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第135話 邪神VS邪神 ② 〜大いなる邪神化〜

明日はバリアント2周年!


といっても何もやる事はないのですが・・・


普通に戦えばニャルラの方が強い事は明らかな事実・・・


それは力の差は言うまでもなく・・・圧倒的な練度の差!


潜り抜けてきた修羅場からの経験の差を覆す事など、今のシェリー(仮)に出来る筈がない。


打ち合い続ければ、必ず先に疲弊するのはシェリー(仮)なのだ。


それを感じた瞬間、シェリー(仮)はすぐさまニャルラから距離を取る・・・が、ニャルラもそれを追う様に距離を詰める。


その距離約50cm・・・


それを目視したや否や、シェリー(仮)は手元の剣を解除する。


そして、再び生成させる・・・今度は2本の剣を・・・当然、100%のポテンシャルを秘めている。


その時間僅か0.5秒・・・


しかし、それはニャルラ自身が既に読んでいた行動だ。


即座にシェリー(仮)から距離を・・・1m離れる。


「(おいおい、私に二度そんな攻撃は通じない────)」


ゾブッ!!!


再び斬り裂かれる肉体・・・そして、鮮血・・・


それがニャルラの目に映る。


「な・・・に?」


潜り抜けてきた修羅場からの経験の差を覆す事など、今のシェリー(仮)に出来る筈がない。


『誤算があるとするならば────


 ニャルラの経験覆す、圧倒的な成長速度───』


「(嘘!?・・・射程距離範囲外に出た筈・・・何故まだ100%を出せる!)」


生成地点から半径約2m、通常なら能力が落ちるライン・・・も関わらず、ニャルラの肉体を斬り裂く一撃を与えるシェリー(仮)。


シェリー(仮)は成長している・・・


圧倒的な経験の差から生じる実力差をニャルラとの闘いで著しく成長し、ポテンシャルラインを半径4mまで伸ばしたのだ!


斬り付けられたニャルラは即座に距離を取るが、それを追うようにシェリー(仮)は距離を詰める。


その時間僅か・・・ だが・・・


「(まだ間に合う!)」


ニャルラは瞬時にグングニルに力を込め、構えを取る。


そして、シェリー(仮)との距離残り1mで力を一気に解放させる!


グングニルは紅い閃光を纏い一直線にシェリー(仮)の胸部へ一直線に突き進む!


だが、その攻撃は先程のと比べると格段に威力が落ちている。


言うまでもなく、力を十分に込まれていないからだ。


それでも、その一撃はシェリー(仮)のニャルラに近づこうとする意思を瞬時に断ち切らせる事は可能だった。


シェリー(仮)は紅い閃光を2本の剣を使い、軌道を変え、彼方の方向へと弾く。


しかし、その弾き返されたグングニルの一撃は軌道を変えても尚、威力が弱まる事はなく、壁に衝突し・・・


ドゴォォォォォォン!! !


爆発音が鳴り響く。


「(・・・今のを弾くか・・・まっ、当たり前っちゃ当たり前か)」


そして、その攻撃により発生した煙がシェリー(仮)の姿を包み隠す。


そう、ニャルラは弾かれる事さて読んでいた・・・ニャルラの真の目的は一つ、シェリーの視界を奪う為だ。


以前に邪神型には邪眼という能力があり、視界を奪う行為は無意味だと説明はした。


しかしながら、それは邪眼を発動できればの話だ。


言うまでもなく、シェリー(仮)は異形者に先程成ったばかり・・・発動方法は疎か、その存在自体知らないのだ。


故に視界を奪われたシェリー(仮)は辺り一面を見渡しながら、ただ困惑する事しかできない。


その隙をニャルラが逃す筈もなく、気配を断ちながら、一気に距離を詰める・・・


そして・・・


ドバンッ!!!


シェリー(仮)の右腕全てを消し飛ばし、その衝撃でシェリー(仮)を壁へと弾き飛ばした。


「(右腕破壊してごめーん!でも邪神型だから、ほっといたら再生するから許してニャ)」


腕を吹き飛ばされたシェリー(仮)はゆっくりと立ち上がる・・・だが、その姿は先程とは打って変わり、覇気がない。


それを裏付けるようにシェリー(仮)の全身は震えている。


意識がない故に痛みを感じないとはいえ、自分の身体の一部分が完全に吹き飛んだのだ・・・本能的に恐怖しているのだろう。





確かにシェリー(仮)の成長速度は凄まじいものだ。


人間の時よりも勿論、ニャルラと二度目の邂逅した時よりも遥かに成長している。


それは誰が見ても明白、この短期間で邪神型とはいえ、凄まじいものを感じされる。


だが、シェリー(仮)には圧倒的に経験が足りない。


圧倒的に異形者での・・・邪神型での実戦が足りない。


気迫は凄まじく、それはニャルラでさえも圧倒させるモノがある。


それは恐らく人間の時に、暗殺者として何度も死と隣り合わせの闘いを潜り抜けてきた事・・・彼女自身闘いにおいて天性がある事からだろう。


そして、その経験が今現在でも発揮されているのだ。


しかし、それはシェリー(仮)が人間であった時の感覚なのだ。


言うまでもなく、現在の彼女は異形者、しかも邪神型・・・人間時代の感覚で闘いを続けていても、闘いに差異が生じ始める。


そして、その差異は次第に大きくなり、最終的に自身を傷つけてしまう・・・先のニャルラの一撃がまさにそれだ。


シェリー(仮)は視界の端で煙の僅かな変化を察知する事ができていた。


しかしながら、肉体が動けなかった・・・否、動かなかったのだ。


頭では回避までとは言わずとも、ダメージを抑える事ができていた・・・しかしながら、肉体がそれに反応できなかったのだ。


今のそんな状態でニャルラに勝てるのか?


答えは勿論 NO だ。


いや、仮に肉体が呼応する動きがシェリー(仮)にできていたとしてもニャルラに勝つ事はできない。


何故か・・・それは既に答えは出ている。


何度も言うが、結局その答えに辿り着く。


『経験』が足りないのだ。


今のシェリー(仮)はそれが限界なのだから・・・


だが・・・










































シェリー(仮)はその限界すら越えようとしているのか?










































「(・・・何?さっきよりも更に空気が重く、暗くなった?一体何が?)」


まるで冷気が蔓延るかのように辺りは冷たくなっていく。


空気はより重く、より冷たく、より暗く・・・それに合わせシェリー(仮)の肉体がゆっくりと突如現れた闇に包み込まれていく。


そして・・・


ゾクッ!


ニャルラにとてつもない悪寒が走る。


それはまるで死が目の前にゆっくりと迫ってきているような感覚・・・ そして、その感覚の根源が顕現される。


シェリー(仮)を包んでいた闇が消えた、そこには────










































「────ッ!」


ニャルラはその姿を視認した瞬間に思考が停止し、ある言葉が生成される。


『勝テナイ、逃ゲレナイ・・・ナラ、死ノウ』


その瞬間、ニャルラは持っていたグングニルを己に向け、そのまま腹を貫─────










































パチンッ!


「(何考えてるんだ!一旦落ち着け!)」


頬を叩き、停止していた思考を再び動かす。


その瞬間に先程まで抱いていた恐怖心が消える。


「(何だ?今のは?まるで精神を上書きされたかのように感じられた恐怖は・・・精神攻撃の互いか?いや、何にしても危なかった)」


ニャルラはすんでの所で正気に戻る・・・あのまま貫いていたら、死んでいた。


「(さて!中々の攻撃を仕掛けてくるじゃないか・・・にしても、)」


ニャルラはそう考えながら、もう一度シェリー(仮)の姿を視認した。


左半身は今までのシェリー(仮)の姿をしているが、右半身は完全に化け物の姿をしていた。


ヒゲのような触手が蠢くタコに似た頭部、肩には蝙蝠に似た翼・・・


肩辺りに紅い閃光を放つ目玉が3つ・・・そこから下の腕は左腕と同じ長さだが、青色の鉤爪のある腕。


脚は無数の触手が蠢き、腕と同様に爪が生え出ている。


そして、半身が全て青緑色の鱗あるいはゴム状のコブに覆われているのだ。


「(まさか、邪神化できるとはね)」




邪神化とは邪神型が邪神型と呼ばれる由縁に成った能力だ。


邪神化は己の肉体を人間の姿から化け物の姿へと変貌させる事で肉体、パワー、スピード等が格段に向上する。


ただし、この状態は暴走状態と言っても過言ではなく、制御する事が極めて困難な状態なのだ。


例えるなら、一歩間違えると己を含め周囲が焦土と化す可能性のある爆弾・・・


シェリー(仮)はニャルラを・・・否、目の前にいる敵を殺す為にこのカードを切ってきた。


それを瞬時に判断したニャルラは冷や汗を流さと共に称賛する。




「(意識がなくとも、その技は危険である事は感じる筈・・・にも関わらず、迷わず切ってくる・・・まぁ、今の彼女の精神状態を察するに自分の事なんてどうでもいいと考えていると思うけど)」


ニャルラは槍を握り締める・・・そして、ゆっくりと呼吸を整えていく。


対するシェリー(仮)はその化け物と化した右半身の背中から触手を6本展開する。


そして、虚空から生成されるは1本・・・2本・・・3本・・・4本・・・6本・・・7本・・・8本・・・8本の剣!


その全てを2本の腕と6本の触手を掴む。


「(なるほど、8本ね・・・っていうか、進化したって事は100%ポテンシャル距離も更に長くなったって事でしょ?)・・・少しヤバいかも」


ニャルラの小さな呟きの後、両者同時に動き出す。


シェリー(仮)はその翼で空を舞い、ニャルラを翻弄する・・・


それは先程の時より速く、より立体的で、より予測のできない動きをしていた。


通常なら目で追うことなど不可能・・・


だが・・・


「(見えてるニャ!)」


ニャルラはそのスピード全てを追う事ができ、カウンターの構えを取っていた。


しかし、己のスピードが見える事など予想の範囲内と言わんばかりに、シェリー(仮)は剣を3本ニャルラに向けて投擲し、三方向からニャルラを捉える。


それを察知していたニャルラは槍を横薙ぎに振り、その剣全てを弾き飛ばす・・・


「(私とシェリー(仮)ちゃんとの距離は目測約8m・・・つまり、ポテンシャル距離は半径8mと考えるのが妥当!)」


シェリー(仮)は弾かれる事が分かっていたように、更に3本の剣をニャルラに投擲し、再び8本生成させた。


「(近づいてこない・・・カウンターは読まれてたか・・・さて、じゃあ相手はどう攻めて来────)」


ギィィィィィィィン!!!


まるで巨大な弾丸のような何かが超高速でニャルラの肉体を貫く一撃が繰り出された。


「(何・・・これは!)」


その一撃は触手が持つ6本の剣が超高速で回転し、シェリー(仮)の周囲を防御壁のように覆う。


目でシェリー(仮)の動きを捉えていたニャルラであってもこの動作は捉える事ができなかった。


しかしながら、ニャルラはその圧倒的な反応速度でその高速回転する剣を受け止める事ができた・・・


しかし、


「(回転のエネルギーが相まって一撃が重い!)」


ニャルラでさて滅多に受ける事のない重い6本の剣はニャルラの神経を一瞬防御へと誘導させた。










































剣は計8本生成している。


「(しまった!)」


ニャルラがその事実を思い出したが、遅い・・


既に残り2本の剣はグングニルを超え、ニャルラを仕留める渾身の一撃が襲い掛かる!


ザシュッ!!!


2本の剣をその身に受け、三度血飛沫が舞う。


・・・が、ニャルラは怯まなかった。


「(避けれないなら・・・受ければ良い!)」


まさに『肉を切らせて骨を断つ』!


一つ間違えれば己の命すら厭わないハイリスクな行動・・・しかし、ニャルラには確固たる自信がそこに存在した。


自分はこの攻撃を受けても絶対に死なないという絶対的な自信が背負うであろうリスクを限りなくゼロにした。


そして、リスクを背負った分、リターンは大きいモノ・・・


一撃を与えたシェリー(仮)もまた攻撃を与えた後にくる一瞬の緩みが生じる。


その緩みが最大のリターン()


ニャルラはシェリー(仮)に受けた攻撃の分のエネルギーをこの一撃に込める!


ガァァァァァァン!!!


その威力は凄まじく、シェリー(仮)の防御壁となっていた剣は粉々に粉砕され、肉体的ダメージのかなりのモノだ。


シェリー(仮)は後ろに弾き飛ばされ、壁へと叩きつけられた・・・だが、数秒後シェリーは再び起き上がる。


その様子を見てニャルラの表情が曇る。


「(今の一撃でも気絶には至らないか・・・不味いな、結構力入れたんだけど・・・これ以上だとシェリー(仮)ちゃんの身体を粉砕してしまうし・・・)う〜ん・・・どうしよう!」


シェリー(仮)が再び剣を生成し、剣を高速回転させた・・・


その瞬間・・・










































ドバァァァァァン!!!










































けたたましい銃声が響き渡る。


放たれた弾丸は高速回転する剣の僅かな間を抜け、シェリー(仮)の肉体を容易を貫いた。


音源の元・・・ニャルラは視線をやると銀色の装飾銃が一つ。


「・・・随分と苦戦しているようだな?ニャルラ」


「アザート君!良い時に来たね!」


主人公登場!


次回投稿は金曜日になります。


ブクマ登録をしてくれた方、評価をしてくれた方、モチベーションに繋がってます、本当に嬉しさと感謝でいっぱいです!ありがとうございます!

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