第37話 聖者か?執行人か?それとも、正義のヒーローか?
あぁ、そういえばこの小説を投稿してから2ヶ月が経ちました。
早いものですね。まぁ、この話はまた閑話で触れます(やった!閑話で話すネタが増えた)。
ニャルラが出て行ってから30分。
暇なのでホテルのベットで寝ていた。
しかし、寝ている時にある違和感が込み上げて来て、目を覚ます。
・・・おかしい・・・何かがおかしい。
なんとなくや勘などではなく絶対的に何かがおかしいのだ。
攻撃されているのか?いや、攻撃を喰らった形跡も受けた覚えもない。
つまり、自分達に攻撃されているのではなく、
環境・・・つまり、このホテルの中が攻撃、又はおかしいのだ。
俺は違和感の正体を探るため、周囲を確認し窓の外を眺めた。
──────ッ!?
違和感の正体が分かった。
「ンッンッンッン・・・クックックックック・・・アーハッハッハッハッハッハッハ!!!」
笑いが込み上げてきて、思わず声に出して笑ってしまった。
その笑い声にさっきまで寝ていたヨグが目を覚ましてきた。
「なんなんですか〜アザートさん。急に大きな笑い声をあげないで下さいよー」
「ふっ、起きたか男女。窓を見ろ、面白いことになっているぞ」
ヨグは、窓ぉ〜?
そう言いながらヨグは外を見る。
「ちょっ!なんなんですか、この人だかりは!?」
そう窓の外・・・正確にはホテルの外には大勢の人だかりができていた。
「おそらく、ホテルの客と従業員だ。見ろ、ところどころに従業員がいるだろう。そして、その他の人は大きな荷物を持っている」
そう考えるのは妥当だ。
「たっ・・・確かに!。でも、一体どうして?何かおかしな事があったのでしょうか?」
「決まっているだろう。敵だ。敵が手を打ってきた。おそらく、俺達がこのホテルにいる事が分かっているみたいだな。ニャルラの作戦は成功という訳だ」
そう言って、ゆっくりとコーヒーを淹れる。
「作戦って、ここで迎え撃つ的な事ですか?」
「あぁ、そうだ。敵は一般客を避難させた。この時点で考えられる敵の像は二つ。一つ、敵は相当なお人好しってことだ。あくまでターゲットは俺達、他の客への被害を減らそうって魂胆だ」
「随分と優しい敵ってことですか?話し合いができればいいのですが・・・」
「優しい?違うな、ただの偽善者だ。ただのな」
「あははは・・・偽善者」
その言葉に苦笑いするヨグ。
「そしてもう一つが能力が凄まじいことだ。フッフッフッフッフッフッフッフ。面白くなりそうだ、まさしくこの場は戦場と化すわけだ」
そう答えると、
「あー、そんなことをアジトでやったらたんまんないですからね。ニャルラさんの行動が功を奏したってことですか。」
ヨグは納得する。
「あの人だかりだ。ニャルラも簡単には帰ってこないだろう。それにここからアジトまで片道30分はかかるからな。ニャルラ無しでの戦闘になるのだか、貴様は何だ?役に立つのか?」
役に立たなければ、是非とも奥でガタガタ震えていて欲しいものだが・・・
「ぼっ・・・僕も闘います。僕もバリアントです。それに、敵の一人は斃したんですから」
「・・・それが怪しいんだ。貴様が敵を斃すなんてまだ信用できないからな。どうせニャルラに手伝ってもらったんじゃないのか?」
「ちゃんと自分一人で斃しましたからぁ!」
・・・こいつは確かに強いのだろう、しかし性格がコレだ。
理性が無い異形者相手、かつニャルラがいるならともかく、相手は人間・・・こいつ一人で敵を斃すとなると・・・
「まぁ、どちらでもいいか。だが、一つだけ言っておく・・・邪魔はするな。すればお前を殺す」
そうヨグに言い放ち脅すが、
「はっはい!」
と、ガチガチに震えた声で返事をした。
・・・本当に大丈夫か、こいつ。
まぁ、今ので臆すことはなかった事を考えると、成長はしているみたいだな。
「さて、そろそろ俺達を除く全ての客の避難が終わった様だ。どんな敵が来るのだろうなぁ」
そう窓を見ながらヨグに話しかけていた時、
コンコンコン
ドアをノックする音がしてくる。
「アザートさん・・・」
「ふっ、来たか・・・いいぞ、入って来い」
そう俺が言うと、入って来たのは赤い髪の男だった。
──────
────
──
アザートさんがそう言うとドアが開き、
入って来たのは赤い髪の男だった。
「お前達がバリアントのアザートとヨグ・・・だな」
「ああ、そうだか、なに用かな?」
アザートさんが笑いながら質問する。
「お前達を・・・悪であるお前達を罰し、抹殺しにきた」
悪・・・悪ッ!?えっ?どういうこと?
僕がそう戸惑っていると─────
「クックックックック、俺達が悪か・・・・・・なら貴様は何だ?聖者か?執行人か?それとも、正義のヒーローか?」
アザートさん、また人を煽る様なことを・・・
「ああ、そうだ。だからお前を罰する」
シュボッ!
「なっ・・・に?」
ゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウ!!!
突如、アザートさんが燃え始める。
そして・・・
一瞬にして灰になってしまった。
「まずは一匹・・・」
次回投稿は月曜日です。
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