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第53話 赫の侵食

今日の回を入れる為ストックを見ていると、この回が抜けている事に気がつきました。

本当にすいません。

次からは気を付けます。

前回のが56話です。

再び太平洋上空・ロストシップ船内


キッド=クロスは操舵室に社員を集めていた。


「貴方達、もしもここに忍び込まれた時の為だ。みんな武器の携帯したほうが良い。武器庫に行って、各々の得意な武器を持参しろ」


「キッドさん、それは正気ですか?ここに侵入者など来るわけがないでしょう。さっき、キッドさん自身が敵の偵察機全てを堕としたじゃありませんか」


「そうですよ。敵はここに来る前に海の底ですよ」


キッドの言葉に社員は疑念を抱いていた。


いや、キッド自身の腕を信じているからこそ社員は大袈裟であると思っていたのである。


実際、キッドは今まで来た全ての偵察機及びミサイルを全て撃ち墜としている。


しかも、どれもこれもレーダーが感知して直ぐに・・だ。


社員は未だ進行方向に敵を視認していない。


ゆえに、社員が余裕を見せているのは半ば必然的である。


しかし、この男・・・キッド=クロスだけは違っていた。


拭えない不安感が確かに頭によぎっている。


先程、社長に直談判しに行ったのもこの不安感からである。


しかし、社長は取り合いもしなかった・・・いや、取り合える程の余裕を既に持ち合わせてはいなかったのだ。


既にカンパニー幹部はキッド唯一人という状況・・・


社長は自責の念により周りが見えていない。


ならば、社長の次に階級が高い自分が客観的にこの作戦を見なければならない。


今までの敵からの接触はミサイルが5基、偵察機10台。


しかし、協会、バリアント双方共に鬼札が出向いていない状況。


その事実から分かること・・・それは奴等はまだ作戦を立てている最中。


ゆえにキッドが考えているのは奴等がまだ攻めきれていない状況・・・この状況が防御に専念できる絶好の機会。


だからこそキッドは社員達に気を緩めず、個々の武装を命じたのである。


「確かに貴方達の言う通り、俺は敵を全て撃ち堕とした。そして、これからもそうするつもりだ。しかし、もしも俺の弾頭の雨を潜り抜けここに辿り着いた時・・・ここは戦場と化す。」


「─────ッ!?」


キッドの言葉で社員達は驚く。


「そうなった場合、自分の命は自分で守らなければならなくなってしまうことになる。だから、その時の為に各々武器を持っておけ」


「・・・分かりました」


「ああ、では武器庫に行って来い。後はもうここに来なくてもいい。そのまま持ち場に戻れ」


キッドはそう言って、社員達を武器庫に向かわせた。


──────


────


──


「────にしてもキッドさん、気にしすぎじゃありませんでした?」


「ああ、そうだよな。キッドさんがいればここに辿り着く奴なんていないのにな」


数名の社員達はキッドの命令にまだ疑問を抱いている。


「でも、キッドさんの言う事も一理あるな。ここに忍び込まれた時は自分は自分で守らなきゃならなくなるからな」


「へっ、キッドさんもお前達もビビり過ぎなんだよ。幾ら他の幹部が殺されたからってここにいりゃ安全なのによぉ」


「そーだぜ。という事で、武器庫に行きたきゃ行けばいいじゃねーか。俺達はそんな嵩むモノ持ちたかねーよ」


そう言って何人かは武器庫を寄らずに持ち場へと戻って行った。


「────ったく、あいつ等は・・・まぁいいか、行こうぜ」


「ああ、確か武器庫には本国からの物資が丸々入ってたからな。俺は機関銃とかにしようかな」


「それいいな。俺もそうし────」


ブシャッ


社員達は話しながら武器庫の前まで行き、ドアを開けた者─────────の首が飛んだ。


ズシャッ!


「え──────」


            ドシャッ!


            「なっ──────」


   グシャッ!


   「は?──────」


一人また一人と首が飛び、さっきまで喋っていた社員は誰一人動かなくなった。


暗闇の武器庫に何者かがいるのは確定している・・・が、誰かは分からない。


辛うじて見えたのは、その者が赫い服を着ていることだけだった。


──────


────


──


アメリカ合衆国 サンフランシスコ


「いいかニャ?もう一度作戦の詳細をいうニャ。まず、アザート君・・君をこの偵察機・U-2に貼り付けるニャ。そして、高度20,000mまで上がりロストシップの真上に差し掛かったところで君を投下。後は、黒獣で近づく・・・改めて考えても完璧な作戦ニャ!」


「改めて考えてもかなりぶっ飛んだ作戦ですね・・・」


「逆にこれくらいやらねば敵船には近づけないという事だ」


そう言葉を発したアザートは既に括り付けられている。


側から見ると完全にシュールな状況・・・


「じゃあ、はいこれ・・通信機。これで指示するから勝手な行動とかするなよニャ〜。本当に私達の命かかってるんだから」


「善処する・・・ように祈っていろ」


「うんうん祈ってる祈ってる・・・って違うニャ!!『祈っていろ』ってどういう意味ニャ!?」


アザートの言葉に強く反応するニャルラ。


しかし、アザートはそんなニャルラを無視して操縦士に話しかける。


「おい、操縦士聞いてるか?目的方向まで最高速度で進め。変に気を遣って速度を弱めるな」


「いや、アザートさん!それはかなり危険だと思い─────」


ヨグがアザートの発言に対して異議を唱えるが、


「構わない・・やれ」


「・・・分かりました」


アザートはそれを却下。


よって、U-2 はロストシップの真上まで805km/hのスピードで空を駆け抜ける道理となる。


「話はこれで終わりだ・・・ではな」


「ちょっと、まだ私の話は終わって無い・・・ってなんで君も動かしてるニャ!!だぁーーーもう!!アザート君、これだけは言っとくニャ!!」


グ・・・ググググォォォォォォォォォォォォォォ!!!


偵察機のエンジンがけたたましい音を出し始める。


「なんだって?」


「敵を跡形も残らずぶっ殺せ!!!!!」


次回投稿は火曜日です。

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