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第126話 仲間にしよう!

アルバートを知らない方はいないと思いますが、一応


『3章 対異形の切り札』より参照


まぁ、『めっちゃ強い人間』って事だけ分かってればOK!


◾️20XH年 6月 異形者報告書


────13日


アメリカ合衆国 ×××××州に存在する×××××中学校にて異形者が目撃される。


そのモノは人間の姿をしておらず、獣のような姿と呻き声が確認されたと通報あり。


typeは獣型であると判断。


さらに近隣住民から校内から、


断末魔の叫び声が絶えず響き渡っている、


校舎のガラスが赫赫と染められている、


その隙間を双眼鏡等で覗くと、血塗られた大きな肉塊が多数発見、


といった情報が集められた。


その事から危険度はObscure〜Perilクラスであると判断。


すぐさま『EF協会』最高戦力・オルフィスと残り数名のチームが現場に急行。


その際、『国境騎士団・バリアント』率いるニャルラにも召集命令が下された。


予断を許さない状況かに思えたが、現場は静かであった・・・


まるで嵐が過ぎ去ったかのように空気が澄んでおり、異形者は既に生命活動が停止している状況であった。


現場にいた者達は口々にこう言ったそうだ・・・


天才を見た・・・と、


その天才は後に『アルバート』と呼ばれる─────











































宙に舞うモノは腕だった・・・


それは紛れもなくアザートの両腕だった・・・


「な・・・んだと・・・」


アザートは腕が切り落とされた事に驚愕する。


当然だ・・・通常なら絶対に起こり得ない事象がアザートを襲っているのだから・・・


ただの鉄の塊が異形者である・・・邪神型であるアザートの両腕をいとも容易く切り落としたのだから・・・


そんなアザートの表情を見てか、女はニヤリと笑みを浮かる。


「あら?さっきまでの余裕そうな表情は何処へいったのかしら?さっきまでの威勢はどうしたのかしら?」


アザートは腕を切られた痛みなど感じていはいない・・・ それよりも、この状況が何を意味しているのか思考を巡らせていた。


そして・・・理解した。


「・・・人間にしてはやる女だとは思っていたが・・・まさか、アルバートと同じとはな」


「何かブツブツ話してるようだけど、無駄よ」


女は剣先を再び、アザートに向けると再度攻撃を繰り出す・・・


それは先程の攻撃とはスピードが桁違いだ。


アザートもその斬撃を回避するが、少しずつ切り傷が身体を蝕む。


「(なるほど・・・これは、中々)」


回避しながらアザートは切られた腕を見る。


切り傷は徐々に再生していくが、それにしても何という威力・・・これが人間の力なのかとアザートは感心する。


「(この俺に傷を付けるか・・・総合力で言えば、アルバートの方が上だが────)」


ブツンッ!


女の剣が遂にアザートを首切り落とす。


しかしながら、女の顔は晴れることはない。


何故ならば女はアザートの事を知っていた・・・


知っている者ならば、この後何が起こるか分かっているからだ・・・


断面から血飛沫が勢いよく飛び出す・・・が、瞬時にその血が黒々のした色に染まり、首と肉体が同化する。


それが意味することすなわち、肉体の再生・・・斬り落とされた首を及び両腕が再構築された。










































「(────恐らく、剣術だけならアルバートよりも上)」


アザートはそんな思考をしながらニヤリと笑みを浮かべる・・・が、それとは逆に白衣の女はうんざりといった表情を見せる。


「・・・本当に再生するのね。首を切り離しても生きてるなんて・・・科学者の観点から見るならとても面白いけど、殺し屋からだととても面倒くさいわね」


「ほう・・・お前、科学者なのか?」


「あら、見て分からないかしら?」


女はそう言うと、白衣をバサァッとなびかせる。


「まぁ、そんな事よりもう止めにしないかしら?私この後用事があるのよね」


「お前から攻撃しておいてよく言えるな」


「目撃者殺すのは暗殺者の常識・・・そうでしょう?けれど、あなた想像以上に面倒だから止めとくわ」


女は剣を鞘に納め、先程迄の鋭い目付きとはうって変わり、何処か優しい目をしていた。


「俺が見逃すとでも?」


「見逃さない事が出来るかしら?」


女がそう言うと、背後から騒がしい声が聞こえてくる。



「ダイアー様が殺されたという情報が!」


「馬鹿な!ダイアー様が殺される訳が!」


「ダイアー様ァァァ!!!」



声から発するにダイアーの護衛達であろう・・・ダイアーが死んだ事を聞かされたようだ。


「さて、逃げないとあなたが疑われるわよ?」


女はそう言いつつ、窓を開けるとそこから飛び降り姿を消した。


アザートは女の後を追いかけようとするが、それは叶わない。


何故なら・・・既に女はそこから姿を消していたのだから・・・


──────


────


──


バリアント・アジト ロンドン


「────おお〜!帰ってきた帰ってきた!お帰り、アザート君!」


「随分と遅かったですね、何かあったんですか?」


アジトに戻ったアザートを出迎えるニャルラとヨグ。


「まぁ、少し面白い奴と会ってな」


「え!?何々!アザート君が面白いって言うなんて・・・もしかして、ダイアー死んじゃったとか?殺したとか?アザート君が殺っちゃったとか?」


「何で意気揚々とそんな事言うんですか?どんなに悪党でも生きてるんですよ・・・簡単に死ぬとか言わないで下さ────」


「ダイアーか?・・・あぁ、死んだな」










































そう言えばそんな奴いたなみたいな口ぶりで話すアザートを見た2人は困惑の表情を見せる。


「え?・・・え?・・・殺しちゃったの?でも、ちゃんと報酬送金されてるし・・・」


「もしかして、アザートさん・・・振り込んだのを確認したや否や・・・『もう貴様は用済みだ』とか言って殺したんですか!?」


「え!?マジで!?・・・まぁ、アザート君ならそんな理不尽やりかねないし・・・」


「馬鹿か、誰が俺が殺した時言った・・・俺ではなく殺し屋だ」


「「殺し屋?・・・アザートさんの事?」」


「違う!」


完全にアザートが殺したと思い込んでいるニャルラとヨグにアザートはパーティーで何が起きたかを説明する。










































「「え・・・嘘」」


────まだ話の途中であるが、2人は信じられないといった表情を浮かべた。


「そんな!アザート君が!あのアザート君が!










































 他人の為に静かに暗殺者を殺した!?」


「あのアザートさんが!あのアザートさんが!?堂々と人を殺さないなんて!!」


「おい・・・」


「これは凄いことだニャ!成長!成長を感じるニャ!」


「ニャルラさん!パーティー開きましょう!アザートさんが常識をまた一つ学んだ記念に!」


「いい加減にしろよ、お前等」


ドバンッドバンッドバンッドバンッ!!!


──────


────


──


「─────で、ダイアーを殺したのはアザート君じゃなくて、『白衣の死神』って女が殺したのかニャ〜、アルバート君も『赫の死神』とか呼ばれてるけど、何で人々は『死神』って呼びたがるのかニャ〜?私には分からんニャ〜」


「分かりやすいからじゃないですかね?『死神』って言えば、危険って瞬時に理解できるじゃないですか」


「あーそう言う事ね・・・まぁ、その白衣ちゃんも『死神(笑)』って呼ばれてるんだから中々強かったんじゃない?」


「中々・・・いや、想像以上に強いぞ?ただの剣で俺の腕と首を斬り落としたからな」


「へぇーそれは中々────










































 マジ?」


まさかの言葉にニャルラは口を開ける。


「え?・・・ただの剣で?・・・ただの鉄の塊の剣で?・・・まっさか〜!そんな事ある訳ないじゃん!いくらアザート君が防御に力入れてないからって、ただの剣で私達に傷を付けるなんて・・・そんな神技できるのなんてアルバート君みたいな一握りの天才だけ────」


ニャルラはそう言い終わる前に口を閉じる。


何故ならアザートの目だ・・・アザートの目が言っている・・・この話は嘘ではない・・・と。


「天才・・・だと?」


「あぁ・・・剣術だけならアルバートを超えるだろうな」


「アルバートさんを超えるんですか!?ちょっ!その話詳しく聞かせて下さいよ!!」


ヨグにせがまれアザートは続きを話した。










































「────ほーう」


話を聞いたヨグは驚き興奮する一方で、ニャルラは意味ありげな笑みを浮かべる。


「何か考えがあるようだな?」


「うん・・・よし!彼女を我らバリアントの仲間になって貰おうじゃないか!という訳で、アザート君!その子の名前は?」


「知らんな」


「名前は大事ですよ、でも『白衣の死神』長いですし・・・ここはカッコよく『X』と呼ぶのはどうでしょう?」


「うーん・・・そうだニャ〜・・・彼女の名前、Xじゃあ味気なくない?・・・よし、彼女の名前は仮に『シェリー』と呼ぼう!」


何故?


アザートとヨグはいきなり意味不明な名前を付け出したニャルラに対して呆気に取られるが、すぐに真意に気が付いた。


ニャルラは今ハマっているアニメに似たような名前のキャラが存在しているのだ。


「おい・・・お前まさか、科学者だからという理由で・・・引っ張られてるんじゃないだろうな?」


「いやいやいや、そんな事ないよ?偶々だよ、偶々。それにアザート君の話から察するに結構似てる気が・・・まぁ、何はともあれアザート君、ヨグ君・・・シェリーを我らバリアントに引き入れるよ!」


次回投稿は来週の金曜日になります。

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