第33話 哀れな餓鬼は街中で消える
「僕が・・・この僕が、8歳児だって・・・ふっふざけるなぁぁぁぁ!!」
そう言って、餓鬼は攻撃を繰り出してくる。
速い、流石は身体能力10倍だな・・・
再生した右腕そして、左腕もが飛ばされた。
「ふっははははははは!!!どうだ、コレが僕の力だ!再生しても無駄さ。またぶっ壊してやるからな!」
また、馬鹿笑いを始める餓鬼。
「確かに・・・厄介だな」
そう言って、少し相手との距離を空ける。
そして、また両腕を再生させる。
「逃げても無駄さ。すぐに追いかけて再生出来なくなるまで攻撃してやる」
「逃げる・・・か。・・・クックックッククックックック」
「〜〜〜〜〜!!何がおかしい!!」
餓鬼が苛つき始める。
「悪い悪い。だが、あまりにも滑稽でな。・・・ところで貴様にはカメラなどが仕込まれているのか?」
と、俺は餓鬼に聞く、
「そうだけど何?もしかして、寝返って生き残ろうとしてる?ダメダメ、君の様な弱い奴は僕達はお断りだよー」
ニヤァァァ
「そうか・・・仕込まれているのだな。・・・喜べ、今見てる者。貴様の部下が殺される様を」
「僕が死ぬ?・・・だってぇー。わっははははははー。馬鹿め、それはお前だぁ!!」
そう言い、高速で襲いかかってくる。
が、
「そのスピードには、もう慣れた」
俺は餓鬼の攻撃を悠々と避ける。
「な・・・何ぃ!?」
そして、ソイツの腹に拳を与える。
「グ・・ガッハァァー・・・うっ・・・おえぇぇぇ!!!・・・」
力を入れすぎた様だ、道路に餓鬼の吐瀉物が吐かれた。
「悪い悪い。身体能力が10倍と聞いて、少し力を入れすぎた様だ。しかし、脆いモノだな。どうした?立てよ小僧、まさか一撃で終わりという訳でもないだろう?」
そう言うと、餓鬼はふらつきながら立ち上がる。
そして、臨戦態勢に入った。
「もう・・・もう許さない!お前を・・・お前を殺す!絶対に殺す!」
そう言い、また襲いかかってくる。
何とも単調な奴だ。こんなモノ、また避けてや─────
ブチィィィ!!!
「─────ッ!?」
受ける直前に攻撃速度が速くなり、右腕に直撃。
今度は右腕全体が飛ばされた。
「はぁはぁはぁはぁ!どうだ!・・・コレが僕の本気の一撃だ!これでお前の負「はぁーーー、わざと直撃を受けてこの程度か・・・やはり貴様はそこら中の有象無象の人々と変わらん」
そう言い、すぐに再生させる。
「なっ・・・えっ・・・そんな」
「本物の一撃とやらを見せてやる」
そう言って、
ギチギチギチギチギチギチギチギチギチ
左手に力を入れ・・・
餓鬼の半身に一撃を加える。
ゾブッ!
「─────えっ?」
餓鬼の間抜けな声と共に────
ブシャーーーーーー!!!
餓鬼の右腕から勢いよく血飛沫が舞う。
「ギャァァァァァ!!!」
その次に辺りに響き渡る餓鬼の断末魔。
「おいおい、どうした?そんなことで赤ん坊の様な悲鳴を上げて。たった一撃だぞ?」
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・なんなんだ?お前は一体なんなんだぁーー!!」
餓鬼は完全に腰を抜かしている。
「さぁな、おいおい何腰を抜かしている?まだ右腕が無くなっただけだ。まだ四肢のうち3つが健在。まだ戦えるよな?強いのだろう?」
「アッアッアッアッア・・・うわぁぁぁぁ!!!」
餓鬼はその場から逃げ出した。
「・・・・・・やはり、お前は8歳児だ。相手の実力も見極めることもできない哀れなクソ餓鬼・・・」
餓鬼は右腕がないが、中々遠くまで逃げている。
「俺達に歯向かったこと・・・後悔するのだな。・・・黒獣」
右腕が黒の獣へと変化させ、餓鬼に向け攻撃。
「はっはっはっはっ─────えっ?」
グチャアーーーー!!!
黒獣は餓鬼の上半身を食らい、
餓鬼は下半身だけとなり倒れた。
俺はそれに近づき、ポケットにあるカメラに向け・・・
両手の中指を立てた。
───────ニャァァァ
「貴様等は我等バリアントが皆殺しにしてやる。精々、身体全体を震わしながら待っていろ」
そう言い終わると、装飾銃でカメラを潰す。
──────
────
──
『─────貴様等は我等バリアントが皆殺しにしてやる』
ケルミーに持たせたカメラにニャルラのアジトにいた部下に中指を立てられた映像を見る龍鳳。
「フッフッフッフッフッフッフ、おもしろい宣戦布告だ。良かろう、その布告・・・受けて立とうじゃないか」
龍鳳は静かにつぶやいた。
──────
────
──
「ふむ、さて帰るか・・・」
そして、帰ろうとした所・・・
「ねぇ、君。ちょっといいかな?」
何だ?と思い振り返ると、
警官がいた。
「近くの住民から通報があってね。署までご同行願おうか」
「は?」
──────
────
──
「アザート君、遅いニャ〜。もう行って一時間経つニャ。どっかで道草食ってんじゃないかニャ?」
「そんな事ないですよ。もしかしたら、敵に襲われているとか」
そうニャルラさんと話していると、
一本の電話がかかってきた。
「はいはーい、こちら国境騎士団・バリアントですけど。─────はい、間違いないです。────はぁーーー!?アザート君が捕まった!?」
また、あの人がやらかしたみたいだ。
次回投稿は月曜日です。
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