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第130話 身体を貫かれるか、首を落とされるか、銃殺か

年内最後の投稿・・・

来年もよろしくお願いします!


0時


シェリー(仮)がいる黒い館


その場所にニャルラ達は向かう・・・


深夜0時にしたのは近隣住民への配慮と目撃者を少しでも減らす為だ。


しかしながら、睡眠の妨害になるのではないか?


・・・という疑問も残らなくはないと思われるかもしれないが、それは・・・各々近隣住民の努力次第・・・といったところだ。


「────あれ・・・ですかね、シェリー(仮)さんがいる館は・・・」


「ほーう、随分とまぁ・・・あれだね、こんな普通の市街地にポツンと敵の本拠地があるなんて思いもよらなんだよ・・・灯台下暗し〜ってやつかニャ?」


アジトから歩き出して、1時間・・・件の館へと辿り着いたニャルラ達。


そして、目の前に佇む館は深夜という事も相まってただならぬ雰囲気を醸し出している。


「さて、毎度のように聞くけど・・・どうやって侵入する?・・・ってか、昼間アザート君はどうやって侵入したの?」


「昼間は・・・あの壁を乗り換えて侵入したな・・・誰にも気付かれずに」


「ほぇ〜、あのアザート君が静かに侵入ねぇ〜・・・意外以外の言葉が出てこないニャ〜」


「殺しに来たのでもないのにわざわざ派手に侵入する馬鹿はいない」


そんな馬鹿が目の前にいるんだよなぁ


ニャルラとヨグはそんな言葉が喉の奥まで出かかったが、すんでの所で飲み込む。


「・・・じゃあ、今回はやっぱアレだよね!」


「アレしかないな」


「えぇ・・・やっぱりアレになるんですか」


「おいおいおい、ヨグ君?何を弱気な声を出しているのかな?これは様式美ってやつだニャ〜私達にとっての・・・ね!」


「は・・・はぁ・・・」


ヨグは納得がいっていない様子なのだが、別に作戦そのものに納得いってない訳ではない。


ニャルラの言う通り自分もアレしか思い浮かばないのもまた事実。


納得がいかないのは、自分もその野蛮な侵入方法を思い浮かんでしまった己自身に納得がいってないのだ。


「それじゃあ・・・行くよ!」


そんなヨグだが、ニャルラの掛け声に覚悟を決めて後へと続くのであった。



「・・・はぁ」


シェリー(仮)はパソコンの前に座って、ただ電源が消えた画面に映る己の姿を見つめていた。

 

「(一体、私は何をしているのだろう・・・)」


シェリー(仮)は頭を抱える・・・ここ数年、全くと言っていい程何も進展しないこの現状に。


姉を助け出す算段も無く、ただ流されるようにオベロンの命令に従う毎日を過ごしている。


逆に命令された研究は着々と進展していく・・・まるで自分の今のこの現状を嘲笑うかのように何の障害もなく進み続ける。


この研究が一体何に活用されるのか・・・シェリー(仮)自身には知らされていないが、分かっている。


しかし、それが人類にとって凶悪な薬を作っているという事実であろうが、シェリー(仮)には別にどうでもいい事だった。


姉さえ助かればどうでもいいのだ・・・どうせ、自分はもう既に戻れないところまで来てしまっているのだから・・・と。










































己が『気持ちの悪い生物』である事を知っているのだから・・・










































「(お姉ちゃん・・・)」


そんな時、突然部屋に内蔵されているスピーカーから焦りを剥き出しにした声が聞こえてきた。





『緊急!緊急!緊急!!!こちら正門前!何者かが館に侵────ッ』


『バケモノだ!!!バケモノだ!!!バケモノだ!!!』


『嫌だ!嫌だ嫌だ!!!助けてくれ!!!応援を!!!応援を!!!応援────ッ』





「─────ッ!」



再び館正門


「な・・・何だ?・・・何なんだコイツ等!?バケモノか!?」


黒服達は目の前に広がる地獄のような光景に驚愕する・・・


侵入者はたったの3人・・・内2人は女であろう。


しかしながら、その者達は一瞬でこの場を地獄へと変えた。


血飛沫が舞う、黒服が次々に鮮血の色へと変色していく・・・断末魔の声が響く、断末魔の悲鳴が聞響き渡る・・・ 肉片が転がる音が聞こえる・・・ 黒服達は理解してしまった。


今自分達の目の前に居るバケモノは自分達など歯牙にもかけない正真正銘のバケモノであると。


そして、バケモノ達は・・・ニャルラ達は・・・笑う・・・ただただ笑う・・・


「ニャハハハハハ!随分と弱いね、脆いね、壊れやすいね・・・シェリー(仮)ちゃんが所属している組織だから少しは手応えがあると思ったけど・・・正直、肩透かしって感じだニャ〜」


「・・・一応聞きますけど、ちゃんと手加減しているんですよね?どう見てもオーバーキルに見えますけど・・・」


「お前が言えた事か・・・いくつ首切り落としたんだ?」


ニャルラ達の足元には見るも無残な光景が広がっている・・・


突き破られた死体、首切り落とされた死体、そして、撃ち抜かれた死体・・・地面に横たわる黒服の死体の数々により血の海が広がっている・・・


「くッ・・・数で攻めろ!相手はたかが3人だ!」


そんな黒服のリーダーらしき人物の声に、恐怖で固まっていた周りの黒服達が一斉に攻撃を仕掛けてくる。


ある者は拳銃を発砲しながら、ある者はナイフを突き出して迫り来る者達・・・


そんな者達を見ても余裕な表情を浮かべるニャルラ、ヨグ・・・そして、アザート。


3人は迫り来る銃弾を避けようともせずに、そのまま突っ込む。


「バカめ!死ねぇ!!」


ドバァァーン!!!


ドバァァーン!!!


ドバァァーン!!!


黒服が叫ぶと同時に、四方八方から発砲音が鳴り響く・・・










































が、しかし・・・


「おいおい、何だい、今のは?パフォーマンスか何かかニャ?」


そんな声が聞こえたと同時に、黒服達は次々と倒れていく・・・


3人が無傷のまま立っている事を確認する前に死んでいく・・・










































そして、沈黙が流れ出る。


「・・・終わり?・・・うーん?お世辞にも強いと言えないような連中だったニャ〜・・・まぁ、まだこの場所は館の庭だからね・・・館の内部に入ったら敵も超強くなる事に期待しようではないかニャ!」


ニャルラは黒服の死体を蹴り飛ばしながらそんな事を言う。


「そ、そうですね・・・」


ヨグもそんなニャルラの意見に賛同するように頷く。


「では、入るぞ・・・女のいる部屋はこっちだ」


そして、3人は館の庭を抜け、昼間アザートが入っていったドアから内部へと侵入する。


「・・・で、シェリー(仮)ちゃんは何階にいるのかニャ?」


ニャルラの質問に対しアザートは手元にある地図を見ながら答える。


「此処だ・・・此処があの女の部屋だ・・・が、この女の部屋に行く前にまずは────」


「あら、私へ会いに行かずに何処へ向かうのかしら?」


不意に聞こえてきたその声にニャルラ、ヨグ、アザートは身構える。


「数時間ぶりね・・・アザート」


暗闇から現れたのはシェリー(仮)だった。


そんなシェリー(仮)の姿を見てニャルラは何やら驚愕している様子であった。


「・・・あ・・・アレが!?・・・あれがそうなの!?」


「あぁ」


「・・・え!良いじゃん!凄く良いじゃん!クール系美人って言うんじゃない?まさにシェリーじゃん!シェリーがいるじゃん!おーい!シェリー(仮)ちゃ〜ん!」


そんな興奮状態のニャルラに顔を引き攣らせるシェリー(仮)であるが、瞬時に顔を引き締める。


「・・・あなた達はどうして此処に?」


「それは勿論!シェリー(仮)ちゃん!君を仲間にする為だニャ〜!」


「・・・彼にも言った筈よ、私はあなた達の仲間になる気は無いって」


「そんな事言って〜・・・本当は仲間になりたい癖に〜・・・」


「もう一度言うわ・・・あなた達の仲間になる気は無いわ」


「はいはい、分かったニャ〜」


ニャルラの発言をシェリー(仮)は一蹴する・・・が、それでもなお食い下がらない様子のニャルラを見て、シェリー(仮)は呆れていると・・・


「×××××!此処にいたか!侵入者がこの館に・・・って此処にいるのか!?」


ブランド物を身に纏う中年男が現れた・・・オベロンである。


「うん!?あの3人は・・・『バリアント』!?遂に儂を追って此処を嗅ぎつけて来たわけか!」


「・・・いや、全然・・・ってか誰?」


ニャルラは困惑の声を上げる。


しかしながら、オベロンはその声には聞いていないようで、話し続ける。


「フフフフフ!儂も遂に貴様ら世界機関に狙われる男となった訳か・・・ワハハハハ!!!」


「・・・アザート君、何コイツ?」


「恐らく・・・この組織のトップだろう」


「え!?徘徊老人じゃなくて!?」


「静かにしろ、貴様ら!」


アザートの予想を聞いて、驚きを隠せない様子のニャルラだったが、オベロンは3人の会話に割り込みを入れる。


「フン!愚か者どもめ!儂こそがこの組織のボスであり!世界機関にとって危険分子であるオベロン・テスタロッタだ!」


「「「・・・」」」


「(決まった・・・!)」


ドヤ顔を放つオベロンに対し、アザート達3人はそれを無視して、武器を構えている・・・そんな様子など気がつく事なく、オベロンは嗤う。


「ククククク、×××××!アレが『バリアント』だ・・・奴等には一切の容赦がなく、目的遂行の為には手段を選ばない連中だ!貴様には奴らの始末を任せる・・・できるな?」


「・・・はい」


「安心しろ、×××××。お前の姉の命は儂が保障しよう・・・では、生きてたら、また会おう」


そして、オベロンはニャルラ達の横を通り過ぎて館の内部へと向かっていく。


「あ!ちょっ!逃げるのかニャ!?待っ────」


「行かせないわよ」


「・・・シェリー(仮)ちゃん・・・本気で言ってるの?あの男は君を利用してるだ─────」


「分かってるわ!!!そんな事!!」


ニャルラの言葉を遮り大声を上げるシェリー(仮)・・・それはまるで鬼気迫る表情をしている。


「分かってる・・・あの男がクズである事は・・・あの男が利用してるだけだという事も・・・分かってる・・・でも・・・でも・・・










































でも!!!血反吐吐いたって、這いつくばったって、泥水啜ってて・・・お姉ちゃんを助ける!!!それが私の生きる価値よ!!!」


「・・・それが君の覚悟・・・なのかニャ?」


「ええ、そうよ」


間髪入れずに答えるシェリー(仮)にニャルラは笑う。


「・・・ニャラララ!良いね君、凄く良いね。ますます気に入ったニャ。シェリー(仮)ちゃん・・・君を必ず・・・仲間にする!」


次回投稿は未定です。

年始は忙しいので投稿ができないかも・・・

決まり次第ここに加筆致します。

ブクマ登録をしてくれた方、評価をしてくれた方、そして、読んでくれている方、モチベーションに繋がってます、本当に嬉しさと感謝でいっぱいです!

ありがとうございます!


次回更新は24日の水曜日になります。

随分と間が空いてしまい申し訳ありません。

それでは、また・・・

               更新日時 1月8日 17時

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