第88話 決戦の音楽は鳴り響く
突然ですが、皆さんは心が踊る、テンションが上がる曲はありますか?
私は『HGSSのセキエイ高原のbgm』を聴くとテンションが上がります!
因みに今回の話はそのbgmを聴きながら執筆しました。
1フロアの高さが20mか・・・
20・・・20?・・・高すぎじゃね?
10mにします。
「・・・・・・時間は9時ちょっど。来たわね」
私達は集合場所の森の奥の『門前』に来ていた。
集合場所はこの1週間の間にG・ティーチャーから言われていた。
『集合場所は門前、時間は9時。少しは遅れてもいいけど、あんまり遅れると承知しないわよ』
皆んなは此処に来るのは初めてで見るもの全てに目をキラキラ輝かせていた。
まぁ、基本的に皆んなG・ティーチャーの言いつけを守ってるからね
門なんて皆んなある事事態知らないし、ましてや柵越えなんてするわけない
守ってなかったのは私とナイとスミヤとベラ姉さんぐらいか・・・
「さて、皆んな闘いの場まで案内するわ。ついて来て」
そう言ってG・ティーチャーは城の中へと入って行った。
「すっ・・・すげぇ!学校の外にこんなに凄い城があったなんて知らなかった!」
「ほんと!絵本にある御伽話の城みたいよ!」
皆んなそう言いながら、口々に城の中へと入って行く。
まぁ、確かに何も知らずにこの城を見るとそんな反応をするのは当然か・・・っていうか
♫〜〜〜♫〜〜〜♫〜〜〜
この城なんか音楽流れてない?
なんか神聖な場所感溢れる壮大な音楽が流れてるんだけど・・・
「フフフ、いいでしょう?この音楽・・・どうしてかは分からないけど、力が湧いてくる気がしないかしら?今日来る貴方達の為に流してるのよ」
確かに不思議とテンションも上がり、力が湧いてくるのも気がするのも分かる
「貴方達は1週間という短い期間だけど、その分濃密な訓練をしてきた・・・そして、遂に今日この日が来た!後は己と仲間の力を信じて前へと進むのみ・・・貴方達の力、とくと見させて貰うわよ」
なんかそう言われると緊張して来たな・・・
いや、気迫で押されちゃダメだ!気をしっかり持たないと!
そんな事を考えながら進んでいくと、先週は警戒して入らなかったエレベーターを乗る。
エレベーター内はとても広く、私達とG・ティーチャーを含めた16人が乗ってもまだスペースがある程だった。
次の瞬間、私はエレベーターの電光表示器を見逃さなかった・・・
G・ティーチャーの押したボタンは1階・・・今いる階は4階・・・最上階は30階・・・
つまり、私達が住んでいた学校は本来の地上よりも高い場所にあったという事・・・
分からない・・・土地勘もそうだが、この場所がどんな地形になっているかが分からない
さらに謎なのが何故この城の存在に今まで気が付かなかったのか・・・
私達の学校のフロアを1階としても残りの階は26・・・
1フロアの天井の高さも高く、約10mとすると26×10で高さ約260mの城・・・
高さ的に必ず分かる大きさだ・・・しかし、気が付かなかった・・・
いや、門の手前まで来ればその高さは認識は出来るのだが、学校から見えなかった・・・何故なのか?
そんな中、エレベーターが1階に到着したのだろう・・・
エレベーターのドアが開かれる。
「さぁ、着いたわ。皆んな降りて」
言われるがまま私達は降りて、そのまま真っ直ぐに進むと2つに分かれている道でG・ティーチャーは立ち止まった。
「さて、此処で貴方達に重大な選択肢を与えてあげるわ」
「「「・・・選択肢?」」」
「そう・・・まぁ、簡単に言えば闘い場所よ。城下町的な場所で闘うか、闘技場的な場所で闘うかの2択・・・どっちにする?」
闘う場所を選ばすのか・・・
道理で闘い場所の地形を聞いても、それは秘密と言われる訳だ・・・
さて、城下町か闘技場か・・・
城下町で闘うメリットは至極単純・・・
遮蔽物が多く、その分奇襲攻撃が通りやすい事、これに限る。
デメリットは地理的要素が不明である事・・・
そして、恐らく逆に相手はその要素を知っているだろう。
これは相手にとってアドバンテージがデカい事他ならない・・・
言わばハイリスクハイリターンの闘い場。
反対に闘技場で闘うメリットは地理的要素による有利不利が無いという点・・・
まさに完全なるフェアな闘いになるだろう・・・しかし、奇襲攻撃が全く意味を成さなくなる。
奇襲攻撃は私達にとっての最大の武器と言っても過言では無い。
それを捨てるのは流石にキツ過ぎる!
そうなると答えは必然に決まってくる・・・
「ナイ、スミヤ・・・決まったよね?」
「あぁ、この2択・・・答えは決まってる」
「そうだね、1週間の訓練が活かせる闘い場所はそこしか無いからね」
「決まったかしら?」
「「「城下町に決まってる!!!」」」
いくら相手にとってアドバンテージがデカくとも奇襲攻撃を繰り出せるのは私達にとって大きな強みだ。
ならば、闘い場は城下町に決まってる!
「フフフ・・・まぁそうくるとは思ってたわ。さて、じゃあ行きましょうか!」
そう言って左の道に進む事となった私達はまた歩き出した。
そして、数分後・・・大きな扉を前に着き、G・ティーチャーがその扉を開けた。
『すっ・・・凄い!!!』
扉が開いたその先は大きな街が広がっていた!
その大きさは軽く私達の校庭を越える大きさであった。
こんな大きな場所が戦闘場だなんて・・・
それに街をリアルで観るのは初めてであった私達にとってそれは大きな衝撃でもあった!
私は観るもの全て新しい光景に辺りを見渡していると、ある人と目が合った。
「あぁ、紹介するわ。彼女がこのCaReUeハウス学校の創設者・ベライザ様よ。さぁ、皆んな挨拶して」
『こんにちは、ベライザさん!』
「あぁ、皆さんこんにちは。ベライザよ、よろしくね」
・・・この人が・・・この人が私達人間を殺す施設を作った張本人!
この人のせいでルーもベラ姉さんも・・・家族皆んなが殺されたんだ!・・・許せない!!!
私はそう思いながら、ベライザという女を睨んでいると、それに気が付いたのか女は私を見て微笑みを浮かべそのまま下がって行った。
まるで私達をゴミのように見る目・・・本当に許せない!!!
下がって行くベライザを見ているとピンク髪の女性と黄土色の女の子?と何やら話をし始めた。
・・・なんだ?あの女性2人は?あの2人も異形者なのか?
彼女達は紹介しないのか?
そんな事を考えでいると、G・ティーチャーは話し出した。
「さて、この街の大きさは500m×500mで、貴方達はその枠内で闘って貰うわ。もし、その枠内に出たら即刻失格にするから気をつけるのよ?じゃあ、今すぐ戦闘を開始しましょうか?と言いたいところだけど・・・これじゃあ、あまりにも貴方達に不利な条件よね?」
えっ?
「フフフ、何驚いた顔をしているのかしら?メイ。前にも言ったでしょう?闘いは常にフェアでなければならないと・・・だから10分あげるわ。10分間貴方達はこの街の土地勘を覚える時間を与えてあげるわ」
・・・土地勘を調べる時間をわざわざくれる?
これは間違いない!罠だ!
前にも言ったが、わざわざG・ティーチャーが私達に有利になる条件を提示するなんて裏があるに決まってる!
「ナイ、スミヤこれどう思う?」
私は小声で聞いた。
「まぁ、罠である事は十分に感じられる・・・しかし、この1週間でG・ティーチャーは訓練を盗み聞きをしてない事は明白だった。帰する所それはG・ティーチャーが言うフェアな闘いに沿っている訳だよ」
「あぁ・・・そう考えると、今回のG・ティーチャーの言う事は本音である事に違いねぇ。まぁ、裏がねぇとは言いきれねぇが・・・」
確かに・・・そう言われて見ればG・ティーチャーはフェアな闘いという言葉を重要視している・・・
つまり、今回のこの10分という時間を与えたのもG・ティーチャーの理念からかもしれない
「ありがとう、G・ティーチャー・・・じゃあ、こちらからも少しよろしいですか?」
ならばこの状況・・・
「うん?何かしら?」
「その10分間は監視をしない、盗聴もしないという事です」
利用する他ない!
「ほ〜う」
「勿論、OKしてくれますよね?フェアな闘いを望むなら・・・」
「・・・フ・・・フフフ・・・アハハハハ!!!良いわ、面白い!良いじゃない!その挑発・・・乗ってあげるわ!ただし、きっかり10分の間よ・・・10分経ったら問答無用でカメラを起動させ、闘いは始まる・・・これで良いわね?」
「はい!分かってます!」
「んじゃあ、始めましょうか・・・10分後、楽しみにしているわ!準備は良いかしら?・・・行くわよ?・・・GO!!!」
闘いが遂に始まる!
ピンク髪の女性と黄土色の女の子?・・・一体何者なんだ?
次回投稿は来週の水曜日になります。
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