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第57話 黒と赫

今更だけど赤って書くより赫って書いた方がカッコいいよね。


「ニャルラさん、これは・・・」


「う〜ん・・・まぁ?想定の範囲内だし?何より私が派手に殺れって言っちゃったからニャ〜」


ニャルラとヨグはアザートの持つ通信機の小型カメラからロストシップでのキッドとの闘いを見ていた。


結果は、まるで話にならない。


それもそのはず一方は弾丸で幾ら貫かれようとも、身体が吹き飛ばされようとも再生・・・


一方はキッドは異能者ではあるが、唯の人間・・・


不死者VS人間


勝てる訳がない・・・否、勝負になる訳がない。


故にニャルラとヨグは安心して映像を見ていた。


まぁ、安心しきって先程までニャルラ、ヨグ、そして他の者とでトランプゲームをやっていた。


『バァーーン』


「あっ、アザート君殺したみたい」


そして今、アザートがキッドの脳髄を貫通させた。


「いつ見ても容赦ないですよね、アザートさんは」


「まぁね、彼には容赦って言葉は無いのだろうね。あーあー・・・聞こえる?アザート君、敵を倒したみたいだね。中の様子はどうかニャ?」


カメラで見えているのにこの質問した理由・・・


ニャルラはその場の雰囲気・・・その場にいる者しか分からない何かを感じ取っているか?


といった事を知る為である。


『特に何も感じないないな・・・いや、匂う。血の匂いが・・・』


「それはアザート君が殺した人のか、アザート君自身の血じゃないかニャ?」


『違う。ここに侵入した時から既に匂い・・・雰囲気が漂っていた』


「なるほど・・・ね」


アザートの話にニャルラは顔を引き締める。


「(アザート君の話が確かなら仲間割れ?いや、この作戦は龍鳳にとって最終手段・・・そんな作戦に仲間割れする者を呼ぶだろうか)」


『それにこの気配・・・俺は知ってる』


「ほう、アザート君が知ってる気配・・・と(まさか、彼が?)」


ニャルラに引っ掛かりが生じてきていた。


アザートはバリアントに入って半年しか経っていない。


知っている者はほぼほぼアザートに狩られている。


にも関わらず知ってる気配とは、それすなわちアザートと対峙し生きている者となる。


『まぁ、何が来ようが関係無い。標的は龍鳳ただ1人・・・邪魔する者は誰であろうが殺す、だろ?』


「まぁね、君が侵入した事で作戦は8割成功したって言っても差し支えないからね」


出会ってまだ半年も経っていないにも関わらず、アザートを信頼している理由・・・


それは度重なる言動と結果が生み出したものである。


『では、話も終わった事だ、龍鳳探しと勤しもうじゃないか。船内の構造が分からない為しらみ潰しとなるだろうが』


「そこはノープロブレム!なんと船内図、私持ってるんだニャ〜」


「えっ!?ニャルラさん、そんなもんまで持っているんですか!?」


ニャルラの発言に驚くヨグ。


「うんうん。さっきセフィラさんからメールで送られて来たニャ。これで多分何処に龍鳳がいるか直ぐに分かるよ」


『ほーう、それは重畳・・・案内を頼む』


「ほいほーい、このニャルラさんにまっかせっなさ〜い。え〜と、まずロストシップは4階構造になっていて、君は今4階の操舵室にいるニャ」


ニャルラはセフィラから送られてきた船内図と実際の映像を照らし合わせながらアザートの現在地を把握。


「んで、龍鳳の居場所は・・・おそらく・・・2階の社長室にいると思うニャ!だから、まず下に降りる為に突き当たりの階段を使おう。敵の奇襲に気を付けてね」


「随分と正確な地図だな。まるでその場を見たかのようだ。まぁ、そんな事はどうでも良いのだかな」


そう言って、アザートは突き当たりの階段で下の階層にへと向かって行った。


「う〜ん、確かにアザート君の言う通り正確過ぎるニャ。これは情報源をセフィラさんに聞こ──────」


プルルルルルルルルルルルルル


ニャルラのスマホに非通知の電話が掛かってきた。


「うん?誰からかニャ?・・・はーい、もしもしニャルラですけど?」


『よう、ニャルラ2日ぶりってとこ─────おい、待て切るな!!』


「お前に止める資格なんてないニャ!掛けてくるなとアレ程言ったニャ!!」


電話の主はオルフィス・・・


例の如くニャルラの機嫌が悪くなるのはご存知の事。


『まぁ、落ち着けよニャルラ。“狼狽者は早死する”と言われるだろ。俺もお前とは話したくないから単刀直入に言────』


「そうそう、私は既に龍鳳に王手を掛けたニャ!」


『人の話を聞────』


「お前達、狂会の人間よりやはりバリアントの方が優秀みたいだニャ!!」


ニャルラはオルフィスの話を聞く気はまるでない。


それは日常茶飯事なのか2度目のツッコミは無かった。


『王手か、それは素晴らしいな。しかし、それは本当に貴様だけのモノとでと?』


「どういう意味ニャ!」


──────


────


──


アザートは2階層に降りている最中だった。


そして、たどり着こうとしたその時・・・


下の階から上がってくる者─────


お互いに正体が分かった瞬間アザートとその者は飛んだ。


「オルフィス!!」「アザート!!」


黒と赫が再び交わる──────


次回投稿は火曜日です。

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