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第117話 あれは予測出来た一手

遂に戦闘開始!


「────貴様が100%負ける」


「・・・・・・」


ベラは何も言えない、何も反論出来ずにいた・・・何故ならアザートの言っている事は全て正しいからだ。


決戦前夜・・・ベラは戦う決心はついた・・・しかし、家族を殺す・・・それが例え人間ではないバケモノであったとしても殺すという覚悟がどうしても出来なかったのだ。


殺さなければならない・・・人間世界の秩序を守る為にも殺さなければならない────


何が人間の為だ・・・人間なんか知らない・・・人間が何人死んでも別に構わない・・・


そう思い家族との戦いでワザと負けて殺させないようにすればいい・・・そう考えた時もあった・・・


しかし、それがベライザ達にバレたとしても何も変わらない事は明らかなのだ。


八百長した事がバレた所で結局ベライザ達は家族を殺す事に変わりはしないのだ。


じゃあ何をすれば良い?


ただ奴等が言った通りに家族を殺せば良いのか?


全員殺す訳じゃないんだ・・・アザートという男の言う通り、数人殺せば良いだけなのだ・・・


しかし、誰を殺すだとか、誰を生かすだとか、何人殺すだとか・・・そんなのは考えたくもない。


例え、1人だけ殺したとして私が殺した事実は変わらないのだ・・・


どっちを選んだとしても家族は死ぬ・・・一見前者より後者の方が大勢が死なずに済むかもしれない。


しかし、命は『数』ではないのだ・・・『数』として数えたくないのだ。


「(だから・・・











































 だから・・・私は・・・私は・・・)











































 100%負ける?笑わせないで頂戴・・・アンタにそれが分かるの?











































 (これは私のエゴかもしれない











































 でも・・・)









































 アンタの吠え面が目に浮かぶわ・・・悪いけど、この勝負











































 (私にみたく・・・











































 3人に絶望的な2択を選ばせない為に・・・)











































 100%私が勝つ!」


「・・・では・・・・・・やってみろ」


アザートとベラの両者は睨み合っている・・・いや、アザートは睨むというより不適な笑みを浮かべ見下ろしてると言った方が良いだろうか。


そんな拮抗状態と言っても差し支えない状況・・・


「おっ待たせ〜!!!悪いねぇ〜2人共〜って、何々!?この一触即発のこの状況は!?」


その雰囲気をかき消した・・・ニャルラである。


「え?ちょっと!アザートさん、止めて下さいよ!?今から戦闘だというのにベラに無駄な体力消費させるのは」


「またベラさんをボゴボゴにしたんですか?」


「していない」


「されてないわ・・・そんな事より、早く戦いましょう!」


アザートとベラは瞬時に答える・・・


「・・・まぁ、いいわ。はい、じゃあこれ」


「これは・・・地図と・・・紙袋?」


「えぇ、地図は城下町の・・・そして、この紙袋は貴女が被るのよ」


「ふーん・・・被っ・・・え?」


唐突に発したベライザの言葉にベラの頭の中は?で埋め尽くされた。


前者の地図は分かる・・・だが、紙袋を被る意味が分からない。


「え・・・何で・・・被る?」


「被らないとアンタだと彼等に一瞬で分かっちゃうじゃない。異形化しても頭は変貌しないんだから」


「あ・・・そうか・・・それもそうね」


「さてと、でもって、決戦は10分後よ。ベラ、貴女は街の外で待機しなさい、10分経ったら戦闘開始よ・・・いいわね」


「・・・・・・はい」


──────


────


──


そして、時間はすぐに進み・・・10分前


「────さてと・・・最終確認だが、俺の出番は後・・・で良いんだよな?」


「そうですよ。貴方は万が一彼女が負けた時の為の保険ですから。まぁ、十中八九貴方の出番はないと思いますが・・・」


既に自分の出番がくると分かっているかのような口調で話すアザートに対して、それは早計だと言わんばかりに答えるベライザ。


「いやぁ〜、分かんないよ?今回は皆んなヤル気満々みたいだし・・・もしかするかもしれないニャ〜」


「確かに・・・出番があるかもしれませんよ?」


「まぁ、G・ティーチもそう思ってるからね・・・何はともあれ、もうすぐ10分が経過するわ。見てみようじゃない?彼等の成果を・・・そして、ベラの成果も」


そう言って、ベライザはモニターに映るベラを見ながら話す。


このモニターは城下町にあるカメラ全てに繋がっており、全ての様子をリアルタイムで観測出来る。


しかし、今は城下町入り口以外のカメラは全て停止されている・・・


それは異形達のリーダーの1人であるナイから『10分間は監視をしない、盗聴もしない』フェアな闘いを望んだからだ。


故にモニターの電源は落としたまま・・・しかし、それも残り数秒・・・


そして・・・


9分50秒


時間は訪れる・・・


9分55秒


闘いの刻は・・・


9分59秒


動き出す・・・


─────10分00秒


モニターが一斉に起動する。


カメラ8を映すモニターに映るは計15人の子供達・・・


入り口のカメラを映していたモニターに映るベラが瞬時に異形の姿と化す。


そして、消えた・・・一瞬にして姿を消した。


「ほニャー、中々早いね」


ニャルラは呟く・・・ニャルラは既に入り口のモニターには目をやっていない・・・否、ニャルラだけでなくアザート、ベライザ、ヨグの3人も既に別のモニターに目を映している。


カメラ1に4秒・・・カメラ2に3秒・・・カメラ3に2秒・・・ベラの速さが増していく・・・


そんなベラから放たれる強烈なオーラが先に届いたのだろう・・・未だその姿を捉えていないが、メイ達の身体は震えていた。


そして・・・メイ達とベラの距離が段々と近づく・・・


100m・・・50m・・・25m・・・


ヤバさを感じているのだろう・・・モニター越しから汗が流れ出ているのが分かる・・・


10m・・・











































─────0


『メェェァェェェェェェ(イ)!!!!!ナァァァァァアァァァァアァァ(イ)!!!!!スゥゥアゥゥアゥゥゥ(ミヤ)!!!!』


けたたましい叫び声を上げるベラ・・・それを前にして、ナイとスミヤは瞬時に異形者から距離を取る・・・が、距離を離さない者が1人・・・


『『メイ!落ち着け!敵から目を逸らすな!!!』』


ナイとスミヤがメイに向けて声を上げる・・・


しかし、思考が停止しているのだろうか?身体が動き出す事は無かった・・・いや、動き出す気配が感じられなかった・・・


『イィィィゥアィァゥウウィィァィ!!!』


ベラは奇声を上げながら6本ある鎌全てをメイに向け、振りかぶる。


怯んでしまっているだろう身体は既に臨戦態勢へと移行する事すら出来ずにいるのだろうか・・・


それ即ち・・・死─────











































“ダァァァァァン!!!”


瞬間・・・計300発を超える銃弾の雨が異形者に向け降り注がれた!


完全にメイ個人に注意を向けられていたベラにとってこの攻撃を避ける事など到底不可能・・・


「あちゃー・・・あれ予想してないの相当キツイニャー」


ニャルラは呆れながらベラが撃ちつけられていくのを見る・・・


そんな中、モニターに映るメイが俯きながらもニヤけながら口が動いているのを捉えた・・・恐らくこう言っているのだろう


『・・・作戦通り』


次回投稿は来週の水曜日になります。

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