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第143話 学生の記憶

話が進まない・・・


設定を見返すと、姉とシェリー(仮)は8歳差にも関わらず、変な事になってしまっていたので、加筆修正しました。


20XQ年時点では、

シェリー(仮) 14歳

姉 22歳



8年前────


20XQ年 ×××××中学校


紺色の髪の少女が模造剣を片手に武装した大人2人と対峙をしていた。


「じゃあ、初めていいかしら」


「おう、どっからでも!」


「でも、お手柔らかにな」


少女に対して、大人達はそう返答をするや否や2人同時に襲い掛かる。


しかし、少女はそれらの攻撃を笑みを浮かべながら躱す・・・


さながら、舞を踊るかのように大人達の攻撃を躱し続ける。


やがて、少女は1人の背後を取り、その首に模造剣を当てた・・・


1人目の敗北・・・開始から僅か1分も経過していない。


1人がやられる事は織り込み済み・・・そんな作戦であるのか、もう1人の男は少女の背後に周り、少女の頭に銃を突きつける・・・ しかし、少女に焦らという感情は見えない。


少女はゆっくりと振り返りながら、その銃を剣で切り裂き、そのまま剣の切っ先を大人達の喉元へと突きつける。


2人目の敗北・・・それが意味する事それ即ち、少女の勝利である。


しかし、少女にとってこの程度の事は朝飯前である・・・ その勝利に酔いしれる事なくゆっくりと剣をしまう。


「いや〜、強い!我々教師2人がかりでも手も足も出ませんでしたよ!」


「流石は我が校『異形者ハンター部』エースの×××××さん、素晴らしいです!」


大人達はそう言うと、拍手をしながら少女に対して賛辞の言葉を送る。


異形者ハンター部・・・


それは文字通り異形者を倒す為の部活である。


異形者になる人々が増加している昨今、異形者に遭遇する確率も比例していく中で子供の生存率を少しでも上げようと、国が設立させた部活の1つである。


しかし、ここで間違って認識してはいけない事が一つ・・・


それは『戦闘を推奨しているわけではない』という事である。


異形者と戦闘する事は例え、最弱と呼ばれている個体『ヒト型かつSecure』であったとしても、並の大人・・・ハンターであれば殺されかねない。



※異形者のtype及びclassは『異形者報告書』より参照



ましてや、それを中学生などの子供では決して推奨される事ではない。


国が推奨しているのはあくまでも『逃亡の為の手段の一つ』に過ぎない。


それを証拠にこの部活は敵・・・いわゆる異形者と遭遇した場合の逃走方法を学ぶ為の部活であり、決して異形者と戦闘する事が目的ではない。


所属している者及び、教師ですら異形者との戦闘になれば即死に等しく、運が良くて手足の損失と同等の傷を負う事になる。


しかし、そんな中でも天才はいつの時代にも存在する・・・その少女は1年で入部して僅か半年で部内最強となり、2年になる頃には他の追随を許す事のない実力となっていた────









































では、何故彼女・・・シェリー(仮)は無名であったのか?


20XH年・・・これより9年前、アルバートがその実力によりオルフィスによりEF協会へとスカウトされた。


20XJ年・・・これより7年前、ιがその類い稀な才能の頭脳によりセフィラによってスカウトされた。


以上の事例からシェリー(仮)がスカウトされてもおかしくはない。


しかし、シェリー(仮)にはそのような話は一切存在しなかった。


実力不足が原因なのか?


いや、原因はシェリー(仮)の親含めて先生が彼女を異形者と戦わせまいとしたからだ。


彼女を生と死が隣り合わせな世界へと行かせまいという皆の想いが、シェリー(仮)を死地から遠ざけていた。


シェリー(仮)自身も別に異形者の討伐者になりたいなどと思ってはなく、ただただ姉の為に強くなっているだけなのだ。


それを知っているからこそ、周りの大人達は彼女を決して戦場に立たせる事なく、今日もただ平凡な日常を送らせる事しかできなかったのだ。









































「────ほう、中々良い大人達に出会えているではないか」


「まぁ・・・確かにそうね。今思えば、大人達には良くしてもらっていたわね・・・忘れてたわ」


シェリー(仮)がそう何かを思い出すかのようにしみじみと呟く・・・


「このまま平穏な日々が過ぎると思ってたけど・・・現実っていうのは非常ね」









































「───なあ!あの2組の×××××、綺麗だよなー告ろうかな」


「あー、止めとけ。確かに顔は良いけど・・・性格がアレだ。何言っても何聞いても無視」


「そう、それに性格に難ありなのに何故か成績だけは良いってのが更にイラつくんだよね」


「えー、マジ?」


「本当だぜ・・・顔がちょっと良いからって調子に乗ってるよな。何様のつもりなんだか────」


「私の妹が何ですって?」


陰口を言っていた男子生徒の背後に1人の女性が仁王立ちして3人を睨みつける。


シェリー(仮)の姉だ・・・今は、教員実習生としてこの学校に赴任している。


その姉の表情は笑っているが、その目は笑っていない・・・ 男子達は突然現れた事に少し怖気付きながらも反論する。


「×××××先生でしたか!い、いや〜、失礼しました!で、でも!妹さんの態度もどうかと思いませんか!」


「確かに!あの態度は舐めてるとしか思えませんよ!」


しかし、その態度すらも気に入らなかったのか、3人にデコピンを喰らわす。


「次、私の妹の悪口言ったら、もっと怒るよ!」


シェリー(仮)の姉はそう告げると、そのまま3人に背を向けて歩き始める。


その背に男子達は何も言えず、ただ呆然とする・・・が、


「・・・先生、綺麗だなぁ」


「おっと、お前は妹だろ?俺達の許可無く、先生に惚れるのは許さないぜ」


「そうだそうだ!妹にしとけ!」


「いや、これは惚れたわ・・・お姉様って呼ぶしかねーな」


そう、男子達はシェリー(仮)の姉に見惚れていた・・・









































「・・・殺そうかしら?」


「ちょっと、×××××!?いくら悪口言われたからって殺すのはダメよ!そんな事はお姉さんが許しません!」


「いや・・・そっちに怒ってるんじゃなくて・・・いや、お姉ちゃんは知らなくてもいいわね」


「何々〜?お姉ちゃんに隠し事〜?いけないよ〜?私に隠し事は〜!言いなさいな!お姉ちゃんに曝け出しちゃいなさいな!」


シェリー(仮)の姉がそう言うと、シェリーの脇をくすぐり出す。


「ほれほれー!白状しろー!」


「ちょっ、止め、止めて///お姉ちゃん///分かった、言う、言うから///くすぐるの止めて///」


「こう言う時は止めてじゃなくて、『止めて下さい、お姉様』って言うのが正解────」


「怒るわよ」


「止めます、直ぐに止めます!」


言うや否や直ぐに手を止め、シュバっとシェリー(仮)から離れる姉。


その動きには一切の無駄が存在しない・・・それは一朝一夕で出来る動きではない。


即ち、何度もシェリー(仮)を揶揄っている証拠でもある。


「本当・・・お姉ちゃん、ここ学校・・・っていうか、お姉ちゃん今、実習生でしょ?サボって大丈夫なの?」


「いや〜、ごめんごめん!つい×××××を揶揄いたくなってね〜!」


「・・・・・・」


白い目を向けるシェリー(仮)・・・肌寒い空気を醸し出す。


「ごめんって、×××××〜!おもちゃ買ってあげるから〜!」


「・・・・・・」


更に白い目を向けるシェリー(仮)・・・凍える空気を醸し出す。


「冗談だよ〜!もーう、×××××は冗談通じないなぁ〜」


「私くらいよ、これで怒らないのは」


「他の人だったら?」


「一発ね」


「うん!・・・うん?・・・う〜ん、何が?」


「拳」


「拳!?」


まさかの言葉に戸惑いを感じている姉・・・それを見て、微笑むシェリー(仮)。


いつものように2人は楽しみながら話していたが、次の瞬間・・・平和が瓦解する。


「いた!2人共いた!」


「どうしたんですか?そんなに慌てて」


「今すぐ帰りなさい!2人共!貴女達の両親が・・・両親が事故に遭ったそうだ!」









































「「え?」」


次回投稿は来週の金曜日になります。

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ありがとうございます!

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