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第29話 コマユバチ

コマユバチってすごいね。

蜂だけでもヤバいものを寄生という力がある。

青虫を人間に置き換えて考えると・・・

「アッ・・・アザートさん!!」


アザートさんが・・・アザートさんが・・・食われた。食われてしまった!


「アッハッハ・・アッハッハッハッハッハッ・・・アーーーハッハッハッハッハッハッハァァァァァ!!!バカめバカめバカめバカめバカめバカめ!!!不用意に近づくからだ!バーーカー!!!」


天使が壊れた様に笑う。


そして、笑い終わったところで次にこちらに視線を移す。


「さぁ、厄介な相手の処理はした。次は君達を食らうよ」


そう言い、背中に生えてある無数の翼・・・もとい手首を飛ばしてきた。


僕達は、それを全力で避ける。


「落ち着くニャ、ヨグ君!」


「落ち着けって言われても!・・・アザートさんが・・アザートさんが!」


ズバババババババババババババババババババババ


ニャルラさんと会話してる間も天使の攻撃は緩めることなく手首を飛ばす。


そして、攻撃を繰り出しながら天使ごニャルラさんに向かって話しかけた。


「アッハッハッハッハッハァァァァァァ!!そこのピンク髪の女ァ、仲間が食われたってのに随分とクールだねぇー」


「・・・何が言いたいニャ?」


攻撃を避けながらニャルラさんが天使の言葉に反応する。


「あぁそうか。そうかそうか。君ィー、本当は・・・あの不気味な男を仲間と思って無かったんでしょう。だから、死んでも悲しまない」


「・・・・・・」


ニャルラさんが黙る。


「そんな訳・・・無いじゃないですか!」


「じゃあ、どうして黙るの?図星だからでしょう。所詮、仲間だなんてかけらも思っても無いヤ・」


「・・・ンッンッンッ・・・ニャーハッハッハッハッハ・・・ちょっ・・ダメ、お腹痛い。面白すぎてお腹痛い」


ニャルラさんが声に出して笑う。


「・・・何がおかしい!」


「いやっ・・だって・・・これ笑うなって言った方が・・・難しいニャ」


ニャルラさんが笑いながら話す。


「何言って・・・ゴフッ・・・」


天使が突然、吐血した。


「えっ?何これ・・・痛い・・・痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いィィィィ!!!」


天使が腹を押さえて、のたうち回り出した。


そして・・・


「────黒獣」


ドバンッ!!!


天使の腹がはち切れたかと思えば、中から黒い獣が飛び出した。


そして、黒獣は段々と人の形へと変貌し・・・


アザートさんとなった。


「アザートさんッ!?」


「フッ、成功だな。黒獣に成るという事は」


「どっどういう事ですか、アザートさん?」


傷が無く、いつもの冷静であったアザートに対して聞いた。


「何、簡単な事だ。奴の腹の中で黒獣を発動、撃ち出す。その瞬間、自分の意思を黒獣に流した。後は再生するだけだ」


要するに、飛ばした黒獣を本体にして、そこから自分を構成出来るって事ですか。


・・・めちゃくちゃ便利じゃないですか!!


コマユバチみたいでキモかったけど・・・


そうくだらないことを考えていると、


「AHAAAAAAA!!!・・・AHHHHHHH!!!・・・NOAAAAAA!!!」


天使は声にもならないような金切り声を上げた。


無理もない、腹が完全に破壊されている。


いくら異形者とはいえ致命の一撃である。


「ね、君如きがアザート君を殺せるワケないニャ」


ニャルラさんはアザートさんが出てくることが分かってたみたいだ。


「なんで言ってくれなかったんですか?」


「言ったじゃないかぁ、落ち着いてって」


いや、それで分かるワケ無いでしょう。


僕とニャルラさんが話している間、


アザートさんは天使に近づき、声を掛ける。


「随分と無様な姿になったものだな、天使様」


「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソ!!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!殺す殺す殺す・・・う・・・絶対に・・・殺してやる!!!」


天使は悶え苦しみながらも、アザートさんを睨む。


「そんな無様な状態で何ができる?今すぐにでも撃ち殺したいところだ・・・」


そう言って天使に銃口を向ける。


「・・・が、それをやるのは俺ではない。そうだろう・・・ニャルラ」


そう言って、ニャルラさんの方を向く。


「そうだね。ありがとう、アザート君。後は私に任せるニャ」


そうニャルラさんは言い、天使に近づき見下ろした。


「・・・今はどういう気分ニャ?私は清々しい気分だニャー」


ニャルラさん、笑ってる様に見える・・・


しかし、


僕には分かる。


あれは、ヤバイ時のニャルラさんだ・・・と。


「どうして?・・・どうしてどうしてどうしてどうしてどうして?私達同胞でしよ?同じ異形者じゃん。どうしてこんな事するんだよ!!」


「さっき言ったよね?私、君の事の同胞と思ってないって。それに私達は必ずしも異形者の味方じや無いニャ、依頼者の味方ニャ」


ニャルラさんがスラスラとゴミを見るような目で答える。


「まぁ、依頼者の中にもクソな奴とかいるけど、原則は依頼者ニャ。君は私達の依頼者・・・基、同胞を殺した。それが理由ニャ」


確かに自分達がやってる事は仕事だ。


ボランティアじゃない。慈善団体でもない。


依頼者優先、それが原則。


ニャルラさんの言う通り、偶にクソ野郎がいるけど。


前の金髪男(第1章参照)とか・・・


「・・・何それ?だったら、私だって・・・私だって、人間共に・・・」


次回投稿は土曜日です。

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