第24話 大鎌 デスサイズ
金曜日は投稿できず申し訳なかったです。
「ギャァァァ!!いますいます!異形者がいます!!アザートさん!?」
「そりゃいるから俺達は来たんだろうが。いなかったら通報者を・・・」
玄関のドア一枚を挟んで二人は話している。
アザートは外で座り、ヨグは異形者と対峙している状態だ。
「いやいやいやいや!違います!増えてます!報告では2人だったのに対して4人になっているんですよ!!」
ヨグが震える声で話しているのに対し、
「2人も4人もたいして変わらん。さっさと殺して楽にしてやれ。もう一度言うが、全員殺すまで外に出るなよ。外に出た瞬間・・・お前を殺す」
「外に最悪の悪魔がいるんですけど!?」
アザートは無慈悲な言葉にヨグが絶望していると・・・
4匹の異形者が各々の部位にある口を大きく開き、一斉に無数のてを伸ばして襲い掛かってきた。
「ギャァァァ!!来た来た来た来た来た来た来た来た~~~」
というヨグの叫び声が家中は勿論、外にも鳴り響いた。
それから戦闘が開始したようだ。
「アイツ、本当に大丈夫か?」
アザートはそう感じながら、数刻前の会話を思い出した。
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「たった今、異形者の報告が入ったニャ。住宅街で異形者らしき2人がある家に入ったらしいニャ。私、今日は事務で忙しいから2人で行ってきて欲しいニャ」
ニャルラがパソコンをいじりながら話していると、
「はい、分かりましたニャルラさん。では、行きましょうアザートさん。早く行かないと被害が広がります」
と、急かす様に男女が言ってきた。
「すごいニャ。ヨグ君がこんなにも男に慣れるだなんて。あっ、ちょっと涙が・・・」
ニャルラがそう言って泣き始めた。
コイツはバカなんじゃないだろうか?
そうニャルラバカ説が俺の頭で出来上がっていくのを見ていると、
「あっ・・・そうだそうだ、ついでにヨグの修行を頼むニャ。以前・・約束したんでしょ?ヨグ君が浮気した日に・・・」
まだ根に持っていたのか・・・コイツは?
「浮気じゃないって言ってるでしょ?ぼ・・・僕が好きなのは・・・ニャ・・・ニャルラ・・・さん・・だけでして」
ヨグが何かゴニョゴニョ言っている。
「あぁあぁ、分かっている。おい、男女・・・俺はニャルラのように甘くないからな」
「いや、だからその呼び方はやめてくださいって言って────」
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物思いに更けていると、戦闘音がなくなった。
「アザートさーん、終わりましたよー--」
そして次にそう呼ぶヨグの声が聞こえてきた。
家の中に入ると、自分の身長よりはるかに大きな鎌を片手で持つヨグが立っていた。
床にはその鎌で切り落とされたであろう異形者の残骸が散らばっている。
ほーう、それが前に話していた大鎌か・・・まるで死神が持っているようなモノだな。
「お前の武器にしては少々不気味だな、それに大きい」
「はい、 名前はデスサイズです。確かに見た目はグロくて大きいですが簡単に振り回せますよ」
そう言って、ヨグは鎌を素早く振り回した。
その動きには無駄がなく、なにより周りの壁や家具を一切傷つけていない。
なるほど・・・その腕に、この残骸。
ニャルラが言っていた事もあながち間違いじゃないよいうことか・・・
「で、アザートさん!どうですか?何か注意すべき点とかありませんか?」
直接見てはいないのだから注意すべき点など何もないのだが・・・まぁ、
「あぁ、あるな1つ」
「何ですか?」
俺がそう言うと、ヨグは期待に満ちた目を向けてきた。
「うるさい!!戦闘の注意点どうこうよりも、何よりうるさい」
そう怒鳴ると、ヨグが縮こまる。
「お前が弱きで臆病で逃げ腰なのは分かってはいたが・・・うるさすぎる。それにより今度から通報が出た場合、今回と同じように閉じ込めて闘わせる。お前には慣れが必要だ」
実力は確かにある・・・いや、潜在能力と言うべきか。
しかし、逃げ腰が先行して実力が出せないまま死ぬ場合もあり得る。
その性格はすぐに変えなければならない。
「そっ・・・そんな~~~!!!」
ヨグは嘆いているが、それを無視してその場を後にした。
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「おい、ニャルラ・・帰ったぞ」
「ニャルラさん、ただいま~」
俺とヨグがそう言うと、いきなりニャルラが・・・
「ヨグ君、アザート君、支度するニャ。これから旅行に出かけるニャ!!」
・・・・・・いつものごとくいきなりだな。
「旅行ってどういうことですが、ニャルラさん?」
「仕事が入って私達はカナダにある小さな村に行くことになったニャ。そして仕事が終わったら観光スポットに行こう~」
ニャルラは得意気に話し出す。
「仕事って何だ?」
今度は俺がそう聞く。
「全然、大した仕事じゃないニャ。たった一晩その村に滞在するだけニャ」
「その村に異形者が出るとかか?」
「う~~ん、分からんニャ。話からして異形者ってことも考えられるんだけど・・・う~~ん」
「そうじゃない可能性もある・・ということか」
つまり、人間の問題かもしれないということ。
「話っていうと、依頼されたんですか?」
「そうだニャ。君達が仕事に行っている間にね。さっ、早く支度するニャ」
「「はぁ」」
俺とヨグはため息を漏らしながら自分達の部屋へと向かう。
すると、ニャルラが・・・
「そうそう、今回の村ちょっとおもしろい噂があるみたいだニャ」
そう興奮気味に話してきた。
「いるんだってニャ。その村に、天使様が・・・・・・」
次回投稿は火曜日です。
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