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国境騎士団・バリアント 〜『お前は存在してはいけない生物だ』・・・対峙した者は何故か不思議と口にする 〜  作者: 燕尾
6-2章 バリアント殲滅作戦その2 ─── An existence that should not be alive ───
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第43話 言い表せる言葉は一つ

第6-2章はこれで最終話です。

結構長かったイメージがありますね。

「何を言う男女、お前はちゃんと作戦通りに動いていたじゃないか?見ろ、コイツの最期の顔を・・・随分と間抜けな顔だ」


「さっ・・・作戦?」


「そうだ、作戦だ。俺はお前に本気で怒っていると見せかけ、一度お前と別れる。そして、俺がヤツに致命傷を与えたところで最期に助けてくれると思っていたお前がとどめを刺す・・・完璧な作戦だ」


「はっ・・・はぁぁぁぁ!?ちょっ・・・作戦ってなんでそれを言ってくれなかったんですか!?本当に見限られたこと思って絶望してたんですけど!?」


「お前に話したら顔でバレる。しかも、あの演技では無い素のお前の反応だからこその作戦だ」


アザートはあっけらかんに答える。


ヨグは全力でアザートに謝りに来ていた。


自分の不甲斐ないばかりに怒らせてしまったんだと・・・


しかし、現実は違う。


全てはアザートの作戦通り、掌の上・・・


その事実を知った時、ヨグはメドロの胴体と同じように倒れ込んだ。


「お前が不甲斐ないことは今に始まったことじゃない。それくらいで怒っていたとしたら、お前は何千回と殺されているぞ」


「なっ・・・何千回って、それは言い過ぎじゃ─────」


カチッ・・・ピッ・・ピッ・・ピッ・・ピッ・・


アザートとヨグが談笑していると、何が起動した様な音が鳴った。


「ア・・・アザートさん、この音は一体?」


「・・・・・・フッ、随分と面白いことをしてくれた。見ろ、奴の体を」


アザートの指差す方を見ると、メドロの胴体が燃え盛っていた。


それはまるでマグマを溜め込んでいるマントルのようになっていくのが目に見えた。


「こっ・・・これはなんなんですか!?」


「音から察するに爆弾であろう。周囲を焦土と化す爆弾。死んでからも攻撃するとは、本当に面白い奴だ」


「ば・・・爆弾!?はっ・・・早く逃げないと!!」


アザートの爆弾発言により、ヨグは焦り始めた。


「バカか?貴様は。こんな爆弾如きに俺やお前が死ぬ訳ないだろう。察するにさっきの炎と氷の合体技より威力が低い。・・・まぁ、眼下に群がっている野次馬どもは別だかな」


アザートは窓の外から下にいる人間達を見下ろしながら言った。


「そ・・・そんな。早く、爆弾のことを伝えないと!」


「言ってどうする?お前はこの数の人々が本気で逃げれるとでも思っているのか?爆弾の射程距離はおそらく半径20メートルそこそこだが、威力は絶大。間違いなくホテルは崩壊する。この意味が分かるか?」


「ホテルの崩壊により、下いる人々、及び近隣の住民は巻き込まれて死ぬ。そんな大勢を一度にそして、素早く避難は出来ない」


ヨグはそう言って再び黙ってしまった。


「フッ・・・何が正義の味方だ、最後の最期に本性を見せやがって。まぁ、そんな気はしていたな。自ら正義の味方だなんだと名乗る奴など漫画の世界以外碌な奴がいないと相場が決まっている」


アザートは余裕綽々の様に話し出した。


「さてと、そろそろ去るぞ。俺達は死なないが、貴重品が燃えてしまう。野次馬は諦めて行くぞ」


どうすることもできない。


ヨグは諦めムードになっていた・・・が、


「遅れてすまないニャ〜。いや〜下にいっぱい人がいたから戻るのに時間がかかってしまったニャ」


ニャルラが帰ってきた。


「ニャルラさん!?良かったぁぁぁ!!ニャルラが来てくれたぁぁ!!これで安心だぁぁぁ!!」


「安心?何を言ってるニャ──────ってなんだありゃ!?」


ニャルラはメドロ爆弾に気付き驚いた。


アザートとヨグはニャルラにここまでの経緯を説明した。


「─────なるほどねー。それは確かに面倒なことになったニャ。まぁ、安心するニャ。後は私に任せるニャ」


そう言って、爆弾に近づくニャルラ。


「おい!何をしようとしている?変に刺激したらすぐに起爆するぞ!」


「そうだね。だったら、起爆する前にこの者を消し飛ばせば良いんだよ」


そう言ってグングニルを生成し、構えるニャルラ。


「アザート君、見てるといいよ。これが私の力だ──────ニャ!!!」


そう言い終わると同時に・・・ニャルラは動いた。


そして・・・












































次の瞬間にはもうメドロが跡形もなく消えていた。


「──────ッ!?」


一瞬の出来事であった。


「ニャルラさん!?凄いです、何したんですか!?」


何をしたのか・・・アザートはかろうじて見えた。


ニャルラは超高速で突きを繰り出した。


それだけである。


しかし、その一撃は音を置き去る威力を誇る事はアザートは肌で感じた。


そして、アザートはたった一言言葉を発する。


「・・・強い」


そう、ニャルラは強い。


そのことを改めて感じた一撃でもあった。


「さーて、これで奴らも大分戦力が無くなってきたんじゃないかな?これもヨグ君やアザート君のおかげだニャ〜。そうだ!アザート君、今回のヨグどうだった?活躍したでしょう」


「ああ、男女?普通」


アザートの言葉にガクッとくるヨグ。


「あっ・・・あの、アザートさん!もう、男女はやめてください!何度も言いますが、それだと男のような女という意味に・・・」


「五月蝿い、この腰抜け野郎。お前なんか男女だ」


「でも、男女って言ったらアザート君だってぱっと見で女に見え─────」


ドバンッドバンッドバンッドバンッドバンッドバンッドバンッドバンッ


「ギャアーーー!!アザート君がまた容赦無く撃ってきたぁ!!」


「ニャルラさんが変なこと言うからでしょう!?早く逃げて・・・ってなんで僕にも撃ってくるんですかぁぁ!?」


ホテル内の戦闘はまだまだ続く・・・


次回投稿は土曜日です。

面白い、続きが気になると思って下されば下の☆☆☆☆☆から評価や、ブクマ、感想などしていただけると嬉しいです!

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