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第113話 開始される恐怖の修行

昨日は投稿出来ずにすいません!


「それにしても、アザートさんって案外優しい方なんですね。あれは俗に言うツンデレってやつですよ、ヨグさん」


「それアザートさんの前で言うの止めて下さいね?確実に、絶対に、必ず、射殺されるので」


「え〜〜〜・・・・・・マジですか?」


「大マジですよ。アザートさんは冗談通じない方なので。それにあの時のアザートさんは本気で────」


ヨグとレナはアザートが闘技場から去った後、医務室で談笑をしていた。


何故ならベラがあの後すぐに気を失ってしまったからだ。


ベラの身体はというと既に全てが再生され、元の人間の姿へと戻っている・・・そこは流石異形と言ったところか・・・


「さぁてと、ここに運んでもう2時間・・・そろそろ起こさないとそのアザートさんに怒られますよね?」


「そうですね、再生したらすぐに始めるって言ってましたしね。ベラさんには悪いけど起こさないとね」


2人はそう言うと、ベットで寝ているベラの元へ徐に近づいた。



「え・・・えーと・・・ベラ、起きてくださーい。起きないと殺されちゃいますよー・・・・・・私達が」


「再生したらすぐに修行を開始するとアザートさんが言ってましたから、起きてもらわないと困るんですよー・・・・・・僕達が」


「・・・・・・」


不穏な声が・・・2つの不穏な声が私の上から聞こえてくる。


私が困るんじゃなくてアンタら2人が困るのかよ・・・


そのツッコミが喉の奥まで出かかったが、すんでのところで止まる。


恐らくわざと喋ってるんだ・・・そして、私が耐えきれなくなってツッコミをして私が起きるのを待っているのだ・・・いや、そうに違いない


見ろ・・・目を瞑って2人の顔は分からないが、絶対に笑ってるに違いない。


実はこの私、ベラは既に10分前から起きていた。


でも、2人の会話・・・いや、アザートという男の悪口(?)に盛り上がっており、起きるタイミングを完全に見失っていた。


「早く起きてくださ〜い・・・今日は木曜日、決戦の日は日曜日なんですよ。後3日しかないんですよ〜、時間無いですよ〜」


いや、時間が無くなったのはアンタ等のせいでは?


・・・なんか腹立ってきたな


そう思っていると、ある考えが頭に浮かぶ。


もし私がこのまま起きなかった場合・・・この2人はあの男に殺されるのでは?


いや、殺されはしないだろうが、ドヤされるのは確定だろう・・・


小さな抵抗としては中々良い考えではないだろうか?


そうと決まれば話は早い、このまま寝たフリを決め込もうじゃないか!



「ダメです・・・全然起きない」


「まぁ殺す気は無いとはいえ、アザートさんの銃に撃たれたんですからね・・・いくら異形でも痛いものは痛いですよ」


「そうそう、あの銃あの銃!あれがアザートさんの固有武器なんですね!凄いゴツい銃ですね!それに何ですかあれは!?銃声が6発聞こえたと思ったら、6発同時着弾させたあの技は!?」


手を銃のようにして、アザートの真似をしながらレナがヨグに問いかける。


「あぁ、あれはアザートの特技ですよ。あれ、実はニャルラさんも警戒してた技なんですよね」


「ほえー、凄いですね。しかし、あの銃捌き・・・今、思い出しても惚れ惚れしますよ」


「それ分かりますよ、僕も最初アレを見た時は凄いなぁと思いましたから・・・あっ!なんならアザートさんに頼んで見せてもらいましょうか?」


「────は?」


小さな声がベットの上から聞こえ出す・・・しかし、ヨグとレナの2人はそれに気付かない。


「いいんですか!?見せて貰っても!?」


「いいですよ!いいですよ!まぁ、見せて貰うっていうか、アザートの精錬を見せて貰うだけですけどね」


「全然大丈夫です!じゃあ、そうと決まればいきましょうか!早く行きましょう!」


「そうですね!では、アザートさんの所までレッツゴー!」


「じゃないわよ!!!」









































ある者の怒鳴り声が医務室中に響き渡った・・・勿論、声の主はベラである。


「「・・・・・・」」


「アンタ達2人どういう神経してるのよ!!私を起こして修行に向かわせるんじゃないの!?それを黙って聞いてれば、何が『銃捌きを観に行く』よ!!サボるのもいい加減に・・・って?」


ベラは怒鳴っている最中、ある違和感を・・・いや、嫌な予感を見た。


何を見たのか?・・・それはベラの視線の先にいる2人の者・・・ヨグとレナだ。


その2人が・・・『笑っている』のだ・・・


自分達が怒られているというのに2人は笑っているのだ・・・


普通、怒られたのならバツの悪そうな顔をする筈・・・しかし、2人は同時に笑みを零している。


その笑みはある時にするソレにとても似ている・・・似ているのだ。


その考えに至った瞬間、ベラの予感は確信へと変わる。


ベラが考えた2人の笑みはいつ浮かべる笑みなのか?


それは相手が面白いように己の考え通りの行動をとった時・・・


己の掌に相手が踊っている時・・・


そして、計画通りであるという時・・・


「ア・・・アンタ達・・・まさか!?」


「いや〜、やっぱり寝たフリでしたね、ヨグさん」


「はい・・・でも、まさかこんなボケにツッコんでくれるなんて、ベラさんはツッコミ気質ってものがありますよ」


「な!・・・ア・・・アンタ達・・・騙したの!!!」


興奮し、体が激しく震えながら声を荒げるベラ。


「騙してたのはベラでしょ?寝たフリなんてお粗末な嘘を・・・」


「お粗末って・・・」


「はいはい、無駄口はいいから早く闘技場に向かいますよ〜」


「そうですよ。2時間もアザートさん待ってるんですから、殺されはしませんが、もしかしたら半殺しにされるかも・・・」









































「「・・・え?」」


──────


────


──


闘技場────


「──────来たか・・・・・・どうしたお前ら?揃いも揃って震えて」


「え?・・・いや、別に?・・・ねぇ、ヨグさん?」


「はい・・・そうです・・・ねぇ?何も・・・無いです・・・よね、レナさん?」


「ちょっ!なんで私に振るの!?」


まさか振られるとは思ってはいなかったベラが焦りに焦る。


「まぁいい。さっさっと始めるぞ。異形化しろ」


「はっ・・・はい!」


ベラがそう返事した瞬間、空気が再び重く、暗く変わる。


「(アザートと呼ばれるこの男はあの時、私をわざと怒らせた・・・理由は簡単、異形化させる為に────)」


 * * *


『今から修行って言っても私、あの時どうやって異形化したか分かんないんだけど』


『ああ、それは心配しないで。一度異形化したら2度目は簡単に出来るから・・・って、何で細い目を向けるんですか!?』


『いや、貴女の事私信用してないんだけど・・・イメージとか何とか言ってた貴女を・・・』


『いやいや、今回は大丈夫です!アレです!自転車と同じです!身体が覚えてますから!』


 * * *


「(どうやら本当みたいね、身体全体から感じる・・・身体が変貌していってるのが感じる)」


グチッ・・・・グチッ・・・グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ・・・・


数秒経たず、ベラは異形の姿へと化した。


「コレデ、何ヲスルノ?」


「自我は保っているようだな・・・ならば、話は早い。今から貴様には俺と戦って貰う、そうだな・・・勝利条件は俺の腕を破壊でどうだ?」


「エ─────」


スラスラと話すアザートに対し、ベラは何を言っているか分からない様子だった。


何故かって?それは単純な話だ。


「そんなの無理に決まってるでしょ、アザートさん!僕でもアザートさんの体を破壊するなんて無理なんですから!」


「身体全体ではない、腕だけだ」


「いや、そういう事じゃなくて・・・第一、攻撃が当たらないじゃないですか」


そう、アザートの身体を破壊する方法など、ベラの頭の中に浮かばないからだ。


どうやっても攻撃が当たらない・・・いや、当たるビィジョンが見えないのだ。


「・・・無理なのか?」


「マァ・・・ハイ」


「チッ、仕方の無い奴だ。ならば俺は攻撃を避けない、全て受ける・・・これで問題はあるか?」


「エ?・・・イインデスカ?」


それなら出来そう・・・


そんな考えがベラの頭に浮かぶ。


「じゃあ、始めるぞ・・・ほら、どっからでもかかって来い」


「(よし、この条件なら私でもいける!腕を破壊するか・・・私の6本の腕なら簡単に出来そうだ!ならば近づくのみ────)」


ベラは猛スピードでアザートの元へと近づき、


攻撃を開始した─────









































ドバン!!!


瞬間、腕が弾け飛んだ・・・細くカマキリの鎌のような腕が弾け飛んだ。


「・・・エ・・・エ?」


弾け飛んだ腕の主は・・・ベラのモノ。


「何を驚いている?避けないとは言ったが、攻撃はしないとは一言も言ってないぞ?」


「まぁ、確かに言って無かったけど、ずる────くはないですね!はい!」


「・・・さて、では始めようか?修行を」


次回投稿は金曜日になります。

ブクマ登録をしてくれた方、評価をしてくれた方、そして、読んでくれている方、モチベーションに繋がってます、本当に嬉しさと感謝でいっぱいです!

ありがとうございます!

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