第31話 龍鳳カンパニー
今回からの章3部構成なっており、人間VSバリアントって感じです。
まぁ、細かいことはなんであれ新章突入!!
「はぁー、カナダ旅行も中々面白かったニャ。また、行きたいニャ〜」
アメリカ、ニューヨーク州にあるアジトにニャルラ達が帰って来た。
「いや、ニャルラさん。僕達は別に旅行が目的だった訳じゃなかったですからね」
そう、僕達がカナダに行ったのは仕事の依頼があったからである。
それは天使から生贄の娘を救って欲しいとのことだった。
まぁ、最後は後味が悪かったけど・・・
「辛気臭い事は覚えてないニャ〜」
そう言って耳を塞ぐニャルラさん。
そして僕らの後をつまらなそうについてくるアザートさん。
なんやかんやでこの3人が様になってきたなぁ。
そう考えているとアジトに着いた。
「よし、じゃあまたいつもの仕事に戻ろうか!」
ニャルラさんが気合いを入れながらアジトに入ろうとすると・・・
「あっ!もしかして、国境騎士団の方々でアルか?」
チャイナ服の女が話しかけて来た。
「んー、そうだけど何かな?」
ニャルラさんが答える。
「やっぱりそうでアルね。ボス〜、ようやく帰って来たヨ〜」
「そのようだね、待った甲斐があったよ」
そう言いながら来たのは、見るからに成金の男だった。
「これはこれは、バリアントの皆様。旅行から帰って疲れているところ申し訳ありませんね」
「君は・・・誰ニャ?」
「私は、こういうものです」
ニャルラさんがそう聞くと名刺を差し出した。
「・・・龍鳳カンパニー社長、龍鳳 牒」
えっ!?まさかあの有名な会社の・・・
「まぁ、ここでは何ですしあなた方の会社で少しお話しがしたいのですがね?」
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龍鳳カンパニー・・・
あらゆる分野における最先端を進む、今ノリに乗っている会社の一つである。
会社のモットーは実力主義。
実力があるものは年齢、性別、国籍関係なく雇うのが社長のすすめである。
「そんな会社の社長さんがウチに何の用だニャ?」
ニャルラさんは龍鳳社長達ををアジトに招待し、話を聞いた。
「それがですね。今度、我が会社に新しく対異形者の分野に手を伸ばそうかと思ってるんですね」
へぇー、すごいなぁ。本当に色んな分野に手を伸ばすのかー。
「で、その事で商談があるんだ」
含みがあるような声で話す龍鳳社長。
「ほぉーう、商談・・・それは?」
ニャルラさんが聞く。
「なんてことは無い。ただ・・・君達が持っているワールドライセンスを頂こうかと思ってね」
「────ッ!?」
「・・・・・・」
「異形者の事件を解決するのは、事件が起きた国の者だだ。もし別の国の者が介入すると、即捕まってしまう。捕まらなくてもその日から国際指名手配犯だ」
そう、他の国の異形事件には介入してはいけない。国際会議で決まっている。
でも・・・
「が・・・一つだけ罪に問われない者がいる。それがワールドライセンスを持つ者」
そう、国際秘密結社連合・アルカディアが発効するワールドライセンス。
その効力は地球上の94%の場所に行く事でき、ほぼ全ての乗り物を無料で乗る事が出来る。
当然、他の国の異形事件も介入及び解決出来る。
「私は何でも完璧にしないと気が済まない質でね、国際的に仕事がしたいんだよ。だから、そのライセンスを────」
「断るニャ」
間髪入れずにニャルラさんが答える。
「・・・そうか。今なら我が社の株の半分をくれてやってもいいが───」
「断るニャ」
再び、ニャルラさんは答える。
「・・・“金では買えないモノがある”・・貧乏人の決め台詞を言いたいのか?」
「いや、そんなもんじゃ無いニャ。もっと単純な話・・・小学生でも分かる単純な話ニャ」
「単純な話?それは何だ?」
龍鳳社長がそう聞くとニャルラさんが口を開いた。
「弱い・・・ただ単純に貴方達が弱い集団だからニャ。ただのお山の大将軍団にライセンスは渡せないニャ」
言ったー!!ニャルラさんがドストレートに言ったー!!
「フッフッフッフ・・・クックックック・・・アッハッハッハッハッハ!!!これは面白い冗談だ、私達の精鋭がお前達より劣っていると・・・」
龍鳳社長は不敵に笑う。
「あれっ?そう聞こえなかったかニャ」
ニャルラさんは気にせず煽る。
「テメー、ボスを舐めらがって───」
「まぁ、落ち着け・・・ニャルラ殿、君がいくら強がっても部下が誰もいなくなったらどうなるか」
そう言って、龍鳳社長は立ち上がり、
「そうなってしまった後に泣き寝入りは無しだぞ。覚えておくがいい。俺は欲しいモノは必ず手に入れる」
そう言葉を言い残し、出ていった。
「ニャルラ、どうする?今からでも全員殺すか?」
アザートさんがニャルラさんに聞く。
「まぁまぁ落ち着いて。今、殺したら普通に捕まってしまうニャ」
「じゃあどうするんですか?絶対なんかしてきますよ」
僕がそう言うと、ニャルラさんは
「要はタイミングニャ。ヤツらは絶対に噛み付いてくるニャ。そうして来たらニャ〜・・・・・・殺せ」
ニャルラさんの怒気の言葉に顔をにやけるアザートさん。
「でも、それだと後手に回るんじゃないですか?大丈夫なんですか?」
「あぁそうだ。しかし、後手に回って危険になるのは弱者の考えだ」
弱者って・・・
「そうだニャ、私達は強者。ヤツらに誰に喧嘩を売っているのか分からせるニャ。噛み付かれたら・・・・・・噛み殺すニャ!!私が許可する」
次回投稿は木曜日です。
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