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国境騎士団・バリアント 〜『お前は存在してはいけない生物だ』・・・対峙した者は何故か不思議と口にする 〜  作者: 燕尾
6-2章 バリアント殲滅作戦その2 ─── An existence that should not be alive ───
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第38話 炎の対処法

屋内で火事が発生した場合、貴方はどうしますか?

ゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウ


アザートさんが一瞬の内に燃え上がり、灰になる所を一部始終見ていた。


いや、見ている事しか出来なかった。


「アザートさ─────」


そう叫ぼうとしたが止める。


今までのアザートさんを見ていて分かった事がある。


それはアザートさんはたとえ何があっても必ず再生してきた事。


ニャルラさんの一撃、アルバートさんの首切り、そして天使の丸呑み・・・


その全てを受けてなお何食わぬ顔で再生してくるのだ。


今回も再生してくると思う・・・いや、そうに違いない。


しかし、今回は灰になった。


おそらく再生に時間がかかるのだろう。


ならばアザートさんが再生するまでは僕がコイツと闘い、時間を稼がなければならない。


そう決意をし、目の前のメドロと呼ばれる青年を見つめ臨戦態勢に入った。


「・・・闘うのか。やめとけ、命を無駄にするな。今、投降すれば命だけは取らないでやる。俺はあまり殺しは好きじゃない」


相手・・・メドロはとんでもない事を言い出した。


「何言ってるんですか?貴方はすでにアザートさんを焼き殺したでしょう。そんなヤツの言う事を聞くと思っているんですか?」


そう話している間にも自分はアザートさんが何をされたのかを観察する。


おそらく、相手の能力は・・・炎を操る能力であろう。しかも威力はあのアザートさんを一撃で灰にする程・・・食らったらひとたまりもないことは火を見るより明らかだ(炎だけに)。


「何を言っている?アイツはただの悪だ。それは近くにいるお前が一番分かっているじゃないか?」


「そんなことない!アザートさんは確かにやってることは無茶苦茶ですが、アザートさんなりのポリシーを持ってやっているんだ」


そうだ。


・・・そう・・だ・・・と思いたい。


「それはただお前が騙されているだけだ。アイツは惨禍だ、人の形をしたな。いや、人ではないか。まぁ、何言っても無駄か・・・ならば死ね」


そう言い、僕に向かって手を翳す。


すると、高速で炎が飛んで来た・・・


が、僕はそれを避ける。


そして、


ガシャーーーン


窓を破り下の階へと飛び込んだ。


「なるほど、ただの少年かと思っていたが存外にやる様だな」


決して避けれない攻撃ではない。


アザートさんが避けなかったのは相手の力を見たかったのだろう。それか、ただ避けるのがめんどくさかっただけか。


そうでなければアザートさんにはこんな攻撃は擦りもしない。


しかし、逆に言えばそれはアザートさんだからであり、僕は気を抜くと攻撃を食らってしまう。


そして、攻撃を食らえば死にはしないが、ヤバい。


炎の攻撃・・・ここはホテル内、つまり閉所である。


こうして逃げ回ってもいつかは焼かれる・・・


ならば、対処方法は一つ。あの場所に向かうしかない。


そうと決まれば早く向か──────


そう思うと同時に背後から炎が飛んで来た。


「逃げられると思ったか?」


「えっ!?」


メドロだ。自分と同じ様に外からこの部屋に入ってきたんだ。


しかし、さっきの攻撃のおかげでドアが溶けて開ける手間が省けた。


僕は急いで部屋を出た。そして、ある場所を目指した。


「・・・・・・何処かを目指しながら逃げ回っている。あの方向は・・・まさか!?」


─────攻撃を避けながら僕は例の場所に着いた。


そう、電力室だ。


「やっぱり、壊れてない」


そう呟いて、電力を稼働させる。そして、急いで電力室の外を出る。


このホテルは客の避難が終わったと同時に部屋の明かりが全て消えた。


最初はアイツが電力室を壊してやってきたのかと思ってはいたが、話からするにアイツは基本的に人を傷つけたくない、迷惑をかけたくない心情の持ち主だ。


それは、人の物にも該当する。


さっきから攻撃を見てはいたが極力、大事そうな物には当たらない様にしている。


さらに火事が起きない様に注意を払いながらだ。


ならば、電力室は壊されたのではなく、ただブレーカーを落としただけだ。


そして、何故迷惑をかけるにも関わらずブレーカーを落としたのかと言えば、理由は一つしかない。


アイツの・・・メドロの能力だ。


炎を操る能力、それは言ってみれば火事を引き起こしかねない能力。


そして火事が起きれば必然的にあるモノが稼働する。


それは・・・・・・


『火災が発生しました。火災が発生しました。直ちに消化活動に入ります』



プシャーーーー、プシャーーーー、プシャーーーー


火災報知機だ。


「考えたな。火災報知機を稼働させて、炎を使えなくする。そして、外にでた理由は電力室では水ではなく二酸化炭素が送り込まれる。」


メドロも自分がここに来る事が分かってっていたのだろう、ここに来ていた。


そう、そのまま中にいれば窒息死だったが、僕はそこまで馬鹿じゃない。それくらい知っている。


「これで貴方の炎の能力は封じた。貴方が炎を使った瞬間、火災報知機が作動し水が供給される。貴方の負けです」


次回投稿は木曜日です。

面白い、続きが気になると思って下されば、下の☆☆☆☆☆から評価や、ブクマ、感想などしていただけると嬉しいです!

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