第6話 事件解決?
男の心臓を貫いているグングニルを空中で外し、ニャルラさんは男を真っ二つにした。
そして、僕達はニャルラさんの元へ駆け寄る。
「ニャルラさん、やっぱり強いですね。でも、ニャルラさん、所々から血が流れてます。大丈夫ですか?」
僕は心配そうに彼女を見つめる・・・彼女の傷から流れる血が冷たい夜風にさらされて一層痛々しく見えたからだ。
「うん、ありがとう、大丈夫ニャ〜。どれも致命傷じゃないニャ、でも危なかったのは事実ニャ」
「アッアッアリガトウゴサイマス。アリガトウゴサイマス」
×××××さんは何度もお礼を言った。
「お礼を言われること程褒められたことしてないニャ。その腕・・・私がもう少し早く動いてたら、そんなことにはならなかったんだ」
「全然平気デス。アノ悪魔を殺シテクレタ事ノ方ガ大キイデス。・・・本当ニアリガトウゴサイマス」
「いやいやー、それ程でもないニャ〜」
「あっニャルラさん、照れてますね」
僕はニャルラさんをイジる。
「ふーん、君が私をイジるのかニャ〜・・・後でお仕置きだね」
・・・・・・終わった。
「あっ!そうだ。ねぇー金髪君、君も隠れてないで出ておいでよー。殺人鬼なら、もういないよー」
「かっ、隠れてなんかいねぇよ!!」
金髪男は顔を赤らめながら出てきた。
そういえば、彼もついてきてたな・・・忘れてた。
「・・・君の後輩君もこれで浮かばれるニャ」
「ああ、そうですね・・・うわぁーあの殺人鬼、後輩をバラバラしてやがるよ。マジ許せねぇーな」
「「「えっ」」」
僕達は驚く。
「どうしたんですか、何かあったんですか?」
「もしかして、君の後輩ってそのバラバラの死体の・・・」
ニャルラさんが聞いた。
「ああ、そうですけど・・・」
「本当ニ・・・本当ニ、ゴメンナサイッ」
×××××さんが必死に謝っている。
その後、事情を説明した。
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しかし、金髪男は・・・
「それでも・・・悪いのはあの殺人鬼ですからね、君は悪く無いよ」
「デ・・・デモ・・・」
「これ以上、謝られるとコッチだって困るよ。後輩の親には俺から事故だって伝えとくよ」
「本当ニ・・・本当ニ、ゴメンナサイ」
・・・へぇーこの人見た目はアレですけど、中身は凄くいい人なんだなぁ・・・
僕もこの人なら仲良くなれそうだな。
「・・・じゃ、オレはそろそろ帰らせてもらいますね、用事があるんでね」
「帰り道も物騒だから気をつけてニャ〜」
「気ヲツケテ帰ッテクダサイ」
僕もあいさつをしよう。
そう思った時───
「おい・・どこに行くつもりだ?まだ貴様の断罪はしてないぞ」
聞き覚えのある声が辺りに響き渡き、その声に全員が一瞬凍りついた。
えっ・・・そんなことはあり得ない。
だって、さっきニャルラさんが心臓を貫き、体を真っ二つにしたのだから・・・
そして、声のする方へ視線を向ける。
×××××さんはまた震え出した。
ニャルラさんも目を見開く。
先程までただの死体だったモノが・・・
・・チキッ・・チキチキ・・・チキチキチキチキ・・・
シュウウウウウウウウウウウウウウウウ・・・・・
シャアアアアアアアアアアア・・・
真っ二つだった体がまた、一つとなり・・・穴が空いた胸も再生していく・・・・
ニィィィィッ・・・
完全に再生した。
そして、男は一瞬で金髪男に近づき、片手で彼の首を掴み持ち上げた。
「なっ・・なんで、お前がいぎで・・いるんだよ。ざっぎ・・あの女に・・真っ二づにされでだじゃないが」
苦しそうにしながら金髪男は話してる。
「ああ・・・そうだな。腕や脚が無くなることは稀にあったが、真っ二つにされたのは初めてだ。再生に時間がかかってしまった」
再生?・・・やっぱりあの男は人間じゃなく、異形者だったのか。
そうすると、今までの事全てに合点がいく。
×××××さんの両腕を飛ばした事、ニャルラさんの動きについてこれた事・・・
そして、グングニルと打ち合えるナゾの銃を持っている事・・・
さらに、これらを踏まえるとしてただの異形者じゃない。
おそらく、僕達と同じ・・・
「クックックックッ、なぜ貴様が断罪されるか・・・分かるか?」
「分がんねぇーよ・・なんでオレが、ごんなごどに「貴様、一月程前ここに来ただろう?」
「・・・何で知だでんだよ」
「貴様の友人・・・そこでバラバラになっている佐藤という男から聞いたんだよ」
佐藤さんっていうのか、あの人・・・
・・・っていうか何の話をしているんだ?
「ニャルラさん、助けないんですか?」
小声で聞いた。
「うーん、ちょっと待つニャ」
ニャルラさんも気になっているようだ
「・・・ああそうだよ、オレば、だだ心霊巡りに「ウソだな・・・ウソをつくな。俺は知っているぞ。あの夜・・貴様はある女を殺したことをな・・・」