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国境騎士団・バリアント 〜『お前は存在してはいけない生物だ』・・・対峙した者は何故か不思議と口にする 〜  作者: 燕尾
6-3章 龍鳳カンパニー・アメリカ支部殲滅作戦 ─── Sword Performers ───
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第45話 拝啓 師走の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。

手紙の出たしって調べると月ごとに違う事初めて知ったよ。


ブツン・・・ツーツーツーツーツー


「クックックック・・クックックック・・・アッハッハッハッハッハッハッハァァァァァ。聞いたか?ニャルラのあの悔しそうな声を、面食らった様な声を。ニャルラはさぞかしイラついてるであろうなぁ。考えただけで笑いが込み上げてくる」


オルフィスは近くにいる自分の執事に笑いながら話した。


「その様ですな。やはり優れているのは私達・・EF協会の方でしたね。・・・さて、局長・・奴らはそろそろ手紙を読む頃ですな」


「ああそうだ、敵が手紙を読んだら合図だとアイツには伝えてある。手紙を読んだ瞬間・・・殲滅開始だ」


─────


───


──


アメリカにある龍鳳カンパニー子会社のビル。


そこでは何やら慌ただしく人々がナニかを運んでいた。


「本国からの積荷は全て保管庫に運んで。気を付けなさい、衝撃が加わったらドカンよ」


一人の女性が積荷を運ぶ者達に対し、指示している。


「全く、どうして私がこんなつまらない所でつまらない指揮を取らなきゃいけないのかしら。はぁ・・・ルーネ、喉が乾いたわ。紅茶入れてちょうだい」


「かしこまりました、お嬢様」


隣に居たルーネと呼ばれる女はすぐにティーセットを用意して紅茶の準備に取り掛かった。


「はい、お嬢様。ダージリンとアールグレイのブレンドで御座います」


「ありがと、ルーネ。今日も中々手際が良いわね。そして、─────今日も美味しい」


「そう言っていただけて至極うれしゅう御座います、お嬢様」


女が紅茶で一服していると、ルーネに向かって話し出した。


「それにしても暇ね。皆がライセンスを奪う為に

戦力を割いている間、カンパニーの拠点であるこの会社を守るのが任務だけれども・・・暇だわ」


「暇・・・ですか。確かにそうですね。しかし、良いじゃありませんか暇で。暇ということはその分違うことに集中が出来るということ。そう、例えば今お飲みになっている紅茶を深く味わえるなど」


ルーネは女の言葉を肯定しながらも宥める様に話した。


「それはそうだけど・・・」


「それにお忘れですか?敵が幾ら来ようとも私達の退屈凌ぎにはなりませんよ」


「まっ、それもそうね」


そんな他愛もない会話をしているが、女にとってこれほど幸福なことなどないかの様に感じている。


そんな時、一人の社員がやって来た。


「あの・・・積荷の中に妙な手紙が」


ギロッ


女は男を睨んだ。


この幸せのひと時を邪魔するとは良い度胸じゃない・・・そんな感じだ。


「手紙・・・ですか」


ルーネはそれを受け取った。


────拝啓、龍鳳カンパニー社長の忠実なる社員よ。

前回、社長直々においでいただけたのにも関わらず大したおもてなしも出来ず、ご要望にもお応えできなかったことが胸を痛める所存です。

その痛みを解消する為、私の嫌いな者の出鼻を挫くのに諸君らの社員を数名拐かしました。

これを読んでいる頃にはアイツは悔しそうな顔をしているでしょう。考えただけでも笑いが・・・

さて、私がこの度筆を執ったのは我々の計画・・龍鳳カンパニーが所有する以下のモノを消すという宣戦布告を提示する物です。


1.龍鳳カンパニー・アメリカ支部

2.カルエラ=キャバス

3.ルーネ=グレイ


  以上、EF協会局長・アルフィス=デルノード





「この会社と私達の命を消す?まさか」


「・・・・・・全職員に伝えて下さい。保管庫から武器を取り出し武装を。それと、会社周辺の警戒強化を」


「はっ・・・はい!!」


ルーネの言葉に近くに居た社員が急いで連絡室に向かった。


「ちっ・・・ちょっと!ルーネ本気?こんなのただの嫌がらせでしょ、本気にしたらその分敵の思う壺よ」


「はぁー・・・御言葉ですがお嬢様。この地において唯一の拠点がここ。所謂、前線基地・・・そのことがお分かりですか?」


カルエラの言葉に対し、ルーネは諭した様に話した。


「知ってるわよ!!それが何?まさか怖気付いたの?こんな奴ら私一人で充─────」


ゾム・・・ゾム・・ゾムゾムゾムゾムゾム


カルエラが話している途中、突如ルーネが持っている手紙が変形し始めた。


「何!?これは!!」


バシュッ───────パリィィィィン!!


手紙はルーネから離れ、高速で移動し窓を破壊して外へと飛んでいった。


「───────ッ!?」


「コレを見ても同じことが言えますか?敵は私達の仲間を既に6人殺しています。私達の命は刈り取れなくても、奇襲すれば会社くらい消すことは可能です」


そうルーネは言って、自分達も連絡室に向かおうとした時、無線が入った。


『本・・・本部ッ・・・本部!!こちらエントランス部隊!!助けてくれ!!助けてくれ!!化物だ』


『本部!!本部!!くそ・・・!!死にたくない!!』


「どうしたのよ!エントランスに何がいるのよ!!」


─────


───


──


カンパニー・一階エントランス


その入り口に一人の人間が入ってきた。


そして、その人間が一言呟く・・・


「──────殲滅開始」


次回投稿は火曜日です。

面白い、続きが気になると思って下されば、下の☆☆☆☆☆から評価や、ブクマ、感想などしていただけると嬉しいです!


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