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第19話 誘拐か虐めか

ヨグの身長は約155cmです。

ヨグの年齢を都合により25→55に変更します。


ニューヨークの街を僕は近くのスーパーまで歩いている。


その途中、いつも通っている果物屋に寄った。


「ん、あっ!お客さんが来たと思ったら、ヨグ君じゃないかい。今日も一人で買い物かい。少し安くしてあげるよ」


店の店長のおばあさんが話しかけてくる。


なぜか知らないが、自分を凄く可愛がってくれる。


「あっ・・・ありがとうございます」


「うん、全然良いいんだよ。それよりも・・・最近、君の家に来たあの見るからに悪そうな長髪男・・・ソイツに虐められてないかい?」


アザートさんのことだ。


「何かあったら遠慮なく相談するんだよ!」


「あはははは、ありがとうございます」


虐め・・・虐められて・・る・・・かな?


「あと、この辺り・・何やら最近、誘拐事件が多発してるらしいよ。若い女性を狙った犯行らしいから、ヨグ君も気を付けた方がいいよ」


「あぁ、ありがとうございま・・・す?」


さっきから、僕・・・『ありがとうございます』しか言ってないような・・・


てか、最後どうして僕に言ったんだ?


そう思いながらニャルラさんの好きなオレンジを買い、スーパーへと向かう。


時計を見ると、出発してから、もう二十分が経っていた。


「ヤバいな、ニャルラさんはともかく・・・遅かったらアザートさんに何されるか・・・」


『遅かったら・・・殺す!!』


とか言われてなかったっけ。


※言いそうだけど、アザートは言ってません。


だとしたら急がないと。


あっ!確か、この路地裏を通るとすぐに着くんだった。


「そうと決まったらすぐに通ろう」


そう呟き、路地裏に入っていった。


せまいな~、暗いな~、怖いな~


稲川〇二っぽいことを思いながら進んでいくと、


前方にスーパーが見えてきた。


やっぱり通って正解だったな、


そう思いながら進もうとすると、


背後から薬のようなナニかを嗅がされた。


意識が遠くなっていくのが分かる。


まるで()()()のように──────


──────


────


──


「遅い、遅すぎる。アイツはいつ帰ってくるんだ」


ヨグが買い物に行ってから2時間。


しびれを切らしたアザートが地下から上がってきた。


「アイツ・・・どこかで道草食ってんじゃないのか?おもちゃ屋とかで」


「あはははは、そんなワケないニャ。だって、ヨグ君とっくに20歳超えてるんだよ。そんな子供みたいなことはしないニャ」


そう言うニャルラの言葉に、


「しかし、遅すぎるだろう。これは絶対に・・・」


「(・・・うん?)おい、今なんて言った?」


アザートは違和感を持った。


「えっ?ヨグ君とっくに20歳超えてるし、さすがに・・・」


「アイツ・・・成人しているのか」


ニャルラが話すことに、驚くべきことが語られた。


「あれっ?ヨグ君に言われてなかったけ?ヨグ君、55歳だニャ」


あっけらかんにニャルラが答える。


「55!?アイツが!?」


「まぁ、無理もないニャ。ヨグ君、若く見えるからね」


「(若く見えるのさわぎではないだろう。どう見てもガキだろ、ガキ)」


「ヨグ君、あんな顔してるけど、お酒もまぁまぁ強いし。それに夜だって・・・」


「あぁ、もういい。しゃべるな」


「君は確か20歳だったかニャ?今度からヨグ君に敬語使わなきゃだね」


「絶対に断る」


アザートは食い気味に答えた。


「・・・では、お前も大分歳を取っ────「それは女性にとって失礼だニャ」


そこはしっかりとしているのがニャルラだ。


「っていうか異形化したらその人間の肉体の最高の状態までしか歳は取らなくて、後は不老ニャ」


「では、アイツは何なんだ?」


「ヨグ君は偶々あれが最高の状態だっただけニャ」


「あれがアイツの最高か・・・俺には分らんな」


アザートは遠くの方を見るような目をした。


「まぁ、あの中性的な見た目のせいでヨグ君、異形化しちゃったんだけど────そんなことよりも、そんな真面目で大人なヨグ君がこんなに帰ってくるのが遅くって連絡も一切なし。これは明らかにおかしいニャ!何か事件に巻き込まれてるに違いないニャ」


ニャルラが断言する。


「事件に巻き込まれるんなど何を考えているんだか・・・」


「いや、過去を見返してみるニャ。君には絶対に言われたくないニャ」


ニャルラはそう言うも、『何のことだ』と言わんばかりの表情をするアザート。


「とりあえず、アイツが向かったであろう場所に行くか」


「うん、確か最後にメールは果物屋でオレンジを買ったという報告ニャ」


「まず、果物屋に行くってことか?」


「そうだニャ。行くよ、アザート君」


こうしてアザートとニャルラはアジトから果物屋へと向かった。


──────


────


──


「─────いらっしゃい・・・ってニャルラかい。どういう風のふきまわしだい?いつもヨグ君に買い物させて家で、ぼーー-としてるアンタがウチにくるなんて」


そう嫌味を言ってくるババアにニャルラが事の説明をした。


「ヨグ君が行方不明!?そんな・・・どうして!!」


見るからに動揺した。


「何か変わった様子とかありませんでしたかニャ?」


「特に変わった様子は・・・いつもと変わらず・・・もしかして!」


ババアは何か心当たりがあるようだ。


「最近、誘拐事件が起きてるって噂じゃない?もしかしたらそれに巻き込まれて・・・」


「(なるほどな、誘拐か・・・いやっ、ありえるのか?あいつ一応邪神なんだろう?返り討ちぐらいできるだろ・・・いや、できないか?)」


「それか・・・」


次にババアはアザートの方を睨んだ。


「アンタが虐めたんじゃないかい?あの子を。それが原因で家出とか・・・」


「・・・・・・なるほど」


「情報を教えてくれてありがとニャ~!」


アザートは銃を生成して殺そうとしたところ、ニャルラが強引に話を終わらせ店を出た。


次回投稿は、水曜日です。

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