執事達がいなかった。


何故だ?


そう考えながらも玄関に足を踏み入れた瞬間・・・


強烈な異臭、血の匂い、ドス黒い空気


それらが辺りに漂っていた。


私は急いでリビングに行った。


そこには死体があった。


何者かに食いちぎられた死体があった。


それはライオンに左手を食い散らかされた時みたいであった。


そこには肉塊があった。


何者かにグチャグチャにされた肉塊があった。


それは右手をひき肉にした集合体だ。


しかし、ここには妻と()の2人はいなかった。


私は嫌な予感がした。


血は2階へと続いている。


私は嫌な予感がした。


最悪な予感・・・


2階へ急いで向かった。


異臭が強まっている・・・酷い。


血は玲の部屋へと続いている。


『玲ッ!!』


いた・・・


部屋にいた、女の異形者が・・・


異形者はゆっくりとコチラを向く。


顔は肥大化していた。


目は大きかった、顔の半分以上を占めていた。


腕は無かった。


腹は裂けた大きな口があり、何かを含んでいる。


何かを喰らっている最中のようだ。


・・・おい、まさか


まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!!!


─────玲だった。


食されていたのは玲であった。


 * * *


「・・・それが原因で異形者に恨みがあるのか。妻と娘を殺された恨みが」


「全然違う、異形化していたのは妻だった」


「「なっ!?」」


龍鳳の衝撃的な発言に声を漏らすアザートとアルバート。


「訳が分からなかった。毎日楽しい日々を送っている筈の妻が異形化などする筈がない!!他の誰かから感染したのか?そう考えた」


「それは無い。異形化は感染はしない。負の感情が一つになった時のみだ」


「では、何故だ!!何故妻は異形化したのだ!!それを解明し、妻を元の姿に戻すべく私はライセンスが必要なんだ」


龍鳳は涙を浮かべて訴えた。


「・・・待て、戻す?殺しては無いのか?」


アザートは質問する。


「今は家の地下の牢屋に隠している。誰にも見つからないように、直ぐにでも元の姿に戻れるように。故に・・・故に君達には邪魔はさせない!」


龍鳳は敵意剥き出しの視線を向けた。


「・・・良い話を聞かせて貰った。貴様にも闘う理由があるのだな」


「しかし、俺達も仕事だ。そろそろ決着を付けさせてもらおうか」


アルバートとアザートはそう言って、三度臨戦態勢に入った。


「フッ、良いでしょう。確か、作戦があるんでしたね。私を倒して止めてみろ!!」


龍鳳がそう同意した瞬間、アルバートは龍鳳の視線から姿を消した。


一瞬で気配を消し、敵の背後に回り込んだアルバートは双剣で頸を斬りつける。


が、その運動エネルギーは頸到達と共に0になった。


「やれやれ、私にはつねに能力で身体を覆っているんですよ。奇襲など私には無意味」


そのまま能力で纏った拳がアルバートの顔面目掛けて飛んでくる。


だが、それは予想通りだ!


と言わんばかりにアルバートはそれを避ける。


「ほう、避けますか。しかし、それがどこまで持つか?」


龍鳳はアルバートに向け、追撃・連撃を開始した。


アルバートはその攻撃全てを直前で回避・・・


まさに先程の攻避が真逆の光景が続いている。


その光景を一歩引いて見ている、アザート。


「・・・・・・」


何かの気を伺っているようだ。


アルバートはその姿を回避しながら目の端で捉えていた。


「(チッ、奴め!面倒な立ち回りを要求するものだ)」


 * * *


『その一手は黒獣だ。覚えてるか?前にお前に攻撃した技」


『・・・あの技が奴の能力を封じる一手だと?』


『あぁ、黒獣は一度放たれたら俺が解除しない限り何人も貫く刃と化す。奴の能力の装甲も破壊する』


アザートはそう言った後、話を続けた。


『しかし、先程も言った通りチャンスは1度だ』


『次撃は避けられる確率があるからか・・・』


アルバートはアザートの言葉に同調する。


『まぁ、それもあるが・・・・・・まぁ、どの道貴様がこの作戦の核だ。黒獣が能力を貫いた後、有無を言わさず奴の心臓を抉り取れ。能力の発動する暇を与える事なくな・・・いいな』


『お前に命令されるのはムカつくが、良いだろう任せろ』


次回投稿は火曜日です。

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