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第30話 生贄のタガ

なんか章が進むにつれて、どんどん話数が増えてる気が・・・

まぁ、何はともあれ第5章、最終話です。

最後まで楽しんで下さい。


百年前


私はこの村の交易の使者として他の町から赴任した。


が、それから一ヶ月も経たない内にとある流行り病が発生し村は存続の危機に陥った。


村の村長はそれを神の怒りだとして、村の者では無い私を生贄として神に差し出すという提案をした。


流石、辺境の村だ。今まで親しくしていた村の者が手のひらを返した様に裏切り、私を吊し上げた。


私だけで無く彼らは私の家族を騙して村に連れて行き、私の目の前で惨殺した。


アッハハハハハハハハ

        死にやがれこの悪魔の使徒がぁぁぁ!!

 よし、そのまま村の奥の林に捨ててこい!


私は私は私は私は私は・・・


コイツらコイツらコイツらを─────


バァーーン!!!









































「長い。いや、何故俺が貴様のお涙頂戴ストーリーを聞かなきゃならないんだ。そんなに話したいのなら、王道漫画のお花畑主人公の元は行けばいい。きっと、泣いて殺したことを後悔してくれるぞ」


アザートさんが銃を発泡し、僕らを現実に戻した。


いやっ、アザートさんそれはいくらなんでも・・・


「流石、アザート君。そうだニャ、どうしてお前の話を悠長に聞かなきゃならないのだニャ」


・・・ダメだ。ニャルラさんとアザートさん、話を聞く気がまるで無い。


「何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で?」 


天使も流石にここで切られるとはおもってもみなかったのだろう。


「何故ってさっきも言ったけど君は敵ニャ。君が辛い目に合ったのは分かるニャ。でも、これは仕事ニャ」


ニャルラさんはそう言って、天使にグングニルを向ける。


そして、


「ゴメンね、これは・・・・・・順番・・なんだ」


そう言いながら、天使の首を飛ばした。









































アザートさんもニャルラさんの言葉に黙る。


順番・・・その通りだ。


もし最初に天使の話を聞いていれば、


おそらく僕達は天使側になっていただろう。


天使は騙されて、異業化したことは話から大体予想がつく。


しかし、最初に聞いたのは、彼らの依頼だ。


僕らはそれを聞いたからには気分を変えてはならない。


でも、気になる事がある。


「ニャルラさん、どうしてリーフさんはニャルラさんに、毒を盛らなかったんですか?」


「・・・それはね────」









































 * * * 


それはリーフとクレアがニャルラの元へ訪れた時間まで遡る。


『うん、わかったニャ、その依頼引き受けるニャ』


私がそう言うと、


『ありがとうございます!!!あっ、すいません!承諾してくれるのを聞いて、安心したのか少しお手洗いに言ってもいいですか?』


クレアさんが訪ねてきた。


ちょうど良いニャ・・・


『はい、トイレは一階のロビーにあるニャ』


そう言って、クレアを下に行かせる。


『本当に承諾していただいてありがとうございました』


リーフ君がお礼をしてくる。


しかし、私は言わなければならない事がある。


『ハイハイ、そういうのはもういいニャ。そろそろ本音を聞かせてよ』


「────ッ!?」


リーフ君が驚いた顔をする。


『まぁ、だいたい予想つくけどね。大方、レミアさんの代わりに私を生贄に仕立て上げようとしたんでしょう?』


そうリーフ君に言うと、


『すいませんでした!!』


そう何度も言いながら土下座してきた。


『いや、ちょっと待って・・・』


そう言って、なんとかリーフ君を落ち着かせた。


そして、ことの真相を知る。


『───すいません!!すいません!!!ほんの出来心だったんです!!!ネットでニャルラさんたちの事を知って・・・それで・・・』


リーフは本気で謝っているのがヒシヒシと伝わってくる。


『別に警察に突き出そうとかしないニャ。依頼を引き受けるってのも事実だしね』


『えっ?』


私がそう言うと、リーフ君はどういう事?みたいな顔をする。


『何とか、その天使にレミアちゃんは生贄にしないで貰えるか説得するニャ。これでいいだろう』


『あっ、ありがとうございます!!!本当にありがとうございます!!!』


リーフ君は何度も言ってきた。


『でも、その分お金はいっぱい貰うからね』


そこはキチッとしないといけないからね。


私がそう言うと、


『はい、私は百万円持ってます!!!それを差し上げます』


『交渉成立ニャ。必ず君の嫁さんは守るニャ───』


 * * * 









































「・・・そう言うことがあったんですね」


「おい、もうここにいる必要は無いだろう。どうするんだ?お金取りに家までもどるのか?」


「・・・んニャ、お金は取りに戻らないニャ。約束・・・守れなかったからね」


こうして僕達は村の外まで来た。


「あっあの、村の人達に天使のこと言わなくてもよかったんですか?」


「言わない方が良いな。お前も見ただろう、あの離れの古屋を・・・」


ああ、アザートさんが聞いた古屋のことか。


「あれの中を邪眼で見たが、大量の死体があった」


えっ、どういう?


「言ってただろう、村の掟に逆らうヤツは誰もいない。そりゃそうだ、逆らったら殺されるからな」


「そっそんなことが・・・じっ・・・じゃあ!あの村はこの先どうなるんですか?天使もいなくなったし」


僕がそう聞くと、今度はニャルラさんが答えた。


「天使がいなくなったら、おそらく生贄のタガが外れて、子供ばっかが生贄に捧げられるニャ。天使は生贄を村の存続も考えて選別していたからね」


「それが無くなるってことは・・・」


想像するのは容易いことだった。


「さて、辛気臭いのはここまで。予定通り、今から観光名所を巡って行くニャ〜」


ニャルラさんの言葉と共にアザートさんと僕は村を後にした。









































─────

────

──


◼︎◼︎◼︎年後、


ニャルラの言う通り、この村は────


次回投稿は明日です。

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