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第123話 Welcome to England!


イギリス(英国)

正式名称:グレートブリテン及び北アイルランド連合王国


面積 243,600km² 人口 6733万 (2021年)


首都ロンドン とある病院の一室


「────いやー、貴方達のお陰でようやくこのマンションにも平穏が訪れましたよ!本当にありがとうございます!」


「いえいえ!これは仕事ですから!そんなに患者される事でもありませんよ!」


「・・・・・・」


アザートとヨグに感謝を述べるはマンションの大家である男・・・


その男は全身包帯まみれであり、側から見ても痛々しさを感じさせられるものであった。


何故こんな姿になってしまったのか?


男曰く、1月前からこのマンションの大家に就任。


しかしながら、このマンションはこの地区では有名な建物であり、何でもある部屋から不定期にバケモノ・・・異形者が出没するらしい。


前の大家は今でも行方不明になっており、その異形者に殺されたのではないかという噂も出てくる程に・・・


男はそんな異形者が住み着くマンションでも、管理を任された身・・・最初は自分自身で異形者を討伐・・・するのは無理でも撃退してやろうと意気込んでいた。


しかし、結果は惨敗。


部屋に足を踏み入れたと同時に4体の異形者が出現・・・


恐怖と驚きにより男は我も忘れて、部屋から飛び出し無我夢中でマンションの外へと逃げようとした・・・その時に運悪く階段から転げ落ちてしまった。


・・・つまりこの傷は異形者からではなく、ただの事故である。


「あはははは・・・今思い出しても何とも情けない・・・異形者共を退治に出向いたのに逆に大怪我・・・しかも、異形者からではなく己の不注意からくる怪我など、他人には話せませんよ」


「はははは・・・そうですね」


「あの・・・所でさっきから気になってるのですが、何故ヨグさんはドアから離されているのでしょうか?」


当然の疑問・・・ヨグは男との会話をベットの前ではなく、出入り口の前から話しているのである。


まぁ、これは言わずもがなヨグが男性恐怖症だから・・・いつもはニャルラがその事についてフォローするが、今はいない。


つまり、アザートがヨグのフォロワーなのだが・・・


「アイツは馬鹿だから、気にするな」


「アザートさん!?流石にそれはフォローになってませんよ!?」


アザートの謎フォロー・・・いや、背後からの射撃によりヨグは見事撃沈・・・


──────


────


──


「─────奴は殺さなくても良かったのか?」


「え?・・・奴って?」


帰り道、アザートはヨグにとある質問を投げかけた。


いきなり意味の分からない質問にヨグは質問をし返す。


「奴とはあの大家の事に決まっているだろう?他に誰がいる」


「えっ!?ちょっ!?何で!?何であの人殺すんですか!?意味分かんないでしょ!?」


「もしかしたら、アイツがあの異形者達を異形化させた張本人かもしれんだろう?」


「あの人の話からするに就任された時から異形者がいたみたいだし・・・多分異形化させたのは前の大家だとおもいますよ」


アザートを宥めるようにヨグは説明する・・・以前、アザートは出会った当初ほど過激ではなくなったと話してはいたが、その考えを改めようか・・・そんな事を考える。


「前か・・・恐らく死んでいるな・・・フン、実につまらん」


「つまらんって・・・っていうか、そもそも何の証拠も無いのに殺しちゃ不味いですよ・・・ニューヨーク出禁になったの忘れたんですか?これ以上は問題起こさないで下さいよ」


「分かっている・・・冗談だ、冗談」


本当に分かっているのか?


ヨグは目を細めてアザートを睨む・・・しかし、アザートはそんな事気にしないと言わんばかりに無視を決め込む。


そんなこんなでアザートとヨグは新たなバリアント・アジトへと辿り着いた。


新たなというのは少し語弊があり、別に新しく出来たアジトという訳ではない。


アザートからすれば新しいアジトであり、ヨグからすれば全くもって新しくも何ともない・・・逆にイギリスにあるこのアジトはあまり出向かない所為で埃かぶっていたのだ。


外観はニューヨークのアジトと同じように雑居ビル・・・と言った方が良いのだろう・・・しかしこちらのアジトは少しヨーロッパ風に見えるのは偶然だろうか?


「ニャルラの奴は何をしているのか?」


「う〜ん、普通に書類仕事しているんじゃないですか?結構ありましたし、あの量が直ぐに終わる筈もないですし・・・でも、サボっている可能性も捨てきれませんね」


「お前がそれを言う辺り、サボっていると見た方がいいな」


そんな会話をしながら遂にニャルラが仕事用に使っている部屋の前へ・・・


耳を澄ましても何も聞こえない・・・これはニャルラが集中して静かである・・・と言う事ではなく、この部屋・・・いや、このビル全体の壁が防音対策してからだ。


以前何処かの国のアジトを作った際、防音対策を何もしなかった所為で、多くのクレームを寄せられたのを学んでニャルラが付けたのだ。


「ニャルラさん、帰りましたよ─────」



『アリバイ、暗号、トリック、取引・・・


 ミステリアスな黒の組織。


 今日は2時間謎解きいっぱい!


 ジ○とウォ○カに接触だ!


 たった一つの真実見抜く


 見た目は子供、頭脳は大人


 その名は名探偵コ○ン!』


♫〜♫〜♫〜


「ん?あっ!お帰り2人とも〜!遅かったねぇ〜!もっと早く帰ってくると思ってたニャ〜!」


扉を開けた目の前にはテレビの前でポップコーンを食べながら寝転がっているニャルラがいた。


その恰好は仕事をしているだとか、休憩をしているだとか、そんな次元ではなく・・・完全に遊び呆けている格好のソレである。


「何だお前は?一体何をしているのだ?」


「え?何って、最近また『名探偵コ○ン』見始めててニャ。ホラ、この回は私の好きなキャラが初登場する回なんだけど・・・」


「別にそんな事は聞いてない。書類仕事はどうしたのか?と、聞いているんだ」


ニャルラの言葉が言い終わる前にアザートは質問を繰り返す。


それを横で見たヨグもこの呆れようである・・・流石にサボっている予感はしていた。


机でスマホを見るや、寝ているとか、だとしたらまだヨグもニャルラを擁護する事は出来たた・・・


しかしながら、現実はまるで映画でも見ているかのようにポップコーンとコーラを両手に持つニャルラの姿には擁護する気も失せた。


「・・・あ!分かった!そう言う事!そう言う事ね!も〜う!2人ともそう言う事なら早く言ってよ〜!」


ニャルラは唐突に何かを理解したと言わんばかりに立ち上がり、アザートとヨグに近寄る。


しかし、その直後・・・


ヨグはニャルラが理解したと言っている事はほぼ100%間違っているであろうと雰囲気が・・・


ニャルラを中心として発散されている事に気付かされる・・・


「(・・・これが)」


ニャルラの発する雰囲気は今の精神状態が容易に汲み取れる位に警戒が無く・・・


「(ニャルラさんの・・・)」


それ故にこれからニャルラが話すであろう内容が途方もなく・・・


想像以上に悪い方向へ進行するであろう事を痛感さぜる得ない・・・


「(いや!大丈夫・・・ニャルラさんはきっと分かってくれてる!僕はニャルラさんを信じ────)」


「ポップコーンが欲しいのなら言ってよ〜!はい!どうぞニャ!」


その信用が崩れ落ちた・・・


──────


────


──


「─────あっ!そうそう今朝アザート君とヨグ君が仕事している時にまた新しい依頼があったよ!」


「え!?本当ですか!?」


「本当本当!ちょっと待ってニャ・・・え〜と、何処に置いたっけ?え〜と・・・此処じゃないし」


「ニャルラさん、食事中に立ち歩くのは行儀が悪いですよ」


ニャルラがそう言ってあるモノを探す為に食事の手を止め、探し始める。


「ゴメンゴメン・・・直ぐ見つかるから・・・でも・・・あっれー?おっかしいニャー?此処に置いてたんだけどニャー?」


「もしかして、コレか?」


「おぉ!それそれ!・・・って何で君が持ってるの!?」


「先程、お前の机を見た時・・・見つけてな」


アザートが持っていたのは『依頼』と書かれた封筒であった。


ニャルラはアザートのそのドロボーじみた行動に少し不信感を募らせるが・・・『まぁ、良いか』と思い直し、それからちょうど全員が食べ終わったタイミングで依頼された内容を話し出した。


「えーと、3日後の午後15時から何かのパーティーが開かれるんだけど・・・そのパーティー会場に出席する『ダイアー』って人が何かと他人から恨まれているだとか・・・だから、その人の護衛をしてくれないかって」


「異形者全く関係無いではないか・・・」


「ニャハハ・・・私も思う」


アザートの冷静な言葉にニャルラも乾いた笑いが漏れる。


「でも、ダイアーって人かなり恨まれてるらしいですよ・・・何やら今の地位まで上り詰めたのは人身売買とか殺しとかで上り詰めたんだとか」


「随分と面白そうな奴だな」


「全然面白くないですよ!ニャルラさん!この依頼は断りましょうよ!悪い奴護衛するなんて・・・」


ヨグはニャルラに説得にかかるが、次の発言で手遅れという事が分かった。


「えぇ〜!だってもう二つ返事で了解しちゃったしー!ホラ!前金でいっぱい金貰っちゃった!」


「何で貰っちゃうんですか!?」


「それに〜ある事すれば成功報酬2倍になるんだって」


「聞きませんよ、そんな話」


「ある事とは?」


「聞くんですか・・・」


聞かないと耳を塞ごうとした時、アザートがニャルラに質問する。


「フッフー!それはねー!










































 暗殺者を逆に殺した場合だって・・・」


──────


────


──


3日後 ×××××ホテル 午後2時45分


「なるほどな、中々の警備体制だ・・・この中に殺し屋がいると・・・確かに面倒だな」


アザートは辺りを見渡しながら殺意を持った奴がいるかをザッと数える・・・


「(1人・・・2人・・・3 4 5・・・本当に恨まれてるみたいだな・・・それにしても)動きにくいなこの格好は」


 * * *


『よし・・・俺がその暗殺者共を纏めて血祭りに上げてやる』


『流石!アザート君!君ならそう言ってくれると信じてた!』


『僕は行きませんよ!』


『分かってる!分かってる!ってか、こういうのはアザート君1人の方がやりやすいでしょ?』


『まぁな・・・では、行ってくる』


時刻は午後2時前・・・今からではまだパーティー開催まで時間は余るが、早く行くのに越した事はないと思ったアザートはいつもの格好で向かおうとするが・・・


『ちょっ!ちょいちょいちょーい!君!もしかしてそんな格好でパーティー参加出来ると思ってんの!?無理だよ!無理無理!せめて正装で行かないと!』


『駄目なのか?』


『駄目に決まってるニャ!君が暗殺者と誤解されるよ!?ほら、邪神型は服を自在に変えれるから・・・正装に・・・え?正装がどんなのか分かんない・・・それくらい自分で調べるニャ!』


 * * *


「(まぁ、動きにくさもハンデという事でいいだろう・・・さてと、暗殺者か・・・鬼が出るか蛇が出るか・・・ククク、楽しみだ)」


次回投稿は来週の金曜日になります。

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