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第18話 ニャルラ・スペシャル

昨日と一昨日でストックが4つ増えた、やったぁ!

ダァーーーン!!!


激しい銃声と共に弾丸が小瓶へと向かう。


着弾すると、当然のように木っ端微塵となった。


「凄いですよ、アザートさん。あんな小さな瓶を当てるなんて」


今、アザートさんと僕の二人は、四方がコンクリートで造られているアジトの地下のだだっ広い部屋にいた。


先日、アザートさんがアジトの一階いると、地下へと続く階段を発見した。


ニャルラさん曰く、


「そういえば地下を鍛錬場として造ったけど、一度も使ってなかったから忘れてたニャ〜」


ニャルラさんがそう言うと、アザートさんは呆れ果てた様な顔をしていた。


僕自身もすっかり存在を忘れていたので顔を合わせる事ができなかったが・・・


「それにしても、アザートさんの装飾銃・・・リロードしなくても、念じるだけでリロード出来るんですよね」


「ああ」


とアザートさんが当然だと言わんばかりの声で話す。


それはやっぱりチートだなぁ


そう思っていると、ある事を思い出す。


「そうだ、アザートさん。邪眼って知ってます?」


今の会話で分かる様に、


大分アザートさんにも慣れてきていて、少し緊張するが、


二人で話せる様になったのだ。


「邪眼?何だそれは?」


「目の力をいれると、目が赤黒くなるんです。ほら」


そう言って、目に力をいれる。


すると、目は赤黒くなった。


「・・・で、それは何の意味があるんだ?」


「えっと、ですね。邪眼発動中は生物を壁などの遮蔽物を無視して感知できるようになるんです。あまりに小さい生き物はむりですけど・・・」


「ほう!」


僕が説明すると、アザートさんは興味を示してくれたようだ。


「アザートさんもやってみてください。練習すれば僕みたいに瞬時に発動できますよ。まぁ、僕は一か月かかり─────」


「確かにな、生物自体が赤く光って見えるっていうことか。ニャルラの奴は・・なんだ?料理しているのか?・・・ところで何か言ったか?」


と、何食わぬ顔でこちらを見てくるアザートさん。


その目は確かに赤黒くなっている。


「あっ・・・いやっ・・・何でもないです・・・」


えっ?どうして当然かの様にすぐにできるの、この人?


「まぁ、何かに使えそうだな。・・・さて、次はアレをやる。おい、テキトーに瓶を何本か投げろ」


「はっはい」


そう返事をして、四本の瓶を投げた。


アザートざんはその瓶に手をがざし、


黒獣(ブラックビースト)


そう呟く。


右腕が飛び、姿が黒い獣へと変貌した。


そして、どの瓶も地面に叩きつけられる前に、すべて獣に飲み込まれていった。


この前、アルバートさんに放った技だ。


アザートさんは完全にモノにしている。


アザートさん曰く、


アレは自分の身体の一部を黒い獣に変化させ、超高速で撃ち出す技・・・だそうだ。


そして、黒獣に飲み込まれたモノは消える・・・。


「チッ、また失敗したか」


今、アザートさんやっていること・・・それは


黒獣に飲み込ませるのではなく、そのまま噛ませ自分の元に持ってこさせること。


空中の移動は自由自在に操作できるようになったが、


キープさせることが難しいらしい。


それをここ最近毎日やっている(付き合わされている)。


そんなこんなで、アザートさんに慣れていった。


まぁ、怖いのは変わらないけど・・・


コレ(男性恐怖症)はトラウマみたいなモノだからすぐに治るものでもない


そんなことを考えていると、


「ヨグ君、アザート君、昼ごはん出来たニャ~」


ニャルラさんが僕達を呼びに降りてきた。


「どうニャ、アザート君。うまく出来るようになったかニャ~」


「全然ダメだな。なぜかすべて食われ跡形も無くなってしまう」


アザートさんが答える。


「性格がでてるんじゃないかニャ?」


「と、いうと?」


ニャルラさんに質問すると、


「全部ブッ殺したいとか思ってるとか」


・・・・・・


「・・・そうか、では最初にお前を殺すか」


アザートさんは徐に銃を突き出す。


「まぁまぁまぁ!とりあえず話はごはんを食べてからにしましょう」


なんとか話の話題を変え、僕達は二階へと向かった。


──────


────


──


「・・・・・・おい、なんだコレは?」


アザートさんが最初に口を開く。


「ニャルラ・スペシャルだニャ!!」


そうニャルラさんがドヤ顔で答える。


強火で焼いたであろう中が真っ赤な肉、全然切れていない野菜のサラダ、焦げて炭になったパン、etc・・・


そうだった。


僕は見慣れてるけど、アザートさんは初めてだ・・・ニャルラさんの料理。


「こんなモノ食えるワケないだろう、バカなのかお前は!!」


アザートさんがキレた。


まぁ、それが普通の反応だ。


「どうしてそんなこと言うニャ?頑張って作ったんだよ~」


「お前は食べ物に対して失礼だと思はないのか?ただでさえ、金を節約しなければいけないというのにお前は・・・」


・・・うん。全面的にアザートさんが正しい。


「何言ってるニャ?ヨグ君はいつもおいしいって言ってくれてるニャ」


ちょっ・・コッチにパス回さないでください!


アザートさんもドン引きしないでください!?


「そう・・・なのか?」


アザートさんが聞いてくる。


「あっ・・・いや・・・その」


何を言えば正解なんだ・・と模索していると、


「ほらー、ヨグ君も『おいしいですよ』って言ってるニャ」


言ってないですよ、ニャルラさん!?


「いやっ・・・あの・・ニャルラさん、ごめんなさい。今まで、ちょっと無理して食べてました」


そう答えると、


「そん・・・な!まさかアザート君、ヨグ君を脅しているんじゃないだろうニャ~」


いや、どうしてそうなるんですか!?


「なぜ俺がそんなことしなくちゃならない。・・・もういい、俺は違う物を食べる」


「何も無いニャ。全部の食材使ったからね」


ニャルラさんがとんでも発言を言い出す。


「全部使っちゃったんですか!?今日の夜の分も入ってたんですけど・・・」


「えっ!?ごめーん、使っちゃった」


本当に使ったんですか。


「計画性の欠片も感じられん奴だ」


アザートさんが毒を吐く。


「じゃあ、僕・・・買い物してきますよ、夜ごはんを買いに」


「ついでに、昼ごはんも頼む」


「はい、分かりました」


アザートさんの頼みを了承して、急いで身支度をする。


「えっ?食べていかないのかニャ?」


という声が聞こえていないかのように急いで出て行った。


「────では、俺は帰ってくるまで地下にいるか・・・」


そうアザート君が言う。


「えっ!?本当に食べないの?私、全部食べちゃうよ」


「ああ、自分で生み出した食べ物だ。残さず食べろ」


アザートはそう言って、地下に行ってしまった。


「どうして食べないんだろ?おいしいのに」


次回投稿は、月曜日です。

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