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第11話 カニバリズム

今回は、グロ注意です


「だと良いんだがな、ところでさっき電話してたのは誰だ?」


「私の親友です。だったって言った方が正しいかな。明日、人を殺すんだから、私と親友だって思われたら嫌でしょうからね。今頃、クラスの皆に慰められてるんじゃないかな」


蟲惑はまた寂しそうな顔をしたが、すぐに何か思い付いたのか・・・笑顔になった。


「そうだ、お兄ーさんの凶器、教えてよ。私は包丁で殺そうかなと考えているんだけど。こういう時ってお互いの武器知っといた方が良いでしょう」


笑顔で聞いてきた。


アザートはコートの中にある(様に見せかけて生成した)銃を見せた。


「えっ・・・すごっ!・・マジ!?・・・これって装飾銃ってやつだよね!?改めて見ると、黒いコート着てるし・・・まさかお兄ーさん・・・お兄ーさんがあの伝説のブラック○ャッ────」


「うるさいぞ」


しかし、蟲惑はそれを聞かずにマシンガンのように話しかけてくる。


「だって、こんなゴツい銃・・・見たことないですよ。まぁ、銃自体見たことないですけど。名前とかないんですか?やっぱり、ハー○ィスですか?素材もオリハルコン?」


「そんなワケ無いだろう」


アザートは蟲惑の質問をいなしながら立ち上がった。


「どうしたんですか?」


「帰るんだよ。もう五時だからな」


「・・・そうなんですね。で・・・どうするんですか?受けてくれますよね」


「・・・・・・明日、何時に来ればいいんだ?」


「はい!えーと朝九時にチャイムを鳴らしてくれたら、アイツが出る前に私が出るので・・・そこで、林に連れて行きます」


それを聞いた後、アザートは蟲惑の家を後にした。


──────

────

──


「本当にどこに行ってたんだニャ?随分と遅かったじゃニャいか」


ニャルラが問いただす。


「ちょっとな・・・で、明日の飛行機は確か11時だったか?」


「そうだニャ。アメリカに着くと価値観変わるよ。なにせ、日本と違って異形者が認知されてるからニャ~」


「(11時か・・・蟲惑の家から羽田空港までおそらく、タクシーで15分程度・・・余裕で間に合うな)」


「聞いてるのかニャ?アメリカに着いたら、まず君のライセンスを発行しないといけないから三時間ぐらい私達のアジトで大人しくしてもらわないと・・・って聞いてないニャ〜この人〜」


ニャルラがヨグに助けを呼ぶ。


今のアザートには何も聞こえていない。


「こんな感じの人がね、後々話を聞いてなくて、何度も何度も同じ話を繰り返さないといけない人材になっていくんだよー」


ニャルラの嘆きも虚しくアザートの耳には入っていなかった。


そして、それぞれが思いをはせるながら、アザート日本最後の夜は更けていった。


──────

────

──


───────翌朝 八時半 蟲惑の家に配達員が来た。


「私が出る」


私はアイツにそう言って、配達員から封筒を貰った。


「何だそれは?」


アイツがそう聞いてきた。


「漫画雑誌の抽選」


と答えて、自分の部屋へと向かいカギをかけた。


封筒を開けると、中には写真や書類。


その書類に書かれている内容・写真を見た。


そして、次の瞬間・・・


私の心の何かが壊れる音がした。


─────

───

──


約束の九時ちょうどにアザートが蟲惑の家に着いた。


「ニャルラのヤツが『何処にいくの』とか聞かれて遅れるところだったな」


アザートはそう愚痴りながらインターホンを鳴らす。












































・・・が、返事がない。


それどころか、何分経っても出てこない。


「(騙されたか・・・いやっ、それは無い。アイツの口ぶりからして本気だろう。では、何故出てこない?・・・というか)アイツの家、こんな雰囲気だったか?」


そう思わず声を漏らすアザート。


「(この空気・・・まるで・・・あの街のよう・・・まさか!)」


何かに気づいたアザートは門に入りドアを開けようとする。


ガチャッ


「(ドアが・・・開いている。カギを閉めてはいないのか?・・・まぁいい)」


アザートは取り敢えず家の中に入る。


すると家の中は異形者が発する独特な空気が立ち込めていた。


「まさか、アイツ異形化しやがったのか?」


そう言葉を発しながら、リビング・台所を捜索するも誰もいない。


「靴が無かったから察しはしていたが・・・」


そして、二階に上がり蟲惑の部屋であろう場所へと入る。


そこは家の中で最も異形者の空気が濃かった。


床には興信所からもらったであろう書類が落ちていた。


アザートはそれを拾い上げ中身を確認すると、父親のことが事細かに書かれてあった。


 * * *


男は残虐な行為が好きで、小さい頃から虫や鳥などをおもしろがって楽しんでいた。


そして、男は大きくなるにつれて、あるモノが食べたくなった。


それは・・・人間だ。


男はどうすれば食すことができるのか日夜考えて、あることを思いついた。


『結婚すれば子供が食べ放題ではないか』


男はすぐに行動し、一年後には結婚。


その年に子供が生まれ、その二年後にも子供が生まれる。


一人目が女の子、二人目が男の子だ。


二人目が生まれた十四年後、男はついに行動に移す。


当初、二人とも食う予定だったが、長男を殺害している最中に妻に見つかってしまう。


結局、妻も殺して、長女は断念した。


次の日、妻がいないので男が娘に料理を振る舞う。


娘に自分のお母さんと弟の肉を黙って食わせた。


娘は、おいしいおいしいと笑顔で食べて──────


 * * *


「・・・・・・」


アザートはそこで読むのを止めた。


「(・・・アイツの能力では自分が食わされていたことは、分からなかったのか)」


「確か、林に行くって言ってたな」


スマホで近くの林を探しそこへ向かった。


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