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第56話 一方的な惨虐


ゴオォオォウオォウオォウオォウオォウォォォォォ


ロストシップに轟音、爆煙が蔓延る中・・・キッドはある者を見た。


ニィィィィィィ


その者は不敵な笑みを浮かべこちらを見ている者・・・


そう、アザートだ。


「・・・・・・ッ・・・あ・・・あああ」


キッドは完全に震え上がっていた。


アザートの侵入を許してしまった事への絶望からだけでは無い。



その概念をアザートから感じてしまっていたのだ。


何故なら他の幹部の何人かがこの者になす術無い残虐をされた事を知っているからである。


ケルミーは上半身との永遠の別れ・・・


メドロは四肢のもがれ・・・


そして、社長から奴の事、


『人の形をした惨禍だ』


怖い・・・


本当なら今すぐにでもここから逃げ出したい。


しかし、逃げれない。


逃げる事など到底不可能。


人間は・・・キッドはそう悟った。


そこに、


「キッドさん!この爆音はどういう事・・・って貴様は!!」


部下が数名やって来た。


「おっ・・・お前達」


部下の参戦により少しの安堵─────


しかし・・・


「貴様ァ、ここに侵入するとはいい度胸じ────『バァーーン』───ゃな」


「ここは我らのフィールド・・・ここで貴様は死────『バァーーン』────えっ?」


「〜〜〜〜〜〜ッ!!」


その数名が一瞬の内に脳髄を貫かれ動かなくなった。


「黙れ・・・貴様等下っ端と話など与えていない」


アザートの非道極まりない行動にキッドは戦慄が走った。


部下が殺された・・・


部下はまだ臨戦態勢にも入ってすらいなかったのに・・・


彼等は武器すら持っていなかったというのに・・・


殺された・・・


奴の自分勝手な考えの為に殺されたのだ。


キッドの脳内が絶望から怒りにシフトチェンジするにはそう時間は掛からなかった。


「・・・す。殺す・・・必ずお前を殺す!!」


キッドの殺気は周囲を飲み込んだ。


「そうだ!貴様のそれを見たかったのだ!!先程の貴様は唯の怯え切った下等生物・・・その様な貴様を殺したところで面白くない。さぁ、次はどうする?どうするどうするどうする!!」


アザートの言葉と共にキッドはそばに置いてあるライフルに手をやった。


そして、銃口をアザートに向ける。


「オレの能力は『誘導弾』。あらゆる敵を殲滅する・・・あらゆる敵を抹殺する・・・あらゆる敵を撃滅する刃と化す!!!」


ド・・・バァァァァァン!!!


キッドによって放たれた弾丸がアザートを命中・・・身体は千切れ、血飛沫が舞う。


しかし、アザートの身体はすぐさま再生。


バァーーン!!バァーーン!!バァーーン!!


それは予想の範疇だと言わんばかりにキッドはすぐに次弾を放ち続ける。


「〜〜〜〜〜〜ッ!!」


右・・・左・・・上・・・下・・・前・・・後


全ての方向からの弾丸をアザートは浴びせられる。


血は絶えず流れ出す。


血飛沫は噴水の如く吹き荒れる。


肉片はそこ等に散らばる。


しかし、アザートは絶えずキッドとの距離を狭めていく・・・


バァーーン!!バァーーン!!バァーーン!!


「死ね!!」


バァーーン!!バァーーン!!バァーーン!!


「死ね!!」


バァーーン!!バァーーン!!バァーーン!!


「こっから堕ちて朽ちろ!!」


ドバァァァァァァァァ


撃ち出された弾丸はアザートの脳を貫─────


キィィィィン


通しなかった。


銀の装飾銃が弾丸を弾いたのだ。


ニィィィィィ


ゾクッ


キッドに戦慄が走る・・・


あれだけ撃ち込まれたのだ。


幾ら再生するといっても痛みは感じ、血は流れ出す。


しかし、アザートは笑っているのだ。


ただただ笑っているのだ。


笑いながらこちらに近づいて来ているのだ。


一瞬の恐れ・・・


それを逃さんとばかりにアザートは歩を速めた。


カッ・・・・・・カッ・・・カッカッカッカッカッカッカッカッカッカッカッ


「あ・・・あぁ・・・あああああああああ!!!!」


キッドは叫び声を上げながらもライフルを放つのは止めなかった。


しかし、


バァーーン!!


キィィィィン!!


バァーーン!!


キィィィィン!!


バァーーン!!


キィィィィン!!


幾ら放ったとしてもアザートが持つ銀の装飾銃によって弾かれてしまっていた。


そして、遂にアザートは1mまで距離を詰め─────


ドバァーーン!!!


瞬間、キッドの片足が吹っ飛んだ。


「GYAAAAAAAAAAAAA・・・aaaaaaaaaa!!!」


ドバァーーン!!!


もう片方も・・・


「GUAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」


キッドは疼くまる。


否、疼くまるしか出来ないのだ!


「はぁっ!・・・はぁっ!・・・はぁっ!・・・」


その目には涙を浮かべている。


浮かべながらも見上げた。


眼前に映るのは黒いバケモノ。


「・・・あ・・・く─────」


ニィィィィィ


ドバンッ!!!


次回投稿は土曜日です。

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